<SORAを見上げて>
倉庫:ショートショート・長編等の書き物にはまって数年、重複が多く手直し中です。
<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに> 40
<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに> 40

「彼も一緒です。ノルドは助かる!」
ランがそう言いながら入ってきた。

ボス、医長、ガっシュ、ベガ、ボォン、キランが来ていた。
「彼も一緒って?」

「ラン様、ドクターノルドをどうぞ、、、」キランは泣いていた。

「キラン大丈夫だよ、今に分る。悪いが離れていてもらいたい。ガッシュ」

「分った」

ランはノルドの頭に手をやって、ノルドの心の奥ふかくに入っていった。

『ノルド、解るか?彼が一緒に君を助けに来てくれた。今、私と共にここで
ノルドを診てるんだよ。分るか?リゲルも自身の中を今探っている。
ノルドもうリゲルは大丈夫だ。彼がもう必要ないと言っている。彼と私が探し
出して必ず止めるから、頑張って』

ノルドの目から、涙が頬をひと筋流れた。
「ラン、ノルドが反応している」ボォンが思わず、声に出した。

「ノルドを確保した。さぁ、これからだ」

ランは、更に深くノルドのなかを探リはじめた時、スーッと部屋の空気が
変わったように感じたと同時に、懐かしさに心が揺さぶられる思いを
どうしようもなかった。

すぐに皆の心にもノルドに話し掛ける、彼の声が聴こえてきた。

『ノルド、ランが君の苦しみを必ず探し出す。もう少し頑張れ。
リゲルのこと心から感謝している。君が止むに止まれぬ思いでした事
分っている。
全ての始まりは、私が未熟であったからなのだ。申し訳無い事をした。
リゲルはどんどん良くなる。しかしノルドが犠牲になったと感じたら、
リゲルは別な人生を歩む。残りの時をリゲルはノルドの心を抱きしめて
生きることになるだろう。ノルドも彼のフォローのパワーが特別な物で
ある事を知っているように、リゲルは非常に繊細で、生命に対して深い
愛情をもつ心優しき存在だ。
ノルドは、なんとしても生き続けなくてはならない。解ったか?』

彼はリゲルの性格を知るからこそ、あえてノルドだけでなく、ここにいる
皆に聞かせた。

彼の伝えたリゲルの事にノルドは強く反応し、モニターは乱れたがすぐに
生命力の回復が明らかに出て来ていた。

ノルドは皆の深い愛情に包まれ、涙が頬を流れていた。

『!、、、、これだ!』

彼はリゲルの心に語りかけた。
『私だ。ノルドの方は分った、それは喜びの中にあった。共に探そう』

『ぁ、、ノルドの喜びの中に?ランと貴方が直接コンタクトをとって、、、』
リゲルは大きな緑の瞳に涙を貯めて目覚めた。

彼が直接コンタクトを取れるようになったことも、どれほど嬉しいか。
しかし自分の変化が、彼やノルドに影響する事を心配していた。

『安心しろ。私もノルドも大丈夫だよ。後はリゲルだ。全て私が未熟な
せいだ。君と共に成長しよう。どうだ?』

『探っているがまだ』

『そうか、この空間内で現状の範囲でいい、無理はしない程度でいい、
”オープン”にできるか?』

『ノルドには、、、』

『ランに今伝えた。リゲル無理にする事はないのだ、僅かな時間でいい。
現状のままの自分の全てを自由にしろと言っているだけだ。
苦しいはずがないだろう。不安なら、、、』

