エピソード1

  • 2008/03/28(金) 21:35:30

<遥かなる時の流れ一瞬を生きる生命としてここに>より   
                
              エピソード1

                  *


宇宙空間に浮かぶ巨大な要塞の、コントロールルームから、主要文明のある星すべての情報を見ていた。

『この銀河のはるか未来に希望は、、、、しかしどうあるかだ。やはりあそこか』

彼は一つの星へ降り立つ事にした。

この星では機械文明の上に、人工の美しい緑豊かな森林と山々の大自然が広がっていた。
外部との接触に過敏なのだろう。侵入を感知する装置や警備員が都市のあちこちに配備されていた。

中央政府の防衛制御管理センター内のスーパーコンピューターが、おかしな情報を数分前から報告していた。

[今、G地区677に質量、エネルギー共に一気に増大。すぐに消えました。先ほどと同じえエネルギー体と思われます]

「いったい何だ!数値を割り出せ」
[数値測量続行中、、、あり得ません]

「どう在り得ないのだ!市民を護るための防衛システムに、簡単に侵入できるような存在するというのか!緊急警備体制1号発令だ!」
[続行中、、、計測不能。緊急体制1号発令了解!]

「計測不能のエネルギーが街中にか!一瞬でもあり得ん。敵のかく乱にしてもこんな事は。う〜む」目の前のパネルがいっせいに点滅しだした。

「長官!これはいったい」
「原因を追求だ!発生地区へ警備隊急行させよ。次官ここを頼む。大統領に会ってくる」
「はっ!」

長官は慌てて大統領に会いに飛んだ。
「失礼いたします」

「タキ長官ご苦労。外部から不明の侵入があったと聞いたが?」

「スーパーコンピューターが計測不能だというので緊急措置を命じました」
「そうか。計測不能とはな。長官はどう思う」
「わかりません。敵のかく乱にしても在り得ない形だと思います。しかし」

「待て!これを見てみろ」
大統領は、コンピューターが次々と弾き出すデーターを壁面のパネルに拡大して見せた。

側近2人の他大臣が3人いたが、皆言葉を失って見ていた。
「これは、、、、」
「まさか」
「誰かこれを説明できるものはいるか?」大統領は立ち上がって皆を見た。

側近の一人のタダイが言った。
「伝説、、、?まさか」

すると大統領がその側近に
「我々の誇りある最も大切な法律として絶対平和がある。しかし今我々は苦渋の決断を迫られ、すでにその期限も過ぎている事は、ここの誰もが知る事だ。そしてこの絶対平和という思想が根底にあるのは、その“伝説”から来ている事は、すべての人々が知ることだ。ここまでを否定するものはいないな」
「はい!しかし」

「そうだ。この緊急事態をどう捉えて行動するかは、慎重であらねばならない。もし本当に伝説の通りだとすると、壊滅的な危機が迫っている事となる。いくつか説があるがどう行動するかを決めたい」

「しかし伝説によるものか、どうかも分からないまま、どのような行動を取るべきか」
「そうだな。タダイが詳しい。意見を聞こう」

「はい。ではこのエネルギーがどうであるか以前に、3つの説を簡単に申し上げると
1、光舞い降り、人々を導く。2、声を聞き、未来を導き出す。3、呼びかけ、共に未来のためにとの言うような言葉が残されています。
特別な存在、もしくは救世主とも言うべき指導者が現れると思われてきました。その存在を表現した言葉は光舞い降りですが、我々に出来る事は声を聞く、呼びかけるということになります」

「緊急事態でスーパーコンピューターが計測不能だと言っている存在があるとしたら、それは当然人”ではない!そんな悠長な!」タキ長官が言った。

「長官の言うとおりだが、人という表現ではなく,“大いなる力”と表現されている物もあったなタダイ」
「はい、“銀河を凌駕する大いなる力“という、途方もないものです」

「今この地上で感知した力は、その力に近いと判断できないか?」
「近いといえるかどうか、、しかし我々の知る限りのどの惑星文明にも、このようなエネルギーを発生させるものはありません」
数人が頷いた。

