<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに>
エピソード5−3 リゲル
シリウスは目の前のベテルを見上げると、ベッドの上に置いている大きな手に触れて聞いた。
『教えていただきたい事があります。ドクター・ノルドに触れていた時に、何か不安を感じました。もしかして、、、』
するとリゲルがシリウスに言った。
『あのね、俺に丸聞こえなんだ。クローズにして外へ出ていたほうが良いか?』
『!いいえ。ドクター・ベテルに主治医をお願いしたいと思いますから少し休んでください。
ずっと付き添ってくれていた事を知って、恩人リゲルの体調が悪くなるような事があったらと、その胸の事が余計に、、、、、お願いです』
『だから今回の事に関係はないんだよ。ドクター・ノルドは、生涯ぐずぐず患者の俺を、充分過保護にしてくれている』
『生涯?そんな、、、きっと何か治療法が見つかります』
シリウスは涙で潤んだ瞳孔の周りを金で縁取る美しい赤の混じった黒い瞳で、リゲルを見上げている。
『ふふっ、ありがとう。これでもたぶんシリウスと同じくらい長生きだよ。俺の場合、パワーと体のバランスが無理があるというか壊れていると言うか。な、ドクター』
『ドクターの貴方が、私にそんな振りをしないでください、、、』
ベテルが一瞬暗い表情をみせた。
『ごめん。ところでさ、シリウスのあの強烈な破壊力は元からか?』
『とんでもない!でも以前から災害の時などは化け物も重宝だなと言われてました』
『そう。あんな悲惨な事が二度と起こらない世界、宇宙であって欲しいと、いつも強く願っている。
だから時々遥か遠くの世界で起こった事もキャッチしてしまう。
未然に防ぐ為に飛べたら良いのに、、、宇宙は常時変化している、常時あらゆる所であらゆる形で。どれほど思いがあったとしても、一人でできる事はあまりに小さい、、、、、。
ここには、いざとなればをシリウスのパワーを押さえられる人が数人いるから、心配は要らない。
前にいる優しいドクターがその一人だよ。だが今の時点でベストは俺だろう。なるべく気をつけるから
少しでも圧迫感があるようなら言って欲しい。』
『もうあんな事は起こりません、、、私達の敵は消えたと教えてくれたのは貴方です。私が言うのは変ですが、どうか休んでください』
『くくっ、シリウスはここのモニターを飛ばした記念すべき三人目なんだよ。それも悪夢にうなされた時は、モニターを振り切った時の比じゃなかったんだけどな』
『!すみません、、、』
ベテルはまた始まったと思いながらリゲルを見るとニヤッと笑った。
『それでは脅しているように聞こえますが?』
『俺から見ればちょっと危険ちゃん♪おっ失礼!ずっと年上でした。ともかく素晴らしい安定感の持ち主のドクター・ベテルなら安心と言う事で、俺はちょっと補助にまわりますがそれで良いですか?』
シリウスはニコッと笑うと
『是非そうしてください。今までどおりの話し方の方が私も安心です』
『!んじゃ今までどおり。こんな性格でしかたないと許してくれる?』
『分かりました』シリウスは笑った。
『上手くコントロールできるようになると良いな。ガッシュが戻ってきたら、”やれやれ、どうしてここには強烈な爆発タイプがこうも集まるんだ?”と、ぼやくかもな』
『集まっている?!』シリウスは驚いた。
『別に集合かけたわけじゃないんだろうが、この広い宇宙の中で、ここらへんの銀河には、ヒューマンの頂点に位置する数人と、宇宙のとんでもない生命体の一部が同じ場所にいて、過去にないことだそうだ』
『、、信じがたい話です。いったいどのような人なのでしょう?』
ベテルは『リゲルがその一人です』と伝えた。
リゲルは大げさにため息を付くと
『頂点のヒューマンは女性で大切な人々と暮らしているよ。俺は、とんでもない生命体の方に遊ばれて、ちょくちょく凹んでいるし、頑固で厄介な奴だと言われてるんだぜ。今のところ何もしないで居るだけに価値があるそうで、誰にあっても大人しくしてろと言われている、、、、そんなのがヒューマンの頂点の一人だなんて言ったら、がっかりだぜベテル』
