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<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに>51
<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに>51
 
                          

彼とランの屋敷に始めてきたガッシュ。
私も久しぶりですとランが一通り案内をし、2階にあるそれぞれの部屋を見てから、リビングに下りて来た。

「華美な所がなくて、落ち着いた良い家だな。一般人からすれば都市から離れすぎていて生活には不便だろうが、ここは間違えなく静かだな」
「是非にと言われて一応寝に帰ってました」
「彼の部屋はやはり少し雰囲気違うな。シティの彼の部屋のようなつくりなのかな?」
「近いです。入ってくる人に合わせられています」

「ボォンが来た。ランを診たら、俺は帰れと言われるかな?」
「そんな事はありません。ガッシュは私の大切な客です。それに本当に楽しかったのですから」


入口の背の高い大きなドアが開いて、ボォンがやって来た。
ボォンにはランの雰囲気から、とても充実して楽しかった事が伝わっていた。

「随分楽しそうでしたね。充実していい意味での緊張感が少しあり、心が躍動していると言うのでしょうか。こんなランを見るのは久しぶりです」
「そうか、それならよかった」
「ラン様、少しお休みになれば、元気になります」
「ボォン心配のしすぎだよ」

「そのとおりです。ガッシュが貴方のためにしてくれた事が無駄にならないように、私は私でラン様をお護りするそれだけです。ごゆっくりお休みください」
「ラン少し寝ろ。いいな」
二人とも下のリビングへ行った。

「ランはあまりにバランスが悪い。あのパワーに身体が付いていける筈がない。次に何か起こった時に、また苦しむ事になる。今の状態も俺が鍛えるというところまでも行かなし、せめて時間を作り、ジムで身体を慣らすことぐらいから、はじめるといいとランには言っておいた」

「わかっています。でも焦ってもいけません。ついていけないのです」
「、、、、もう少し時間が必要か。俺が悪かったな」
「いいえ、精神的にガッシュにとても癒していただいたようです。ありがとうございます。食事は城の調理人のアンドロイドがここに来て用意します。明日朝にまた来ますので、ランをお願いいたします」

「わかった。ところで長老会議に出ていた人は、皆他からわざわざ城へ来るのか?」
「そうです。城に住んでいるものはいません。いわば城型会議場のようなものです。定期的にやってますので皆なれたものです」
「皆が心配しているだろう、ボォン悪いな」
「心配はしています。でも皆にラン様の心が伝わってます」
「そうか」

ボォンが帰って3時間ほどして、リビングの左横のパネルに夕食のメニューが表示されて来た。
ガッシュは、ランの好きなものをいくつか用意してくれれば良いと伝え、時間指定をした。
ガッシュ自身水分補給もしていなかった。
城は苦手だと思いながら、リビングの横のからキッチンに入ろうとすると、

[ガッシュ様、御用は何なりとお申し付けください]と声がした。
「ミネラルウォーターが欲しいのだが」
[分かりました。そちらのテーブルにご用意いたします]

ガッシュは戻るとテーブルの上に大きめなピッチャーによく冷えた水とグラスがされていた。

それから2時間程でランが起きてきた。

「丁度良い食事の用意が出来たところだ。もしかするとこのまま朝まで起きてこないかと思ったよ」
「せっかくの時間がもったいないです」

ダイニングルームに入って、ランは驚いていた。彼との思いでの物ばかりだった。
「ガッシュありがとう」
「無理かなと思っていたから、君の好きなものを少しだけ用意してと、言って置いたんだが、随分あるな」
ランは嬉しそうに食べながら質問をしてきた。
『私の情報に貴方の経験を頂き、今日少し遊んで新たなものを作りました』
「役立つといいな」
『はい、ちょっと広げてみました』
「ん、面白そうだな。、、、、美味いなぁこれ」
「はい、これは彼も大好きです」
『おぉそうか。その情報、教えてくれ、、、』
「はい、後ほど」
「はい、はい。他には?美味いなこれ」
ガッシュは合いの手の様に”美味いなこれ”と言っている。。

「もっと遅くなったら、輪に行きませんか?」
「明日の朝まで、ランはここでお休みだ。もう少し入らないのか?」
「わかりました。ゆっくり頂きます」
「んで?なんでも今なら聞くよ」
『では、意見を聞かせてください』ランはテレパシーで伝えてきた。
『以上です』
「なるほど凄い奴だ。少しは役にたったというところだな」
「ガッシュの意見を聞いて、良かった。、、、これではどうですか?え?あっ?はい!面白いですね」
「おい、面白がってくれるのは良いが、しっかり食えよ。お前が管理職だけの奴ならそれでもいいが、
彼やリゲルとこの世界を、そのパワーで護って行くつもりなんだろ」
「はい!面白くて、、、すみません。食べますから、これ美味しいんです」
「謝る事じゃないだろが、そう食事は楽しくだよ。でもこんな調子なら夕食が朝までかかるぜ。お付き合いは後2時間ぐらいでいいか?今日は俺も寝るよ。ランに付き合って何日だったかな。今日は頭も身体も休めるんだ。ふふっ、そんな顔するな」

「あの、、、これは、もう、、。栄養分だけ吸収すると言うのではいけませんか」
「なるほど、そういう手もあった。食わないよりましだな」
ガッシュはランをジッと見つめていた。
少しして、ランの前に合った物が消えた。
「血液中の水分濃度の調整も終了。お待たせしました」と言った。
グラスの中の水も消えていた。

