<SORAを見上げて>
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<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに> 61
<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに> 61

シティのスタッフ総出で彼の帰りを迎えた。
メディカルチックを簡単に済ませ、メインコントロール・ルームからシティ全体に、
彼からメッセージを伝えた。
ドクター・ボォンとキランは、彼の星のものとして泣いていた。
ベガはキランに、寄り添って一緒に感動して泣いていた。

任務時間にもかかわらず、なだれ込んだメンバーズルームで、ガッシュは、
リゲルとランと相変らずのやり取りで、周りを笑いに巻き込んでいた。

「任務中のメンバーが何故いるんだ解散解散!」
「ガッシュ3分だけ、皆顔が見たいんだ」
「それは俺にコントロールルームを見てろってことか?ランがやれ!」
「1分、いいでしょう」
「1分?!」

皆が盛り上がるのを無視してガッシュがリゲルを見上げて言った。
「おいリゲル、あんなめちゃくちゃして、彼の星でニュースになっていたのを、
こっちにも伝えられたぜ。派手に遊んで俺も行きたかったー!」
「あれ?俺がしっかり伝えただろう」
リゲルが、ガッシュを見下ろしてニヤニヤ笑っていた。

「だからよけい行きたかったんだろうが!ラン、彼に会って体はひと回りでかくなるし、
すっごい変化だな。充実したものを感じるよ。こっちも整理できらしいし、
お手並み拝見だな」と言って、頭を指差して笑った。

「ガッシュのおかげです。これからもどうぞよろしくお願い致します」
「俺は卒業だと言っただろう。彼とリゲルについて行け!」
「そうはいきません。彼がまだまだガッシュには、かなわないと言ってました」
「いいや、いつまでもかなわないのは、年齢ぐらいだろうさ」
「くっ、ははは〜!ガッシュ自覚したか。ランは面白いぞ、遊んでやれよ」
「リゲル!スタッフがいる前でそれはランに失礼だろ!遊ぶのはお前に譲るよ」

そこへ彼がノルドと入って来た。
みなの視線は彼の柔らかい微笑みを見て固まっている。

そこでランが「1分だ。任務に戻ろう」と声をかけた。
スタッフは皆自然と笑顔で、彼に会釈をしながら大人しく出て行った。

「おやぁ皆さん素直だ事。ランの一声?それとも貴方の微笑み?」
リゲルが言うと
「当然スタッフとしての自覚だ」と彼が応えた。

「ランは凄い事になったな。まだまだ飛躍すると今彼から聞いたところだよ」と
ノルドはランに声をかけてから、リゲルを見上げた。
「随分派手に遊んだな。遊びでもお前を止めるのが大変だと聞いたぞ。
まったくなっ」
「チェックは俺も受けたぜ。ゆっくり行っている範囲内だろ?」
「何が範囲内だ!これから今の段階でのデータ−をはっきりさせるから来い!」
「心配してくれているのは分かるが、データ−を作ってもあまり意味が無いよぉ」

「リゲルそう言うな!お前ならどうしたら良いと思う?」
「ほっておく。ははは!」
「くくくっ、確かにそうだな。ノルド、やっぱりほって置くしかないようだぞ」
彼は首を横に振ってノルドに言った。

「リゲルは、彼に何かあっても、ほって置くというのか?」
「俺と彼では話は違うだろう!」
「リゲルにつける薬が無くて困ってます。貴方にお任せしても良いでしょうか」
「今リゲルの相手は、あまりしないつもりだよ」

それを聞いたりゲルは頷くと、立ち上がり出口の方へ歩きながらノルドに声をかけた。
「ノルド行くよ。センターか?それとも新しいプライベートルームか?」
「最初から素直にそう言え!まったく。どれだけひやひやしたと思っているんだ。
リゲルのところで良い」
『心配のしすぎだ。長い付き合いになる、俺をもう少し知る事だな。ランも来い』
「私もですか?分かりました」
「リゲル、ノルドの言う事は最優先だ」
彼は真剣な表情でリゲルを見ていた。