『人は素晴らしい、その価値があるという事でしょうか、、、そして頂点と言っても完璧な存在ではないと?』
『ん、誰もがかけがえのない存在と、いつも、いつも言われ続けている。
ともすると自分だけにその価値を見出す者。逆に自分以外にその価値があると思う者、、、違うんだ。
誰もが生命自体が、かけがえのない存在なんだと言われる。シリウスもだよ』
『リゲルのパワーは、シリウスをとらえた力だけではありません。誰もがリゲルが本気を出すような事が永遠に起こらないことを祈っているのです』ベテルが静かに伝えた。
『俺も祈ってるが永遠には無理よ?2、300年は生きなきゃならないみたいだけど、この体はなぁ、さっさと出直したいもん♪経験無いから良く分からないけど、本気なんか出して、出直した時に楽しめる世界が無くなっていたら意味ないじゃん!俺楽しくなきゃ嫌だ』
これにシリウスとベテルが同時に、驚きで小さな息がもれた。
『途方もない力ではないですか、、、、』
『ん、どう考えても凹むだろ?存在自体に無理があって、そんなパワー間違ってる。
必要のないものは淘汰されていく世界に、それでも必要があって同時期に生れ合わせた。
俺にも意味があってここにいるんだろうと、やっと思えるようになったんだ。
だからうっとおしくても細〜く長く生きるつもりですっ。あぁスッキリした』
『おや?シリウスのおかげですか?』
『そう、おかげ!ありがとう』
リゲルがシリウスの手を取ってジッと、黒い瞳孔に金色の縁取り、赤の混じった黒い虹彩の美しい目を見つめている。リゲルはシリウスの脳に自分の大きな緑の目の像を伝えた。
『あぁ何て美しい、、、本当に綺麗な目ですね。ありがとう』
シリウスは感動し両手で大きなリゲルの手を包み、頬には涙が一筋ニ筋と零れ落ちている。
『ありがと、でもちょっと感動しすぎだよ困るなぁ。シリウスの目こそ本当に神秘的で綺麗だ』
リゲルはシリウスから手を引くとベテルに頼む事にした。
『俺も嬉しくって一杯になったから、互いにちょっと沈静休憩をとろう。
シリウス、俺はこのNO.0の端の部屋にいるから、すぐ戻るけど本当に良い?』
『えぇ、私も心と頭が一杯になったと実感してます。どうぞゆっくりしてください』
『ベテル、シリウスは、ランタイプたよ』
『分かりました』
リゲルはそのままフッと消えた。
『ランタイプとは?』
『セントラル・シティの総司令官ランの事です。普段は私達や一般人と一緒に、活動や生活をできる安定した人ですが、いざとなると爆発的にパワーが上がるというか、突然変化する驚くべき存在でもあります。細身でどこからそんな力が湧き出てくるのか誰もが不思議に思います』
『そうでしたか。大変光栄です。ドクターは?』
『私は医者ですので普段はこんな感じですね。上限は、、経験がありません』そう言うとベテルが立ち上がり、横の壁面のパネルに触れると、スッとスライドして中からドリンク類が出てきた。
『喉が渇いたのではありませんか?これらは、リゲルとドクター・ノルドと私があなたに触れて血液中の成分を確認し、状態を見て安全な飲み物として選んだ物です。口に合うものを飲んでください』
ベテルは小さなコップに一口ずつ、ミネラルウォーターと、栄養ドリンク、果汁と説明しながら渡した。
どれも美味しいとシリウスは喜んで飲んだ。
『一気にいろいろでつかれたでしょう。少し休みましょう』
ベテルが部屋を照明を暗くしようとすると、シリウスが不安げに言った。
『明るい方が、、、』
『!それは失礼しました。一言足りなかったですね。他に何かありませんか?』
『ドクターの温かい気持ちは伝わってきてます。どうか少し側に居てください』
『はい、そうさせてもらいます』
暫くすると、シリウスの寝息が聞こえてきた。
*
早速リゲルがベテルにコンタクトして来た。
『ベテル、どう感じた?』
『はい。今はまだ少し混乱していますが経過は良いと思います。来た時とは別人のようですね。白熱したパワーで、すべてがドロドロに溶け出すほど徹底した破壊をするパワーが何処からくるのか、、。
