<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに> 6
私は、我々の銀河の中で、”みる・かんじる“能力が優れているといわれる星の出身だ。
我々の間では、互いにそれが当たり前なので問題は無いのだが、
一歩外に出るとお構い無しに襲ってくる情報は、我々を苦しめ,
時に死に至らしめる事さえあった。
そのため長い間、星の外へ出ても知的生命体との交流は避けていた。
しかし次第に他の星から宇宙空間へ飛び出してくる情報に、
自分達のあり方を変えざるを得なくなり、我々の恒星が銀河を
一回りするほどの時間をかけ、コントロール方法を学習していく中で、
他の星の人々と交流し、時と共に繊細ではあるが少しずつ強い精神力を持つ種となった。
あらゆる生命達の存在する惑星上におこる悲惨な歴史の事実を調べる仕事には、
現在我々の星の者がつく事では無かった。
なぜなら過去に発狂、時にはショック死もあり、
仕事を許可した者が間接的な殺人者となりかねないかった。
「どうしても解明できない不可解な部分があるので、その部分だけ調べて欲しい」
という、調査委員会から是非ともと言われましたと、ベガが申し出1回だけという
約束で行った。
それまで多くの時間を割いても解らなかった事が、数秒で結論が出る。
それ以降、何度か私が行く事となった訳だ。
もちろん終ってから、すぐに呼び出された。生命保護違反、ETC.だと。
ベガも私も、罰せられるところだったが、私の熱望により許可が出たことになっている。
(気分が悪くやっとの思いで我慢して立っていたのだ)ともかく早く終らせたかっ
た。審議委員の心とメディカルセンターのコンピューターを、少しばかりコントロールした。
テレパスである事は知られているが、殆どのものに影響できる事は誰も知らない。
(どれほどセキュリティーが高かろうが知りたいと思えば良い)
そして同時にそのパワーの限界は人の世界で知りようがなかった。
宇宙では無数の非常事態が、同時におこっている。
”地獄を見に行く事”が仕事なのだ。
滅んだ星の調査の度にストレスを溜め込んでいた。
我が家に戻って少し休めば楽になるが、そう頻繁にこの世界に出入りするのは、
私にも影響が大きい、まだ慣れていないということころだ。
リゲルは「ここで待っている」と言ったが、私が青ざめた顔でブースから出て来るか、リゲルが飛び込んで来る事もあった。
1度は周辺のブースごと外へ吹っ飛んだ事もある。
この時けが人が出なかったのは、異変を察知したその瞬間、
リゲルがこのブースのある区画にいた全員を、安全な場所へ移動したおかげだった。
皆の安全を確保した次ぎの瞬間、宇宙空間で意識を失っている私を、
連れ戻しに飛び出して行った。
私は、ストレスにより、コントロールを失い暴走した事になっている。
皆からこの記憶を消してしまいたかったが、自分の方が意識を
失っていたのでしかたがない。
メディカルセンターで数日間、治療という名の検査付けの隔離状態になった。
リゲルは私の傍らにずっといたが、退院する日に心の中の疑問を伝えてきた。
『意識が無い状態で、宇宙空間にいた貴方は何か違うと感じた。
俺が保護しようとしたその瞬間戻ったようだった。いったい貴方は?』と
禁止保護条項にあたる質問をした。
『強いダメージを受けるとそうなるのだろう。自己防衛本能の一つだ』と伝えておいた。
このままでは、危険な存在となる可能性がある事を認めざるを得ない。
メディカルセンターを出てすぐに、この任務を降りる事を申し出たが、
許可が下りるどころか、危険な目にあわせた人たちへのカウセリングを、
当の本人がするという事になってしまった。
「皆は、貴方と直接話しができるならと喜んでいる。是非そうしてくれないだろうか」
責任を取れと言う事である。
意識が戻って事態が解った時すぐに、皆にコンタクトを取っていたのだが
それぞれのプライベート・ルームに再度謝りに行った。
「もういいのですか?」
「怪我は?」