「では、私はこの星の大統領として呼びかけよう。皆は次なる行動を考えてもらいたい。あの忌々しい宇宙基地でも感知していたら、その危険性は増すばかりだ。皆の力をかして欲しい。タダイはここにいてもらえるか?助言をもらえると嬉しい」
「私の知る限りのお手伝いをさせていただきたいと思います」
「では、外へいくぞ」

「それは危険です!」タキ長官が止めた。
「危険は覚悟だ。どきなさい!長官は対策本部へ」

大統領は長官をどけるとバルコニーの扉へ向かった。
タダイは、バルコニーへの大きな扉を開き、大統領と共に出て行った。

タキ長官は警護を4人呼んで、緊急対策本部の部屋へ戻っていった。

大統領は空を眺めて
「良い天気だな。ん〜、空気までもが何故か心地良いと思わないか?、、危険が迫っているとはな。さて何といって呼びかければ良いかな」
「未来永劫、、」

「あぁ、あの一説だな。未来永劫平和を望む。大いなる希望と力、我らの強き願いは、共にあらん、、、私はこの星の大統領ルキテル、この地上に現れたエネルギーに意思があるなら、応えて欲しい。我々は今危機を迎えているが平和を強く望む。その力をかして貰いたい。応えてくれ、、、、」

彼はガッシュにそのままを伝えていた。
『そっちはどうだ?』

『今交渉中です。その銀河は私の記憶にありませんが、伝説の元は貴方ではないのですか?』

『そうか、、、誰だこんな伝説にしたのは』

彼は、誰もいなくなった大統領執務室にフッと現れた。
コンピューターが一瞬ダウンしたがすぐに復旧し、緊急事態を知らせるレッドが消えていた。

彼はバルコニーへ出る大きな扉に寄り掛かり、空を見上げている大統領ルキテルと、側近のタダイを見た。

そこへ長官が一瞬のコンピューターのダウンに慌てて入ってきた。
「誰だ!!」
大声で叫ぶタキの声に、大統領とタダイは驚いて振り向いた。
警備の4人もなだれ込んできた。

「厳重警備の中、何処から入ってきた!」タキが銃を手に近づいてくると

『ルキテル、ここでは平和を望むが銃を突きつけるのか?』彼は静かに言った。

自分の名前を言われた大統領は、慌ててタキを怒鳴りつけた。
「長官!!銃などすぐに破棄しろ!私の呼びかけに応えてきてくださったのだ!」

「はぁ!?しかし」
「命令だ!タキ」

タキは銃を放り投げたがまだ不審さを隠さないで言った。
「この方はどうやら人のようですが、あのエネルギーとどういう関係があるというのです?」

ルキテルは美しく深い紺色の瞳を持った不思議な雰囲気の人物を、間近で見てわけもなく心が高揚した。

彼は理由があって説明を省いて伝えた。
『分かったかな。過去にまいた種は子孫に伝わっていたが、その内容が少し変化した事はしかたない。事態は簡単ではない。君たちの未来は自分たちの手で勝ち取るものだ。
他の星やあの要塞にも同じ思いの者がいることを掴んでいる。その情報は今この端末に入れた。まず双方の大量破壊兵器を無効にした。
次の手を打ってくる前に、隣の銀河に平和交渉団を送る決定をすると良い。向こうには私の、、いや、君たちが望む存在に近いと思われる者が行って、同じように平和交渉をしている所だ。ルキテル、急いで手を打ちなさい。
ところでタキは任務に忠実のようだな。しかしコミュニケーションが下手では、宇宙(そと)では通用しないぞ』

「本当に失礼しました。しかし緊急時にコミュニケーションですか、、、」
『そう、だからこそその能力の高さが、道を分けるのだよ。これから向こうとの交渉に大切なことだ』
「確かにそうです」