怒りと憎しみ、そして深い悲しみに支配されていたシリウスを、ここまで回復させるのには、多くの時間が必要なはずです。
それを数日で、、リゲル貴方が心配です。シリウスも何か感じ取ったのではないですか?』
『シリウスは俺の胸に張り付いている物に驚いたんだよ。怒りのスイッチを封印できれば、シリウスだって、シティで受け入れられるよな』
『リゲルが”スイッチ”を封印したのですか?』
『いや。ベース自体もシティの一般と同じくらい低いだろ?ガッシュが帰ってきたら見てもらおう』
リゲルはフッと部屋に入ってきた。
「!リゲル少し休むと」
「ん、必要な物は体に入れたよ。ガードしっかりするから。もう少し側に居てあげたいんだ」
リゲルはいつものように床に座ると、壁に寄り掛かって腕を組んだ。
「79歳は驚いたな。こうして見てるとランより若く見える。深い傷が癒えると良いんだが。俺が護ってやれれば良いが四六時中というのも、外から来て疎外感を感じる元になるだろう。危険さえなければ自由にしてあげたい。ここに居られるようにならば、後の事は本人が選べば良い。少し先の事だな」
ベテルはリゲルに近づくとしゃがんで顔を覗き込んだ。
「やはりリゲルが、、、シリウスの口から人々が化け物と蔑んだ言葉が出てきても、他人事のような感覚でしたし、悲しみと怒りを爆発させた負の姿は淡いものでしかないように感じました」
「ん、先ずはここの環境に慣れてから徐々にだ。そっちの戦いは皆でフォローしあおうな」
「はい、もちろん。今からでもランと私達で分担しませんか?『リゲル負担になりますよ』」
「こうしてゆっくりしているじゃないか。大丈夫、、、皆の心がシリウスを少しずつ癒してくれるだろう」
意識をそこにだけ向ければ、誰もが狂うような現実が、この瞬間にも同時にある。
しかしプレイゾーンで、無邪気に遊ぶ子供達の輝く命は小さいが、無限の可能性に眩く輝く未来だ。その光は我々を平等に照らしてくれている、いつもその温かい光を感じているからこそ狂わない、、、そう思った。

エピソード5−3 リゲル
シリウスは目の前のベテルを見上げると、ベッドの上に置いている大きな手に触れて聞いた。
『教えていただきたい事があります。ドクター・ノルドに触れていた時に、何か不安を感じました。もしかして、、、』
するとリゲルがシリウスに言った。
『あのね、俺に丸聞こえなんだ。クローズにして外へ出ていたほうが良いか?』
『!いいえ。ドクター・ベテルに主治医をお願いしたいと思いますから少し休んでください。
ずっと付き添ってくれていた事を知って、恩人リゲルの体調が悪くなるような事があったらと、その胸の事が余計に、、、、、お願いです』
『だから今回の事に関係はないんだよ。ドクター・ノルドは、生涯ぐずぐず患者の俺を、充分過保護にしてくれている』
『生涯?そんな、、、きっと何か治療法が見つかります』
シリウスは涙で潤んだ瞳孔の周りを金で縁取る美しい赤の混じった黒い瞳で、リゲルを見上げている。
『ふふっ、ありがとう。これでもたぶんシリウスと同じくらい長生きだよ。俺の場合、パワーと体のバランスが無理があるというか壊れていると言うか。な、ドクター』
『ドクターの貴方が、私にそんな振りをしないでください、、、』
ベテルが一瞬暗い表情をみせた。
『ごめん。ところでさ、シリウスのあの強烈な破壊力は元からか?』
『とんでもない!でも以前から災害の時などは化け物も重宝だなと言われてました』
『そう。あんな悲惨な事が二度と起こらない世界、宇宙であって欲しいと、いつも強く願っている。
だから時々遥か遠くの世界で起こった事もキャッチしてしまう。
未然に防ぐ為に飛べたら良いのに、、、宇宙は常時変化している、常時あらゆる所であらゆる形で。どれほど思いがあったとしても、一人でできる事はあまりに小さい、、、、、。
ここには、いざとなればをシリウスのパワーを押さえられる人が数人いるから、心配は要らない。
前にいる優しいドクターがその一人だよ。だが今の時点でベストは俺だろう。なるべく気をつけるから