「貴方だったなんて信じられませんでした。大変でしたね。お体はもう良いのですか?」と口々に気遣ってくれた。
しかしその先に個人的な聞きたい事が山ほどあった。
プライベートな禁止事項の質問が心から溢れていたのだ。
「規則違反になるから答えられないのだよ。皆が想像している事と
今、目の前で話をしている私とに差があり過ぎるのだが、くくくっ」
と、真実のみを答えた。
カウセリングと言うよりも、皆の間で噂に上っていた事を聞かれ、頼まれた。
「美しい銀河を、一度見たかったので是非お願いいたします」
誰かが話したのだろう他の区画の人たちにまで集まってきた。
展望ルームは満員状態で、溢れた人や来たいと思っていても来られなかった人に
も、皆で一緒に共有して、我々の美しい銀河を外から眺めた。
漆黒の宇宙に浮かぶ、無数の光の渦があまりに美しい。
壮大な生命の交響曲の中にいるような感動が心を捉えて離さない。
『これが私達の銀河、、』
『何て綺麗なんだろう』
『なんだか怖いくらいに美しい』
それぞれの思いが静かな感動となって溢れていた。
シティの人たちとの、いいコミュニケーションになった2日間だった。
皆の喜ぶ心が降り注いできて、終ってみれば私が癒してもらったという事になった。
その事故以降、リゲルと私は必ず2人で行動する事になった。
常に一緒で行動する私達を仲間は「最も危険な二人」と呼ぶようになった。
通常パワー的には、巨人のリゲルは私より遥かに危険な存在だった。
私にとって、緊急事態が同時に幾つ重なろうが、どんな場合であってもコントロールできないと言う事は、あってはなら無いことであった。
しかしベガは、
「我々生き物は、完璧ではないのです。私達にとって完璧でない事が、貴方を”人”として、受け入れられる大事な一つです。」という。
私は、”人”としてとしてまだ初心者に入ると思う。
「どう見ても人ではないかな?完璧な存在には程遠い」
「でも、、、、元々そういう方なのですか?」
「なんと言えば良いのかな。ある程度皆に合わせて今ここに皆と居る。私はこういう人だと言う事だ」
「さらに興味が湧いてきます。もちろん礼儀を護って勝手に覗き込んだりは、致しませんが」
「そうだね。ベガの為に脅かすつもりではないが、パワーレベルが違いすぎる。
普段は問題ないが、私の意識状態が不安定な時は、下手に精神に入ってこようとするとかなりまずい事になる。どちらにしても、声をかけるかテレパシーで、呼びかけると良い。シティの人達の潜在意識の中にインプットして置く必要があるかな」
「あら!それって大変。その前に一応シティ全体に特例として情報を伝えなくては」
「くくっ!意識状態が不安定のため絶対に覗かないようにと?ここの構造は筒抜け過ぎるな。ちょっと手を入れるかな。許可を貰っておこう」
「貴方の星は大変美しいし、そこの人々もとても神秘的です。その事は有名で皆知っていますわ。
礼儀として勝手に除いたりしない事は当然として、要注意事項として覚えておく必要がありますね。
子供達には本当に暗示にでもかけておく事が必要かもしれません。怖〜いかもしれない、おじちゃんだよって、ふふふっ!」
彼は驚いたような顔で言った。
「!おじちゃん?ひどいな。子供達からは見るとおじさんか?お兄さんって感じるのはどのくらいまでだ?」
「それぞれ年代によって感じ方が違うのは当たり前じゃないですか、不思議な事で悩むのですね」
「私は幾つに見える?」
「えっ?見た目よりきっと年上だとは思うけど、20代前半から25くらいでしょう?」
「酷いなぁ、それはおじさんだ!」
「うそ!幾つなのですか?」
「せめて10代にしておいて欲しかったな。私の星では成人は、殆ど自己申告制で友達と祝うのが一番多いが、私はまだ成人してない」
今度はベガが目を見張った。
「そんなぁ!だって貴方は、、、驚きました。不謹慎ですが、ますます興味がわいてきてしまいましたが、プライベートな事ですね」
薄紫の美しい瞳を持つ彼女に、彼が優しく微笑んだ。