その時リゲルは、間違えなく彼の中にいることを感じた。

『分りました』

『ノルドには気持ちよすぎるか、ふふっ、、、リゲルこれだ!ラン!!』

彼とランが、同時にリゲルとノルドの中にある問題の箇所を消した。
『ノルド、リゲル二人ともこれで大丈夫だよ』

ランがノルドの状態を伝えてきた。
『呼吸と脈が早くなりましたが大丈夫です。回復に向かっています。
リゲルのパワーは私達にもわかりました。、、、良かった』

『リゲル、ノルドの部屋へ行こう。君が彼に声を直接かけてごらん。
ガッシュ、ベガ』

『分りました』

リゲルの身体についていた物は全て外され、特別室の扉が開き
ガッシュとベガによって、ノルドのいる部屋へリゲルが現われた。

「リゲル!大丈夫なのか?」
『あぁ』

ノルドのベッドの脇にガッシュに支えられて座り、ノルドを見ていた。
その大きな美しい緑の瞳からは、涙が溢れそうになっていた。

ボォンはモニターを見てノルドに負担がかかっていない事を確認して皆に
伝えた。

「ノルドはもう大丈夫だ。何ていう人たちだ。この場に立ち合わせて
頂き感謝します」

「リゲル、起きていて本当に大丈夫か?」

『彼がいる大丈夫だ。ノルドに礼を言ったら、またおとなしく休むよ』
皆は、目の前にリゲルとノルドがこうしている事に感動を押えきれずにいた。

『ノルド、、、俺だ。もう苦しくないか?』
リゲルがノルドのその類希なフォローでノルドを包み込んでいた。

『、、、』

『ボォン、、、』リゲルはノルドの変化を見つめていた。

『大丈夫、今君のフォローと呼びかけで、急速に戻って来ている。
もうすぐ目覚める』

『そうだな、、、。ノルド、彼が来てくれたぞ。ランと彼が救ってくれた。
俺はノルドに救われた心から礼を言うよ。本当にありがとう。この後も
完全に戻るまで、君の言うとおりにしているからな』

『、、、リ・ゲ・ル、、、か、わかってる彼も来て』

『ノルド、ありがとう』

『リゲル、よかった。  ありがとう、、、、、』

『よかったなノルドこれで安心したか?さぁ二人とも、もう暫くおとなしくだ。
ランご苦労様、またコンタクトをとろう。シティの皆にもボスからよろしく
伝えてくれ。また会える事を楽しみにしている。ラン、リゲル、もう一度言う
ゆっくりでいいんだ』

『ハイ、そのように致します』

『分っています。強い心の怖い人が周りにいます』

「リゲルその言葉の効力は、いつまで持つのですか?ねぇ、ノルド」
ランも、ノルドも微笑んでいた。


『リゲル、少しは物分りが良くなったか?くくっ。”人という種”は、宇宙の
生命の中でも、あらゆる意味で目を見張る存在だ。小さな肉体に宿った
その可能性は宇宙大に広がりをもつ、それは信じがたい愚かさや矛盾も
すべて持ち合わせて存在している。私はその魅力に囚われてしまった。
共に生きてみたいとあの星に生まれた。
他の生命達と大きな意味では、それほど変わらない一生と送ることが
宇宙の歴史の中で繰り返されている。しかしあらゆる生命の頂点に突如
現われるのも、人という種だ。今リゲルは私に心を固く閉ざして、、、
リゲルの未来は、間違えなく君のものだ。どの道を行くかは本来君の
自由なのだよ』

『身体が戻るまでOFFにして混乱している頭を整理し、これからの事を
考えたいと思っているんだ。知ろうと思えば、閉ざしてようがいまいが
俺が何を考えているかなど、すぐわかる事だろう』

『いくつかの方向を出しているのが解る。君が助かったそれだけで
私は嬉しい、、、それでいい。すべてリゲルにしか出来ないと思わないで
皆と作り上げていくのだよ。だが苦しいな私も同じだ、、、。
リゲルの元気な姿を、皆が当然のこととして確信しているのが嬉しい。
皆が待っている。ゆっくり休め』


『ガッシュ、ベガ、リゲルを』
皆、彼の思いの中で幸福感に包まれて微笑んでいた。

『分りました。リゲル行きましょう』とベガがリゲルに語りかけた時、
彼がここから自分のいる世界に戻っていった。


リゲルは目を閉じて皆に伝えた。
『ノルド、ありがとう。しかし全ての者達に、二度とこんな事はさせない』

その言葉の中に込められたものは、厳しいものであったはずだが淡々と
伝えた。

『、、、リゲル』

『リゲル疲れただろう、部屋に戻るぞ』
ガッシュはリゲルを特別室へ戻した。

「ノルド、ゆっくり休んでくれ」
医長が声をかけて皆も部屋から出た。
ランはノルドを眠らせた。


部屋に戻ったリゲルに、ガッシュが優しい笑顔で聞いた。
『これでいいかな、何かほしいものがあるか?』

『これでいい。ガッシュ、ベガありがとう』

『ゆっくり休んでね、元気なリゲルに会うのが楽しみよ』

『君たちも彼が戻って来たから、ノルドのように自分で扉を開く事が
できるだろう。素晴らしい変化を期待しているよ。目が醒めたら会うのが
楽しみだ。ガッシュたいして変化してなかったら、外で俺が抱いて扉を
開くよ。覚悟しとけ』