少しでも圧迫感があるようなら言って欲しい。』
『もうあんな事は起こりません、、、私達の敵は消えたと教えてくれたのは貴方です。私が言うのは変ですが、どうか休んでください』
『くくっ、シリウスはここのモニターを飛ばした記念すべき三人目なんだよ。それも悪夢にうなされた時は、モニターを振り切った時の比じゃなかったんだけどな』
『!すみません、、、』
ベテルはまた始まったと思いながらリゲルを見るとニヤッと笑った。
『それでは脅しているように聞こえますが?』
『俺から見ればちょっと危険ちゃん♪おっ失礼!ずっと年上でした。ともかく素晴らしい安定感の持ち主のドクター・ベテルなら安心と言う事で、俺はちょっと補助にまわりますがそれで良いですか?』
シリウスはニコッと笑うと
『是非そうしてください。今までどおりの話し方の方が私も安心です』
『!んじゃ今までどおり。こんな性格でしかたないと許してくれる?』
『分かりました』シリウスは笑った。
『上手くコントロールできるようになると良いな。ガッシュが戻ってきたら、”やれやれ、どうしてここには強烈な爆発タイプがこうも集まるんだ?”と、ぼやくかもな』
『集まっている?!』シリウスは驚いた。
『別に集合かけたわけじゃないんだろうが、この広い宇宙の中で、ここらへんの銀河には、ヒューマンの頂点に位置する数人と、宇宙のとんでもない生命体の一部が同じ場所にいて、過去にないことだそうだ』
『、、信じがたい話です。いったいどのような人なのでしょう?』
ベテルは『リゲルがその一人です』と伝えた。
リゲルは大げさにため息を付くと
『頂点のヒューマンは女性で大切な人々と暮らしているよ。俺は、とんでもない生命体の方に遊ばれて、ちょくちょく凹んでいるし、頑固で厄介な奴だと言われてるんだぜ。今のところ何もしないで居るだけに価値があるそうで、誰にあっても大人しくしてろと言われている、、、、そんなのがヒューマンの頂点の一人だなんて言ったら、がっかりだぜベテル』
『人は素晴らしい、その価値があるという事でしょうか、、、そして頂点と言っても完璧な存在ではないと?』
『ん、誰もがかけがえのない存在と、いつも、いつも言われ続けている。
ともすると自分だけにその価値を見出す者。逆に自分以外にその価値があると思う者、、、違うんだ。
誰もが生命自体が、かけがえのない存在なんだと言われる。シリウスもだよ』
『リゲルのパワーは、シリウスをとらえた力だけではありません。誰もがリゲルが本気を出すような事が永遠に起こらないことを祈っているのです』ベテルが静かに伝えた。
『俺も祈ってるが永遠には無理よ?2、300年は生きなきゃならないみたいだけど、この体はなぁ、さっさと出直したいもん♪経験無いから良く分からないけど、本気なんか出して、出直した時に楽しめる世界が無くなっていたら意味ないじゃん!俺楽しくなきゃ嫌だ』
これにシリウスとベテルが同時に、驚きで小さな息がもれた。
『途方もない力ではないですか、、、、』
『ん、どう考えても凹むだろ?存在自体に無理があって、そんなパワー間違ってる。
必要のないものは淘汰されていく世界に、それでも必要があって同時期に生れ合わせた。
俺にも意味があってここにいるんだろうと、やっと思えるようになったんだ。
だからうっとおしくても細〜く長く生きるつもりですっ。あぁスッキリした』
『おや?シリウスのおかげですか?』
『そう、おかげ!ありがとう』
リゲルがシリウスの手を取ってジッと、黒い瞳孔に金色の縁取り、赤の混じった黒い虹彩の美しい目を見つめている。リゲルはシリウスの脳に自分の大きな緑の目の像を伝えた。
『あぁ何て美しい、、、本当に綺麗な目ですね。ありがとう』
シリウスは感動し両手で大きなリゲルの手を包み、頬には涙が一筋ニ筋と零れ落ちている。
『ありがと、でもちょっと感動しすぎだよ困るなぁ。シリウスの目こそ本当に神秘的で綺麗だ』
リゲルはシリウスから手を引くとベテルに頼む事にした。
『俺も嬉しくって一杯になったから、互いにちょっと沈静休憩をとろう。