大統領は関係諸国に彼の入れた情報を、重要機密パスワードを解除して送りつけた。

『タダイ』
「はい」
始めてみる人物に名前を呼ばれて返事をしたが、何故か不信感はなかった。

『君の母方の先祖は、イリギア渓谷の住人かな?』
「!!母の種族はイリギアの民です。何故ご存知で!?」

『くくっ、そうか。懐かしい光景を思い出した。タダイ少し君を見せてもらうよ』
彼がそう言うとタダイは光の中に包まれて見えなくなった。

大統領が驚いて立ち上がると
光はスーッと消え、タダイがグラッと倒れそうになるのを、何かの力が支えた。

『すぐに治る。タダイ、アントンを知っているな。近い関係で生まれてきたのだね。
アントンに触れると情報は開かれる。すぐに会えるか?』

大統領は心配そうに声をかけた。
「タダイ大丈夫か?長官一緒に行ってやってくれ」

『いいや、ここに呼び出す』
彼がそう言うと、タダイの前に長身のアントンがスーッと現れた。

「アントン!」

「タダイ?なっ!大統領これは?!」長身のアントンは周りを見回して驚きを隠せないでいた。
「アントン説明は後だ。良く来てくれた」
タダイはそういって両手で握手をした。

タダイとアントン双方に情報が流れ込む、二人は眩暈がした。

「関係国からいっせいに返事が来た、、、一気に情勢が変わった、信じられない!」
大統領が驚きの声を上げた。

『さぁ、これからは君たちの手腕だな。アントン、眩暈は治ったか?ルキテル、タダイと共に平和勢力拡大にその力を発揮し未来を掴むのだ。良いね。隣の銀河でも同じように事が進んでいる。信じられるかな?』
「もちろんです!今この時を逃して平和はありません」

彼が微笑んで頷くと、その場からフッと消えた。
数秒、誰もが彼の何故か心を打つ美しさを感じる微笑みに、見蕩れたまま消えた後をみていた。

スーパーコンピューターが異常な数値を次々と出し始めた。

「!今更、読み出して何になる。もう良い!」ルキテルの声でコンピューターは静かになった。

アントンは何か思い出そうとしていた。
タダイは彼の微笑みに見蕩れて、その消えた場所をまだ見ている。

、、、その姿を見てアントンは気がついた!
「タダイ!タダイ、今の覚えていないか?!渓谷に伝わる、ほら微笑みが包みの一説だよ」
「え?、、、あっ!!人々を魅了する微笑が包み、その瞳は、深い青にして宇宙のように銀河を
内包す、、、!!!」
「それだ!絶対に伝説の人だ。本当だったのだ!」

 
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遥かなる:エピソード1の2

  • 2008/03/28(金) 21:43:10

               遥かなる:エピソード1の2
                      

                       *

『ガッシュ、少し元気になって良かった。ガッシュがあんな状態になるなんて信じられないよ』
リゲルが言った。
『信じられないのはリゲルの方だろう?』
『ん、皆を泣かせて最低だな。ガッシュも皆も、、、凹みすぎだよ。俺がんばっていた』
『すまない』
『またぁ!随分多くの経験と密度の濃い時間を貰ったよ。さぁ次の所へ連れて行って欲しいな』

『そうだな。この間ガッシュと仕事をした星へ下りてみるか?』彼が言った。
『俺だけ?』
『私は無理だろ』
『んでもさ。俺目立つし良いよ、外から見るんで』
『それはガッシュもだよ。光を消しても目立つ、モデルか傭兵ではないかと言われたそうだ』
『ほぉ〜、確かに』

『今現在二つの銀河が衝突しているのが分かるだろう、双方で銀河間戦争を起こしそうになっていた。未来を選べと言って交渉し、一応和平工作は成功したが、根強い不信感が残っている事は確かだ』
『双方の文明すべてが崩壊するんじゃ、戦争どころじゃないだろうに』

『それぞれの銀河の衝突位置から一番遠い、上の銀河の腕の先にある辺境地域へ移住する技術と財力の争奪やら優先順位をめぐる問題からだ。その辺境の惑星さえも回転する銀河と共に、崩壊の波に飲み込まれる。それは彼等にとって遥か遠い未来のことだ』

『そうか。無理して二つの銀河を引き離すまでもなく、寿命が来るんだな。でも今ある彼等の文明に影響しだすのは、後どれくらいなんだ?』

『場所にもよるが、ぶつかり始めた所から放射されるあらゆるエネルギーが徐々に影響しだしている。200年後にはさらに顕著になるだろう。千年単位で絶滅の危機を迎えるだろう』