『またそれかぁ?人のことより自分だろ、どれほど皆が心配していると
思っているんだ。寝てろ!』

ベガが笑っていた。

『あぁ、暫く、、、寝ている。彼もいる皆がいる。安心してゆっくり行く。
さぁ、部屋を出て行ってくれ』

ランがガッシュ達と入れ違いに入ってきた。

リゲルはランをジッと見ていた。
『彼がコンタクトを取れるようになって本当によかったな。ランは立派に
成長している、ここの未来を任せられるから、俺は安心して休める。
彼が戻って来た、、、ノルドのようにガッシュも、他の皆も自分で扉を
開く事ができるだろう。遥か未来につながるように、もっとゆっくり遠い
未来を見つめて行く』
リゲルは、少しずつ下がってきていた。

『私?、、、リゲル?!』
モニターのデーターから、コンピューターが自動的に治療内容を表示し
開始した。

『もう寝るよ、、、ラン、、、』

『何?、、、、リゲル』
リゲルは、深い眠りに入っていった。

ランは、リゲルが何か言いかけた事を確かめようと、リゲルの心を追って
いった。
『リゲル、、、、。呼びかけたら、応えてくれるのではなかったのですか?』

リゲルは心を閉ざしたまま、更に深く精神の深海ヘ溶け込んでいった。

ランはそのまま朝まで、リゲルを少しずつフォローしていた。
時々『リゲル、、、』と呼びかけてみたが、反応がないままであった。

ボォンが1時間ごとに様子をチェックしている。

「少しあがった所で安定している。完全に戻るまでは、暫くこのままなの
かもしれない。ノルドは順調だね」ランが言った。

「貴方も少しお休みください」

「無理はしていないよ。私もゆっくり行っている」

「それでも少しお休みください。私はここにいます」

「ボォン、ノルドにはガッシュがついているのだね。ボォンも朝食はまだ
だろう?何か持ってこさせよう。喉も渇いた」

ランはパネルに触れていくつかの物を頼んだ。ミネラルウォーターを出し
半分ほど飲んでソファーに横になった。
暫くしてルームサービスが朝食を扉の前に置いていった。

ボォンが前の部屋にいるガッシュに、”ランからです”と朝食を用意した事
を伝え、部屋に戻ってランに声をかけたが寝てしまっていた。

『ラン様の変化には驚きましたが、貴方への期待と、責任の重さの為
だったのですね。神経が磨り減る日々で疲れているはず、彼が戻って
きてくださった事が支えですね』
ボォンは、ランの為に調整したものを持ってきて、腕に長時間タイプの物を
静かにつけた。

暫くしてランが起きた。
「、、、寝てしまっていた」

「リゲルもノルドも安定しています。もう少しお休みください」

「そう。これは、、、ありがとう」
ランは腕を見て礼を言った。

「朝食は先に頂きました。少しは何かお食べにならないと、、ガッシュも
先ほどここへ来たのですが、お休みだったので礼を言って戻りました」

「ここ数ヶ月が激動の信じがたい日々だった事を思い出していた」

「そうですね。貴方が一番衝撃を受けられたのではないでしょうか」

「、、、それぞれに皆だよ。でも何度も私の責任だとおっしゃって、彼が
一番苦しんでいた事は間違えない。我々は大いに成長せねばならない。
だが体はゆっくり。くくっ、難しい。これからのシティはどう進むべきか、
意見も聞きたいから、いろいろ勉強しておいて貰いたい」

「解りました。私の滞在期間は延長ですか?」

「そうだったね。ボォン自身のこれからの事もよく考えて、できれば力に
なって欲しい、何日ぐらいいる予定にしてある?」

「最初の予定では、3Dですが」

「ふふっ、それは延長しなければならないよ」

「解りました。そのように私のオフィスに伝えます」

『ガッシュ、これからの事を具体的に話し合っていきたいと思います』

『そうだな。リゲルが休んでいる間に我々でできる事を、やっておこう。
方向性を出して動き出さなくては、膨大な情報がもったいないな』

『いくつかをまとめておいてくれないですか?ベガにも伝えてください。
後、シティの主要メンバーと言う事でボスに頼んで、早い方がいい
今晩はどうです?私はこれから、メインコンピューターとコンタクトを取って
皆の意見を聞いた上で、すぐ実行に移せるように、いくつかの事を
準備しておきます』

『解った』

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2008.03.19 * 遥か時の31〜40 * CM:0 * TB:0 * top↑
  
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