<SORAを見上げて>
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<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに> 28
<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに> 28


ガイアは我々が来るまでの時間、あらゆる事をたった一人でこなしていた。
もちろん彼のスタッフは皆全力で事に当たっていたが、ほとんどが彼が
行った事の次の段階を引き受けるというのが実情だった。
ガイア自身は、それがどれほどの事かなど考える余裕もなかった。

ノルドが後を引き受けガイアを診たが、先ほどとは違う豊かに溢れてくる
パワーに驚いた。
「貴方はリゲルやランとも違う、素晴らしいパワーの持ち主なのですね。
まだ完全ではないのに」

「ありがとう。危機の時だけなんだよ。小さい時から何か危険な事がある
時だけ別人になるようです」

「他の方々から比べてバイオ・ポテンシャル、エネルギー共に飛びぬけ
て高いし、今は急激にリゲル達のように飛躍なさっているようです」

「彼らから情報を得て驚いています。どうやら、彼の置き土産をしたとい
うのは、これだったのかと、、、」

「やはりそうでしたか。貴方が自由のきく身でしたら、私達と共に宇宙の
為にご一緒できたのに」

「彼にもそう言われましたが、今はそういうわけにもいかない。いつか役
にたてるものならと思っています」

「そうですね。ではあまり無理はなさらないように。我々に何でも申し付け
ください」

「やらねばならぬ事が山積みだ、ありがとう。入院患者の方は?」

「ほとんどが退院できる状態になり、全スタッフ総出で、最終メディカル
チェックを行っている所です」

「さっきの事がそんなに、、、、ありがとう」

「人手が足りませんから私も仕事に戻ります。貴方がメディカルチェックの
場に居て頂けるだけでも、皆に励ましになるかと思いますが」

「もちろん、私も手伝います」
    

『リゲル、ランそっちはどうだ?シティの救助隊が到着するころには、
仕事がないな』
ノルドは、彼らのことが気になっていた。

『もう少し時間がかかります。リゲルが大地と対話しているところです』

『ラン、大丈夫か?突っ走って倒れるなよ』

『何もかも始めてで、迷惑をかけます。その時はよろしくお願いします』

『倒れないようによろしく頼みたいのはこっちだ。君達をフォローする事の
できる人は、今いないのだぞ』

『リゲルに何か変化はないか?』

『ノルドの言う意味での変化は、彼は表に出さないので私のできる形で、
フォローをしています』

『メディカル・センターに、我々が世話にというのは問題だぞとリゲルに
伝えてくれ』


ガッシュからノルドにコンタクトがあった。
『今のはリゲルか?凄いことになっているぞ。ベガがかなり参っている。
言う事を聞かないから、すぐ来てくれ』

少し離れたところにある建物に、運び込まれた多くの人々を、次々と
手当てしていった。

ノルドが、スタッフルームに入ったとたんに、ベガが怒鳴っていた。
「ベガ、それだけ怒鳴れるのなら、大丈夫だな」

「ガッシュ!ノルドまで呼んだの?もう大丈夫だといったでしょう!」

「まるでジャジャ馬娘だ。ノルド頼む」

「ジャジャ馬ですって無礼な。無理やり押さえつけて!」

「珍しく興奮しているね、疲れている証拠だろう。お許しください、お姫様。
ガッシュも私も、彼からベガを頼むと言われているのだよ」
ノルドは優しくそう言いながら彼女を診ていた。

「彼が、本当なのガッシュ?」
「本当だ。今まで俺が、人を無理やり押さえつけた事があるか?気絶さ
せた事はあるがな。はははっ」

「、、、、解ったわ」
「ガッシュそう言うことは、ベガには最初に言わないと逆鱗に触れる。
はははっ!ベガ、急にフラッと来たのか?ランのパワーに引き込まれた
のだな。ほぉ〜」

「ランに引き込まれたって?大丈夫なのか」
ガッシュがそれに驚いた。

ノルドは、そうらしいと言いながら
「興奮は収まったね。少し休めばいい。さっきのランのパワーは、近い
何かを持っている人が引き込まれたようだ。凄かったな。
おかげで仕事がいきなり減って助かったが、あれほどのパワー彼や
りゲル以外にできる者はいないと思っていた。彼とは、かなり違うがな」

「ノルドも、ばてているが、お前も引き込まれたのか?」
「あぁ、でもおかげでこうして起きてられる。ランがもう少し遅かったら、
私の方が先にダウンしていただろう。自分の為にも、全員にドクター
ストップをかけたいぐらいだ。4人の事は常に意識している。だいたい医者
に負担がかかるなど考えない連中だし、ばてて当たり前だな」