『すぐじゃん!』
『リゲルが千年をすぐとは、フィールの影響かな?』
『そっか、見て良い?』

『双方の代表による会議はこじれるよな。その辺境地域まで行ける巨大宇宙船は?』

『数十年計画でやっている。すべての人と生き物の中で優先順位と環境に適合できるかどうかの調査。もめるところだな。一部のものに彼等の出方次第で情報を渡すと伝えている』
『一部?』
『そう、昔私が訪れた星に、平和交渉を手伝っている』
『昔に来た事があったんだ』
『それっきりだったから、伝説になっていた』

『千年単位で絶滅するなら、今すべてを移動させるわけには行かないのかな?好戦的なものたちが支配する強大な力をもった訳か。それぞれが悩み平和構築のために努力する文明へと、急速な成長が必須だな。こういう危機に瀕した文明は、数多くあるのだろうけど、すべてに影響しているの?』

『厳密には宇宙の法則の中で、生命を護り育て次に繋げるのだが、そこの生命達に直接コンタクトを取ることは無いに近いと思うのだが?私達は支配者として生命たちの上に存在はしない』
『そうか。じゃ、とんでもなくラッキーとも言えるな。だが選ぶのも、選ばせるのも辛いな』
『そのどちらでもない。可能性は無限にあるのだ』

                          *


代表会議を見ていた。互いに譲れないと時間ばかりが過ぎていく。
その中で一人の男が立ち上がり、大きな響く声で発言をした。

「議長!すでに我々には、互いの利益ばかりを優先させている時間はないはずです。いかにすみやかに大切な愛するもの達を救うか、その計画をだし、科学技術力を補い合いながら、確実な希望ある未来にしてかなければならないのです」

「ルキテル大統領、それは分かりきったことではないか!いかなる科学技術を持ってしても完璧な救出などあり得ない。
また辺境の惑星郡にそれぞれの故郷と同じ環境を作れるわけもない。そこで次の選択肢が出てくる。初期段階において移住先ではあらゆる専門家が必要だということもお分かりだと思う。そこで人選は当然のこと」

「我々2つの銀河の最高の科学力を持ってしても、なしえる事などないということは、誰もが知る事実です。今ある生活水準のコピーなど望んでは新天地での開拓などありえません。何よりも大きな力は、希望ある民です。民の中にあらゆる力が存在しているのです」
すると周りの代表たちから非難の声が上がりだした。

「ルキテル大統領は平和主義者で有名ですが、大妄想家ということですな」
「民に何が出来る!多くは無能な者たちだ。これほど言っても、優先順位というものがある事が分からないのか?」

するとルキテルは胸を張り言いきった。

「やるべき優先順位もちろんです。しかしその根底に生命に対する愛が無くて、民に対する尊敬がなくて、未来が発展した例を私は知らない。我々はそのここ数ヶ月以内に文明が滅亡する危機にあったが、こうして一同に会し話し合う機会を得たではないですか。しかし滅亡の危機は、すぐ側まで来ている。もう選択の余地はないのです」

「一体何が言いたいのですかな?」
デール星の大統領が言った。

「私たちの星でも信じられない事が起こりましたが、デール星でも何かあったのでは?」
「今応える必要はないと思いますが」

「そうでしょうか?時間は限られています。ここにいる我々が全力で平和構築にまい進しなくては、
未来はないのです。大統領そうではないですか?」
「貴方はあれを信じるというのですか?」

「信じます。信じるしか我々の未来はないと確信しています。貴方は疑っているのですか」
「いや、、、」デール星の大統領は言葉に詰った。

「ちょっと待ってください。二人だけで話をされては困ります」
座長をしている者が言った。

                    *


『こんな状態のに付き合っていくのだな』リゲルが言った。

『彼等が真剣に平和を求めるように、数人に接触をしただけだが、もう少し見ていこうと思っている』
『そうか、星や恒星の崩壊から生命を護る事や、銀河の崩壊を遅らせる事もあれば、人一人の命のために身を削る事、そのすべてが仕事、、、』
リゲルはあらためて彼を見てため息を付いた。

『ん?』
『んって、途方もなくて想像のほかだ』
『宇宙と共に永遠に、あらゆる宇宙のここ彼処に存在し、生命達の平和の種に影響する』

彼は優しく微笑んでリゲルの美しい緑の目を見ている。彼のの心から暖かい思いが溢れてリゲルを包んでいた。


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