<SORAを見上げて>
倉庫:ショートショート・長編等の書き物にはまって数年、重複が多く手直し中です。
<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに> 21
<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに> 21


ノルドの個室に行く途中にいるのが分かった。
「ノルド。大丈夫なのか?これからは、本当に気をつける、悪かったな」

「リゲル声がでかいよ。もう大丈夫だ。気をつけるのは俺のほうだ。これからは、
リゲルのパワーに耐える事はしない。即、止めろ!と言う事にした。ははっ!
お前が、コンタクトを取りに言ったと聞いたから、会おうと思っていたところだ」

「悪かったな、これからは常時コントロールを意識して、ここに居させてもらうよ。
ところで腹へった飯食いにいこう。ベガも呼んで」

「あぁ、良いよ。俺はまだ食べる気にはなれないが、飲み物なら付き合える」

スタッフ専用のレストランに行くと、やはり入口で囲まれてしまった。
「リゲル〜!ここで会えるなんて。彼のメッセージは?」
みんなの喜ぶ気持ちが溢れ出ている。

「プライベートだよ」
いつもより無愛想な巨人が言った。

「みんな、プライベートです」
「確かに。悪いが腹が減っているんだ。これ以上我慢させると変身するかも、、、」

一瞬その場がシーンとした。

「あら?もしか、、、」
リゲルは困った顔をして、ガッシュを見たが
『当然の反応だな』と伝えてきた。

ノルドは呆れたようにリゲルを見上げて言った。
「リアル肉食獣!皆一気に引いただろうが!、、悪いが今は勘弁して食事を
先にさせてやってほしい」

するとリゲルは変な作り笑いで
「ちなみに特別な変身能力はねぇぞ!それに俺どっちかというと草食獣だし、果物系のやつなら食うかも。なぁ、もう良いだろ?腹減ったよ」

「果物系のヒューマン種?無い無い!」
「はははっ!」

入り口で大笑いしているとアンドロイドのギャルソンが「どうぞ、お入りください」
と中へ招いた。

「お揃いでようこそ。テーブル上のメニューから注文をしていただけます。
特別注文も承りますので、どうぞ御ゆっくり」

「これ全部だ。急いでくれ。後、水をたっぷり」
「かしこまりました。すぐにご用意いたします」

ベガが小さく首を横に振ると
「リゲル、周りをすべて食べそうな勢いを感じるわ」
「、、、ベガ、君って美味そうだな〜」
「あら、私より、リゲルのパワーの方がよっぽど美味しいわ」
ベガは、わざと下唇を舐めて、怪しく笑った。

「おいおい!完璧肉食獣の会話だぞ」
「そういうガッシュが、一番肉を食うだろ」
「俺は好き嫌いなく、バランスよく食う」
三人はガッシュの身体つきはその所為かと見たが、その見事に整った美貌に
目が行くと首を振った。

リゲルは出てくる料理を三人に勧めながらも、ガンガン食べるその食欲には
皆目を見張った。

「しかし良く食べるな。今日は珍しくバランスよく食べて、ドクターとしては嬉しい光景だが、
今は見ているだけで腹いっぱいになる感じだな、明日まで入りそうも無い。
少し落ち着いたか?これだけ大きいのだから食べて当たり前だが、ものすごいな」
ノルドは少々ウンザリしたような顔で言った。

リゲルは、デザートの大きな果物を咥えたまま、すまなそうな顔で
『ノルド苦しませた上に、食欲を無くさせてしまったな。後で埋め合わせはする』
頬張っていたのを一気にシャクシャクと食べると、大きなグラスの水を立て続けに飲んだ。

「あぁ、美味かった。いつもこんなに食べてみろ。体長10mくらいになっちまう!元々貯め食べタイプなんだ。今日はこのくらいで遠慮しておく」

「遠慮かよ!体長10mね、、、ん、有り得る」ガッシュが頷きながら言った。

「止めてくれよ。俺子供の頃からでかすぎるのがコンプレックスなんだから」


これからそれぞれが何をするべきか。
どう分担していくか、真剣に打ち合わせをするつもりだった。
それぞれの”置き土産”と”経験を積め”と言うメッセージ、
それにメインコンピューターの膨大な情報。どこから何をやるべきなのかを。