「リゲルとランは?」
「この惑星ユールンとお話しているそうだ」

ベガの診察が終わったノルドは、部屋の外で待機しているスタッフに、
5人に必要な栄養剤と薬を成分表を確認して頼んだ。


『ドクター・ノルド、この量は?』
『それでいいんだ。後で救助隊本隊が来たら、補充して置くようにする。
とんでもない大食いがいるんだ』

「俺がリゲルの所へ届けに行こう」

ノルドは頷くと
「彼らの前にいきなり出るわけには、いかないぞ」
「当たり前だ。さっきのパワーを知って、そんな奴はいない」

ガッシュはリゲルの所へ行ったが、その周辺は地響きと共に、とてつも
ないパワーで近寄れない状態だった。

リゲルは地面に手をついたまま、大きく何回か深呼吸をしていた。
ランはバリアーの中から心配そうに見ている。

少し待つ間にどんどん収束に向かっていき、反対にランの生命エネルギ
ーが周りに溢れてきていた。

ガッシュは、ノルドから預かった物をランの所へ飛ばした。
『ありがとう。、、、リゲル、ガッシュが、、、』

リゲルはうなずいて、物資の入った大きな箱を手に取り、ランに言った。
『ラン、もう良い下げろ。言っておく事がある。よく聴け』 

リゲルは、緑の輝く大きな瞳を更に見開くようにランを覗き込んだ。
有無を言わせない迫力があった。

『ランのパワーは、凄いものになり多くの人を救った、そして今のフォロー
も凄い。だが、彼がランに私と共に護りあえといったが、それはその力を
本物にした時からだ。、、、解ったな』

『、、、、はい。でも』
ランが次の言葉をいかけたが、リゲルはそれをさえぎって話し出した。

『黙れ!ランは、飛躍しているというより加速し過ぎで暴走だ。すでに今
限界を超えている。それを俺がずっと支えていたのだぞ、今の俺には
疲れる。ランと俺は違う、覚えておけ!理解するだけでは不十分なんだ。
未来の為には時間と経験が必要だ。いいな』

『ノルドからだよ』
リゲルは箱を下に置いて、いきなりランの両腕をぐっとつかみフォローし
はじめた。ランは緊張の糸が切れたように震えていた。自分自身に強く
プレッシャーをかけていたのだ。

『ランの辛さは解っている。君を護りたい。君と共に彼との約束を果たし
たいんだ。ラン託された事が共に重いな。少し休め』

ランは、そのままリゲルの腕の中に倒れこんだ。
リゲルはまた大きく深呼吸をしていた。

『ガッシュ待たせたな。戻ろう。ユールンは安定した静かな惑星となって
くれた』

「俺はさっきのランのパワーと、今のリゲルのとてつもないパワーで、
結果として、、」

『逆にランが俺を抱いて連れ帰るか?ガッシュが、ランと俺をだったかも
しれないな。ランはいつか俺を止める事が、できるようになるかもしれな
いが、俺は死の瞬間まで進化し続ける生き物のようだ』

「何だ、他人の事のようだな」

『今の自分ではmとても信じられんが、彼が俺を超える者はいないと
言った、、、重いよ、ガッシュ』

「リゲルが少しでも軽くなれるものなら、俺が分けてもらいたいが違い
すぎる。いつまで経っても、共に苦労など出来ないな」

『いや、ガッシュの存在は、ランとは別な意味で、俺には大きい。ガッシュ
がそう言ってくれただけで、本当にうれしい』

ランを彼のシップに連れて行くと、ノルドを呼んだ。

「ランをフォローするなら、シップの方が都合がいいな」ノルドが言うと

「ノルドありがとう。ランに使わせて貰った。彼はプレッシャーが高すぎて
限界を超えている。少し休ませなければならない」

「やはり。ランも解っていたようだが、このような状態の中、何とかしたい
と思わない訳が無い。、、、少し厄介な状態のようだ時間がかかるな。
リゲルあの量は君を想定していたんだぞ。大丈夫か?」

「分かっているよ。2人でのびているわけには行かないだろう。自分にも
使ったさ」

ノルドは何を使ったか気になったが、それは、、、。


ノルドがシップ内の個室で生命維持装置のモニターの、セッティングを
しようとしてパネルに触れた途端、

[誰のですか?]
シップのコンピューターが、聞いてきた。

「ランだ」

[ランは、こちらに情報は少ないので、今の情報をお願いします]

「ノルド、俺がやる」
リゲルがパネルに触れてすぐに

[解りました。そのように対応します]と答えてきた。

ノルドが、ランのモニターを見ている。
その姿を見ながら、リゲルはガッシュに話しかけた。

『彼が、一人ではできることには限りがあると言っていたように、俺やラン
だけでは話にならない。もちろん他にも何人かいるだろうが、、、あまりに
少数だ。
俺の星の人たちをも超えているガッシュこそ、この宇宙の自然が生み
出す、頂点に位置する一人だと思う。先ず、可能性の高い人々から時間
をかけて育て訓練し、人材を増やして行けば、未来の希望は確かなもの
になっていくのだろう。
俺やランは、たぶん限りある生命として、単発的な存在だと思う。
ガッシュの存在に近い人々は、これからも未来につながって行けるもの
だと確信している』
リゲルは心の中をガッシュに伝えた。

「リゲル、、、、確かに重いな」

「そうだ、共に重い。ガッシュ」

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2008.03.13 * 遥か時の21〜30 * CM:0 * TB:0 * top↑
  
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