「ゆっくり行っている」
リゲルは目の高さまでしゃがみ込んで、ノルドの瞳を覗き込んで伝えた。
『これ以上ゆっくりでは起きて入られないんだよ。まだ寝ても良いかな?
彼も帰ってきたことだし』
それを聞いたノルドの心の変化に、リゲルは二ヤッと笑って
『医者のくせに不安を外に出すな』とその大きな美しい目でウインクをした。
ノルドがビックリした顔をしているのを見て、リゲルは声を出して笑い出した。

そこへ、ベガが入ってきた。
「あら、どこへいくの?」
「ノルド、ちょっと待ってくれ」
「ベガの例の腕輪、俺達にも見せてくれよ」
リゲルがノルドとベガに言った。
「そう思って、ガッシュも皆と一緒の時で良いって、まだなの触れていないのよ」と
言いながら、左手から腕輪を外して、先ず彼に渡そうとした。

「私は別な時でいい。最初に私が触れると皆が触れられるまでに時間がかかる。
リゲルもまだいいね。彼女が慣れるまでは、外して触れるといいだろう」

「じゃぁガッシュね」
「あぁ、ビックマインドから君へのプレゼントだろ、いいのかな」
「もちろんべガのものだが、皆の役に立つだろう。それも我々だけのようだよ」
「貴方はすべてご存知なのですね」
ベガは彼を見上げて言った。
「いいや、全てではない」と彼が優しくベガに微笑んだ。
ベガは腕輪を持ったまま、一瞬彼に見惚れていた。
「ベ〜ガ?」
ガッシュが笑いながら声をかけると、ベガはハッとしたようにガッシュに手渡した。

「、、、、、これは、確かにビックマインドからだ。ベガありがとう。、、!!
『、、、ありがとうこざいます』」ガッシュはベガとビックマインドに礼を言った。
「あら、もういいの?随分短いのね」
「ん?俺は単純だから簡単なのさ」彼を見て頷いていた。

「ノルドも、ぜひお願いします」ベガの言い方に、ガッシュが随分違うじゃないかと
言って笑った。
「でもガッシュの後か?そう言う事もありな訳だな」
「それはどういう意味だ、ノルド!」笑いが起こった。
「、、、、」ノルドは暫く黙って堪えていたが、涙をハンカチで拭いて溜息をついた。
『ありがとうございます、、、、』
「ノルドの思い、この世界の宝として頂きますと、そして自身の医者として
使える能力を、受け入れられる限りを伝えたと。私にも言っていた。
それに触れる事で開かれたようだな」

「ラン、どうぞ」
「、、、、、!これは、、、」
ランの興奮した状態が皆に伝わってくる。
「、、、、ありがとうございます。ベガありがとう。これは貴女が持って、はじめて
機能するようになっているようですね。間違えなく貴女が持つにふさわしいものです」
ランからベ、ガが腕輪を受け取ろうとして手を出したが彼が止めた。

「暫くそのままにして触らないでベガ。ランはベースもだいぶ高くなった。
リゲルの為だな」と彼はリゲルを見上げて言った。

「もちろんレベルが違うが、むちゃなリゲルを護るために。ずっと私とランに
監視されている訳だ。ノルド少しは安心だろう」

ノルドは静かに頷いてリゲルにいった。
「リゲルの事がよほど心配だったのだな。これ以上銀河を越えてまで、
心配の種にならないようにするんだぞ」

「本当だよな、、、何があっても俺はゆっくり行く事にした。動けかないよ、、。
皆の行く範囲が俺の守備範囲。その先の事はずっと後で彼と共にやる事だ。
でも、、、皆、ありがとう」
リゲルは彼独特の生命に対する深い愛情で、優しく彼等を包みはじめた。
「命底までフワァッと暖かく包まれる、、、リゲルのフォローは特別ね」
ベガはうっとりとして、リゲルを見上げていた。
「あぁ、リゲルの癒しのパワーには、かなわないです」
「ランも独特の素晴らしいものを持っている。上手くなるよ」
「そうなりたいです!」
「彼が帰ってきたのだから、なれるよラン。俺はこれぐらいで皆の役に立てば
良いんだよな」
「リゲルにはあんなに凄いパワーがあるのに、、、」