シリウス、俺はこのNO.0の端の部屋にいるから、すぐ戻るけど本当に良い?』
『えぇ、私も心と頭が一杯になったと実感してます。どうぞゆっくりしてください』
『ベテル、シリウスは、ランタイプたよ』
『分かりました』
リゲルはそのままフッと消えた。
『ランタイプとは?』
『セントラル・シティの総司令官ランの事です。普段は私達や一般人と一緒に、活動や生活をできる安定した人ですが、いざとなると爆発的にパワーが上がるというか、突然変化する驚くべき存在でもあります。細身でどこからそんな力が湧き出てくるのか誰もが不思議に思います』
『そうでしたか。大変光栄です。ドクターは?』
『私は医者ですので普段はこんな感じですね。上限は、、経験がありません』そう言うとベテルが立ち上がり、横の壁面のパネルに触れると、スッとスライドして中からドリンク類が出てきた。
『喉が渇いたのではありませんか?これらは、リゲルとドクター・ノルドと私があなたに触れて血液中の成分を確認し、状態を見て安全な飲み物として選んだ物です。口に合うものを飲んでください』
ベテルは小さなコップに一口ずつ、ミネラルウォーターと、栄養ドリンク、果汁と説明しながら渡した。
どれも美味しいとシリウスは喜んで飲んだ。
『一気にいろいろでつかれたでしょう。少し休みましょう』
ベテルが部屋を照明を暗くしようとすると、シリウスが不安げに言った。
『明るい方が、、、』
『!それは失礼しました。一言足りなかったですね。他に何かありませんか?』
『ドクターの温かい気持ちは伝わってきてます。どうか少し側に居てください』
『はい、そうさせてもらいます』
暫くすると、シリウスの寝息が聞こえてきた。
*
早速リゲルがベテルにコンタクトして来た。
『ベテル、どう感じた?』
『はい。今はまだ少し混乱していますが経過は良いと思います。来た時とは別人のようですね。白熱したパワーで、すべてがドロドロに溶け出すほど徹底した破壊をするパワーが何処からくるのか、、。
怒りと憎しみ、そして深い悲しみに支配されていたシリウスを、ここまで回復させるのには、多くの時間が必要なはずです。
それを数日で、、リゲル貴方が心配です。シリウスも何か感じ取ったのではないですか?』
『シリウスは俺の胸に張り付いている物に驚いたんだよ。怒りのスイッチを封印できれば、シリウスだって、シティで受け入れられるよな』
『リゲルが”スイッチ”を封印したのですか?』
『いや。ベース自体もシティの一般と同じくらい低いだろ?ガッシュが帰ってきたら見てもらおう』
リゲルはフッと部屋に入ってきた。
「!リゲル少し休むと」
「ん、必要な物は体に入れたよ。ガードしっかりするから。もう少し側に居てあげたいんだ」
リゲルはいつものように床に座ると、壁に寄り掛かって腕を組んだ。
「79歳は驚いたな。こうして見てるとランより若く見える。深い傷が癒えると良いんだが。俺が護ってやれれば良いが四六時中というのも、外から来て疎外感を感じる元になるだろう。危険さえなければ自由にしてあげたい。ここに居られるようにならば、後の事は本人が選べば良い。少し先の事だな」
ベテルはリゲルに近づくとしゃがんで顔を覗き込んだ。
「やはりリゲルが、、、シリウスの口から人々が化け物と蔑んだ言葉が出てきても、他人事のような感覚でしたし、悲しみと怒りを爆発させた負の姿は淡いものでしかないように感じました」
「ん、先ずはここの環境に慣れてから徐々にだ。そっちの戦いは皆でフォローしあおうな」
「はい、もちろん。今からでもランと私達で分担しませんか?『リゲル負担になりますよ』」
「こうしてゆっくりしているじゃないか。大丈夫、、、皆の心がシリウスを少しずつ癒してくれるだろう」
意識をそこにだけ向ければ、誰もが狂うような現実が、この瞬間にも同時にある。
しかしプレイゾーンで、無邪気に遊ぶ子供達の輝く命は小さいが、無限の可能性に眩く輝く未来だ。その光は我々を平等に照らしてくれている、いつもその温かい光を感じているからこそ狂わない、、、そう思った。