「なんて、、美しい」ベガは言葉を失って、彼を見上げていた。
私は、我々の銀河の中で、”みる・かんじる“能力が優れているといわれる星の出身だ。
我々の間では、互いにそれが当たり前なので問題は無いのだが、
一歩外に出るとお構い無しに襲ってくる情報は、我々を苦しめ,
時に死に至らしめる事さえあった。
そのため長い間、星の外へ出ても知的生命体との交流は避けていた。
しかし次第に他の星から宇宙空間へ飛び出してくる情報に、
自分達のあり方を変えざるを得なくなり、我々の恒星が銀河を
一回りするほどの時間をかけ、コントロール方法を学習していく中で、
他の星の人々と交流し、時と共に繊細ではあるが少しずつ強い精神力を持つ種となった。
あらゆる生命達の存在する惑星上におこる悲惨な歴史の事実を調べる仕事には、
現在我々の星の者がつく事では無かった。
なぜなら過去に発狂、時にはショック死もあり、
仕事を許可した者が間接的な殺人者となりかねないかった。
「どうしても解明できない不可解な部分があるので、その部分だけ調べて欲しい」
という、調査委員会から是非ともと言われましたと、ベガが申し出1回だけという
約束で行った。
それまで多くの時間を割いても解らなかった事が、数秒で結論が出る。
それ以降、何度か私が行く事となった訳だ。
もちろん終ってから、すぐに呼び出された。生命保護違反、ETC.だと。
ベガも私も、罰せられるところだったが、私の熱望により許可が出たことになっている。
(気分が悪くやっとの思いで我慢して立っていたのだ)ともかく早く終らせたかっ
た。審議委員の心とメディカルセンターのコンピューターを、少しばかりコントロールした。
テレパスである事は知られているが、殆どのものに影響できる事は誰も知らない。
(どれほどセキュリティーが高かろうが知りたいと思えば良い)
そして同時にそのパワーの限界は人の世界で知りようがなかった。
宇宙では無数の非常事態が、同時におこっている。
”地獄を見に行く事”が仕事なのだ。
滅んだ星の調査の度にストレスを溜め込んでいた。
我が家に戻って少し休めば楽になるが、そう頻繁にこの世界に出入りするのは、
私にも影響が大きい、まだ慣れていないということころだ。
リゲルは「ここで待っている」と言ったが、私が青ざめた顔でブースから出て来るか、リゲルが飛び込んで来る事もあった。
1度は周辺のブースごと外へ吹っ飛んだ事もある。
この時けが人が出なかったのは、異変を察知したその瞬間、
リゲルがこのブースのある区画にいた全員を、安全な場所へ移動したおかげだった。
皆の安全を確保した次ぎの瞬間、宇宙空間で意識を失っている私を、
連れ戻しに飛び出して行った。
私は、ストレスにより、コントロールを失い暴走した事になっている。
皆からこの記憶を消してしまいたかったが、自分の方が意識を
失っていたのでしかたがない。
メディカルセンターで数日間、治療という名の検査付けの隔離状態になった。
リゲルは私の傍らにずっといたが、退院する日に心の中の疑問を伝えてきた。
『意識が無い状態で、宇宙空間にいた貴方は何か違うと感じた。
俺が保護しようとしたその瞬間戻ったようだった。いったい貴方は?』と
禁止保護条項にあたる質問をした。
『強いダメージを受けるとそうなるのだろう。自己防衛本能の一つだ』と伝えておいた。
このままでは、危険な存在となる可能性がある事を認めざるを得ない。
メディカルセンターを出てすぐに、この任務を降りる事を申し出たが、
許可が下りるどころか、危険な目にあわせた人たちへのカウセリングを、
当の本人がするという事になってしまった。
「皆は、貴方と直接話しができるならと喜んでいる。是非そうしてくれないだろうか」
責任を取れと言う事である。
意識が戻って事態が解った時すぐに、皆にコンタクトを取っていたのだが
それぞれのプライベート・ルームに再度謝りに行った。
「もういいのですか?」
「怪我は?」
「貴方だったなんて信じられませんでした。大変でしたね。お体はもう良いのですか?」と口々に気遣ってくれた。