「ふ〜ん、彼との食事はこんなもんだったのか?」
「いえ、普通に食事をしていましたが?」
ランは、まずい事でもしたかと思ったが、ガッシュとの時間がおしかったのだ。
「まぁいいか俺と二人の時くらい。そう有る事ではないからな」
「あ?失礼しました」
「今日は何回俺に謝っている?今の食事の仕方で感じたが、ランはそのうち人間をやめるつもりか?」
「人間をやめる?ガッシュとの時間が惜しかったので、したまでです。それに貴方にそうしても良いかと聞いて、、、」
「時間がか、あぁ後2時間といったな。それでか。探究心旺盛でけっこう。近い内にどんどんランは、リゲルに迫るだろう。そう思いたいとリゲル自身が言っていた。そのランも、我々からは遠い存在だ。ランは彼の身近にいて、彼の心を誰よりも感じ取っていただろう。そもそもこの星の人達の特性でもあるものな。敏感すぎるほど感じ取ってしまう。だから傷つきやすい。なのに?、、、やめた。
もうこの話は無しだ。俺はランが好きだよ。家族にしてくれてありがとう。でも時間をかけてコミニケーションを取る、面倒な生き物なんだ人間は。俺もこれを忘れていた。便利なものを分けてもらって使い切る事も出来ずに、大切な事も忘れている。どうも俺らしくなくなっている。悪いな」

「ガッシュそんな中途半端な、困ります。私の間違えは、ちゃんと指摘してください。時間を惜しんで貴方に、教えを請うつもりで、起きて来たのですから」
「はははっ!長老ラン様復活で、いい緊張感があっていいな。、、、言っただろう、俺が悪いって」
「それでは、わかりません」
『必要なら、俺の中を見ろ、、、、』
「、、、、、」

『彼と共に暮らした時間が、お前をそうさせたのか、、、たぶんそうだな。子供なりに必死で唯一の家族、彼と暮らすためにと悩んで来たんだろうな』
ガッシュは立ち上がるとダイニングから出て、リビングの外のテラスに向かった。
『ラン、こっちへこないか。あの美しい輪と流れ星が見たい』 
ランは黙ってテラスへ向かった。

外の空気は、滞在区のホテルのものとは、また違う。
そばを流れる清流や、無数にある池の湿度を含んでいた。
美しいグラデーションの輪、そこから飛び出す無数の小さな金の流れ星。

「綺麗だな」
「ガッシュ貴方は相手を納得させる、はっきりとした物の言い方をする人です」

「俺は昔から大切な人たちを傷つける。ランは俺を家族にと言ってくれた。大切だから、もう傷つけたくはないと思う。シティに戻れば神経をすり減らす緊張の連続、やらねばならない仕事が待っている。こうしていられるのも僅かな時間だ。大人はけっこう厄介なもんだ。いや、俺も子供なのか、ふふっ、ランがうつったんだろう」
「先程の事、教えていただきたいのです」
『ふ〜、、、彼やリゲルは人前で、あのような食事の取り方はしないだろうと、俺が思うだけだ。ランはちゃんと断った上でだから良いんだよ』
ランは黙って、ガッシュを見つめていた。

「今回の目的の伝えるべき事は伝えた。明日シティに帰る。ランは少しゆっくりしていけば良い。部屋借りるぞ。お休み」と言ってテラスからガッシュは消えた。

ランは2階の客間の扉をノックした。
『今日はもうお休み。俺も寝不足だから寝させてもらうよ』
『お願いです』
『誰にもあるように俺にも困った事があるんだよ。ノルドを連れて行くよりも、自分の方がやばくなって来た』

「ガッシュ、大丈夫ですか!」ランは少し慌てた。
『大丈夫だよ。やれやれ扉の外で話してないで入れ、彼と君の家だ。ここへ来いよ』
ガッシュは、ベッドに横になっていた。

『また涙浮かべているのか?オークの巨木じゃないが可愛い長老様だ』
『自分の方がやばくなって来たって、言ったじゃないですか?ボォンを呼びましょうか』

「ははっ!そういう意味じゃないよ。ほら触れて見ろ。ちょっと寝不足なくらいだ」
「?そんなに、やばくはないですね」
「だろう。ランのように頭脳派じゃないんだよ。身体、ここで考えるタイプなんだ俺は」
胸に手をやった。
「ここがプレッシャーを感じはじめたという味なんだよ。心配させたな。俺だって悩んでいたことがある。星へ帰れば、その事も同時に俺の上に圧し掛かってくる。これノミの心臓というんだったかな?」

「人間として生きるために必要な、苦しさや辛さは、私にとって喜びだと。リゲルもあの長い時間を深く精神の底で、彼の生き方を,未来とのかかわり方を、、、そうですね。人間を愛して、人として生きたいと思うから、彼らならあんな事は人前でしない。、、、、。すみませんでした」ランは心から謝った。

「ランは誰も傷つけていない。あの場には彼もリゲルの意思もなかった、俺だけだ。側にいて彼らの思いに気が付いていればと。つい大人気なかった。俺がランを傷つけた。他の人が見たら、それは便利だと思うぐらいだろう、大した事ではないんだ。食欲が戻るまで、ああして栄養を取るのが良いかもな。さぁ、俺の話は終わりだ。まだ何かあるか?」
「教えていただいてありがとうございました」
「情報は日常の中で生きてこなければ、あるだけでは意味がないからな」
「はい」

「そのうち、毎日怖い顔してメインコントロールルームから、あらゆる手を打つのか?育成、指示、コンタクト、フォロー、溢れる情報と思考、無理解、否定、会議、、、、怖い顔にもなるか。だが日常を通して、新しい使える回路をどんどん作り、より多くの人が未来のために使えるようになったら、素晴らしいし楽しみも出てくる」
「そうですね。怖い顔にはなりそうだったら、また教えてください」
「あぁ、お安い御用です。もういいかな?お休み」


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2008.03.21 * 遥か時の51〜60 * CM:0 * TB:0 * top↑
  
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