ベガがころあいを見て提案をした。
「ボスに許可を貰って、この後、展望ロビーをクローズにしておいたのだけど」
「ベガさすがだな。行こう」

「私達が出てくるまで、展望ロビーをクローズ」
ベガはスタッフルームからの進入路で言うと

[ベガ、ノルド、リゲル、ガッシュですね。分かりました]

「随分簡単になったんだな」
「ええ、メインコンピューターのUPのおかげね」


目の前に広がる宇宙空間に、星々が瞬いていた。暗闇に目が慣れてくると、

その数は次第に爆発的に増えて、視界一杯に無数の輝く星達が登場する。

そして宇宙空間に散らばる輝く恒星の数より、遥かに多くの惑星が存在し、

その中に奇跡の生命達が幸福を、平和を望んでいた。


三人はリゲルを見上げていた。
その瞳は、誰もが引き付けられる宝石のように美しい緑だった。

「宇宙はいつ見ても綺麗だな。ちょっと外へ出てくる」
リゲルは外界と隔てている物がそこにあることを、意識していないかのような
足取りで歩いていき、そのまま宇宙空間に出て行った。

「!リゲル」
三人は、しばらく待つ事にした。リゲルのパワーが上がっているのが分かる。
周りに見える星の光が歪んでいるからだ。

「あれじゃ、近寄れないな」ノルドが溜息をついた。

「リゲルはコンタクトブースを出てきた時から少し変わった。何か強い意思を
持っている」ガッシュが言うとベガが聞いた。

「そうね感じるわ。どんなメッセージだったのかしら」

「すぐに出てきたし、メッセージも”そんな答えだったな”と言う曖昧な言い方だ」

「そうか。これからリゲルが、話してくれるかもしれないな」
ノルドがリゲルを呼んだ。
『リゲル〜いつまで待たせるんだ。しっかりパワー下げてからこいよ。
一般人の俺にゃお前のパワーはもう腹いっぱいだからな』

『ん、、、ノルド一般人って誰だよ?』
リゲルは大きく伸びをした。それはまるで宇宙を深呼吸したようにみえた。

リゲルは宇宙空間からス−ッと、展望ロビーへ入ってきてそのまま床に座った。
「腹いっぱいだって?遠慮深いな。このぐらいならOKしてもらえるか?」
大きな手を出した。
「触れなくても解る。非常にバランスの取れた安定感のある状態になった。
おや?!もしかするとこれは医長のか?素晴らしいなリゲル」

「ノルドは知っていたんだな。ここに座ってくれ。今日の埋め合わせだ」

リゲルのパワーが、彼らを優しく包み込んで、静かに空間に満たされていった。

「あぁ、何という、、、?!」
「そうだノルド。君のために外で自分の中の彼を思い出していた。彼が思い
出せば良いと言っていたからな」

「そうかありがとう。とても気持ち良いな。リゲルはいったい、、、」

「俺は彼よりはずっと理解できる存在と思っていたが、ここに来るまで自分を
閉ざして生きて来たから、まだ自分がよくわからない。
彼も自分を知ることだ言った。未来の平和に繋がって行く為の一員だという
自覚と覚悟は、ガッシュと一緒だ。皆、俺は不安な存在か?」

「いや、成長と飛躍の生命体かな、それがリゲルだと思っている。そういう受け
入れ方は彼が教えてくれたことだがな」

「ありがとう。これからは更にお互いに、飛躍し続けなければならないな」

ベガの薄紫の美しい目から、ひと筋涙がこぼれた。
リゲルは通常の状態に戻し、ベガの顔を覗き込むように身体を縮めた。
「ベガ少し長かったかな?ごめん」

ベガは頭を振って答えた。
「リゲルは元々彼と近い感覚を受ける不思議なパワーだけれど、一瞬彼が
戻ってきたのかと思った、、、。感動を持て余しているのだから、大丈夫よ」
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2008.03.10 * 遥か時の21〜30 * CM:0 * TB:0 * top↑
  
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