「俺や彼の力が必要がない事を、常に強く願っているんだよ。ガッシュの思いと共に」
「、、、そうですね。本当にそのとおりです。私もガッシュの思いと共に強く願います」
するとリゲルは背中を丸めてランの顔の近くに来ると
「ランは気がついていたか?あの頑丈なガッシュが、なぜ、、」
「黙れ!リゲル」
ガッシュが、リゲルを止めようとした。
「これだけだガッシュ。、、、ランは弟だろ」
「リゲルもだろうが!」

「ガッシュは俺の事も彼の事も解って、こうして戻ってくるまで、この世界で大きな負の力が働かないようにと、命がけで強く願っていてくれた。ラン、不思議に感じなかったか?ガッシュは凄い奴なんだよ」

ラン、ノルド、ベガの三人は、驚きを持ってガッシュを見上げた。
「リゲルまたプレッシャーかける気か?いい加減にしろ」
ガッシュは拳を握って殴るまねをした。

「事実だ」リゲルはその美しい輝く目で、ガッシュを覗き込み
『ガッシュ、本当にありがとう。ところでまだ、ダメなのか?』と言った。
『しつこい!』
ガッシュは、指で×を作った。
『、、、お大事に』
リゲルは困った顔で彼を見た。

「ベガは、とても安定し充実している。ビックマインドから、特別なメッセージでも?」
彼がベガに聞くと、嬉しそうに薄紫の美しい目を輝かせて言った。

「えぇ信じがたい彼女の真実を教えてくれました。そして私の思いを深く理解してくれました」
「彼女って、?!どちらとも取れると思ってはいたが」
「そう、女性ではいけませんか?リゲル」
「そんなことはない」
「別世界から来たにもかかわらず、命を助けてもらった星で、後に私と同じ立場として迎えられ、
これはその時に、王から賜った腕輪だそうです。もちろん彼女が私達のために特別なものを与えてくれたようですが、その地で王妃であり、妻であり、医者、教育者、指導者の一人でもあるそうです」

「人の世界に共にいる、、」ランは彼の方を見た。
「信じがたいかもしれないが事実だよ」
『リゲルはダイレクトにコンタクトを取らずとも、解っていたのだな』
『あれほどの存在感は他にありえない。別の存在だった。その時点で
貴方に任すべきだと感じていた。それでも私達を静かにフォローを
していてくれたのは知っていたよ』

「リゲル、ゆっくり静かにだが間違えなく進化し続けているな。それ以上
テンポを遅くするためには、冬眠のような状態になるしかないか。OFFにして
いてもだめなのか?」
彼が聞くとリゲルは困ったような顔で答えた。
「俺の性格じゃずっとOFFにしていたら、暇すぎて死んじゃうよ。貴方のような
訳には行かないさ」
「暇すぎる?くくくっ。まぁ、これからはランと私が少しは暇つぶしの相手が
できるかな。ガッシュもだ」
「リゲルの暇つぶしに付き合わされるのは1度で結構です。無理やり限界
超えて別物になっちまう。これ以上の変化は結構です。いいんだ俺は!」
ガッシュがえらく真面目な顔をしているのには、彼も笑っていた。
彼の笑顔は誰もが美しいと感じ、何よりも癒される思いがする。
リゲルも笑っていた。

「ノルド、ラン悪いがさっきの話はパスだ。今の君達は彼女の情報でいっぱいだ。
私には直接ではないが伝わってきている、安心したよ。また後でな」

『ノルド、俺の部屋にいる』
リゲルはそう言うと、メンバーズルームの壁を抜けて外へ出て行った。

「リゲルはなぜ?パワーが高すぎるから、触れないのですか?」
「まだ完璧でないリゲルは、自分のコントロールに苦労している。触れれば、
何らかの変化が起きる可能性があるだろう。ベガ心配しなくていいよ。」


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2008.03.28 * 遥か時の61〜70 * CM:0 * TB:0 * top↑
  
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