しかしその先に個人的な聞きたい事が山ほどあった。
プライベートな禁止事項の質問が心から溢れていたのだ。
「規則違反になるから答えられないのだよ。皆が想像している事と
今、目の前で話をしている私とに差があり過ぎるのだが、くくくっ」
と、真実のみを答えた。
カウセリングと言うよりも、皆の間で噂に上っていた事を聞かれ、頼まれた。
「美しい銀河を、一度見たかったので是非お願いいたします」
誰かが話したのだろう他の区画の人たちにまで集まってきた。
展望ルームは満員状態で、溢れた人や来たいと思っていても来られなかった人に
も、皆で一緒に共有して、我々の美しい銀河を外から眺めた。
漆黒の宇宙に浮かぶ、無数の光の渦があまりに美しい。
壮大な生命の交響曲の中にいるような感動が心を捉えて離さない。
『これが私達の銀河、、』
『何て綺麗なんだろう』
『なんだか怖いくらいに美しい』
それぞれの思いが静かな感動となって溢れていた。
シティの人たちとの、いいコミュニケーションになった2日間だった。
皆の喜ぶ心が降り注いできて、終ってみれば私が癒してもらったという事になった。
その事故以降、リゲルと私は必ず2人で行動する事になった。
常に一緒で行動する私達を仲間は「最も危険な二人」と呼ぶようになった。
通常パワー的には、巨人のリゲルは私より遥かに危険な存在だった。
私にとって、緊急事態が同時に幾つ重なろうが、どんな場合であってもコントロールできないと言う事は、あってはなら無いことであった。
しかしベガは、
「我々生き物は、完璧ではないのです。私達にとって完璧でない事が、貴方を”人”として、受け入れられる大事な一つです。」という。
私は、”人”としてとしてまだ初心者に入ると思う。
「どう見ても人ではないかな?完璧な存在には程遠い」
「でも、、、、元々そういう方なのですか?」
「なんと言えば良いのかな。ある程度皆に合わせて今ここに皆と居る。私はこういう人だと言う事だ」
「さらに興味が湧いてきます。もちろん礼儀を護って勝手に覗き込んだりは、致しませんが」
「そうだね。ベガの為に脅かすつもりではないが、パワーレベルが違いすぎる。
普段は問題ないが、私の意識状態が不安定な時は、下手に精神に入ってこようとするとかなりまずい事になる。どちらにしても、声をかけるかテレパシーで、呼びかけると良い。シティの人達の潜在意識の中にインプットして置く必要があるかな」
「あら!それって大変。その前に一応シティ全体に特例として情報を伝えなくては」
「くくっ!意識状態が不安定のため絶対に覗かないようにと?ここの構造は筒抜け過ぎるな。ちょっと手を入れるかな。許可を貰っておこう」
「貴方の星は大変美しいし、そこの人々もとても神秘的です。その事は有名で皆知っていますわ。
礼儀として勝手に除いたりしない事は当然として、要注意事項として覚えておく必要がありますね。
子供達には本当に暗示にでもかけておく事が必要かもしれません。怖〜いかもしれない、おじちゃんだよって、ふふふっ!」
彼は驚いたような顔で言った。
「!おじちゃん?ひどいな。子供達からは見るとおじさんか?お兄さんって感じるのはどのくらいまでだ?」
「それぞれ年代によって感じ方が違うのは当たり前じゃないですか、不思議な事で悩むのですね」
「私は幾つに見える?」
「えっ?見た目よりきっと年上だとは思うけど、20代前半から25くらいでしょう?」
「酷いなぁ、それはおじさんだ!」
「うそ!幾つなのですか?」
「せめて10代にしておいて欲しかったな。私の星では成人は、殆ど自己申告制で友達と祝うのが一番多いが、私はまだ成人してない」
今度はベガが目を見張った。
「そんなぁ!だって貴方は、、、驚きました。不謹慎ですが、ますます興味がわいてきてしまいましたが、プライベートな事ですね」
薄紫の美しい瞳を持つ彼女に、彼が優しく微笑んだ。
「なんて、、美しい」ベガは言葉を失って、彼を見上げていた。




