<遥か時の流れ一瞬を生きる生命としてここに>91

  • 2008/05/15(木) 18:27:12

<遥か時の流れ一瞬を生きる生命としてここに>91


彼が突然ランを抱きしめて来た。
皆一瞬息を飲んだ。

『ごめん。ランの知らない、私になろうとしたのではないよ。それも私の一部だと言う事だ。君がこのように変化するのと同じだ。必要がなければ、することもない』
ランはブルーの瞳に涙を貯めて震えながら、スーッとパワーを下げて元に戻った。

彼はランを支えてソファーに座らせ、ほんの少しのあいだフォローをした。
『ラン、ベテルのフォローの一つだ。覚えたかな?もう一度?』と言うと、ランの前の床に座って手を取り、静かに穏やかに落ち着かせていった。
『分かった?驚かせたね。でも前に言っただろう。したいと思った時に触れると』
ランは黙って頷いた。
リゲルがランの前に来た。

彼は立ち上がってリゲルを見上げ、ランの横に座った。
ガッシュもノルドも、彼を心配している。
『そんなことをして、大丈夫なのですか?』と聞いて来たが、彼は静かに笑って頷くだけだった。

リゲルは座り込んで、美しい緑の瞳でジッとランを見つめた。静かにリゲル特有の力がこの部屋全体に広がった。そしてランの心の奥に語りかけた。

『ラン、彼はランの思いをニの次に思ったことは一度もないよ。ランの家族として君に応えたいと、いつも思っていてくれている。何とか表現してくれようとしている。君の奥にある思いを知っているからなんだよ。俺は彼に話していない。でも今のでよく分かった。ラン、彼の家族として素直に思いを伝えていいんだ。彼も変化している。互いの為に出来る事をしていけばいい。ランは、ランであればいいんだ。大丈夫か?』
「、、、リゲル」ランは、まるで子供のように泣き出してしまった。

今度はリゲルがランの頭を大きな手でくしゃくしゃっとした。
彼はリゲルをジッと見ていた。

「ふあ〜っ、久しぶりにリゲルだ。、、、、気持ちいい」ノルドは改めて実感したように、リゲルに言った。
『リゲルありがとう、本当に気持ちいい。たまにサービスしてくれてもいいね』
彼が深呼吸をしたのを見て皆心配そうにしている。
『?大丈夫だ。リゲルも私もかなり急激に下げて、戻って来た所へ君たちがすぐにやって来たから。なぁリゲルフォローはもういい。少し戻したほうが良い』

『そうだな。俺の部屋またバージョンアップして貰わないとね。サービスするから、お願いします。はははっ』
『OK。サービスのフォロー付きでな。くくっ』

二人とも、さっきのランより高くなってきた。

ガッシュがリゲル代わってベガとノルドをガードしていたが、ノルドが手のひらを上に向けて肩をすくめた。
「もう遠慮しますお邪魔しました。こんなビッグパワーにはとても付き合えないよ。ベガ帰ろう。ガッシュ、頼むよ」と言った。

「そうね。帰ってきて、いきなりお邪魔してしまったから、随分我慢させてしまったようね。すみませんでした。でも、顔を見られて安心したわ。では、お休みなさい」
ノルドとベガが戻って行った。

二人がいなくなると、リゲルがいきなり溜息を付いた。
『ふぅ〜、帰って早々思いが溢れていて、、、。ラン、俺高いよ。今日はこのまま、いるつもりか?』
「心配です。こんな事、、、」

『ラン、後で私の部屋へいこう』
「え?お邪魔するつもりは、、、」
『私もここに、常時いるわけではない。たまには星にいた時のように一緒にいてもいいだろう。見た目がもっと若い方が良かったね。生まれた時からと考えると、本当は君の思ったとおりなんだけよ、ラン兄さん。
さっき昔のランの日常の細かな事まで、いろいろ思い出したよ。本当に楽しかった。家族ってこんなに良い物かなって、毎日君の顔さえ見ていれば幸せを感じていたよ』
と言いながら、彼は今度はリゲルの腕に触れてきた。
一瞬リゲルもビクッとしたが、黙って彼を見ていた。
『ラン兄さんって、、、』

『そうなんだろうとは思っていたけど、なんかラン兄さんは衝撃だなぁ』ガッシュは、複雑な気分だなと言った。

『人としての実体験が未熟な子供のままで、姿だけ大人で皆に苦労させている。すまない。さぁ、リゲルが少し疲れてきている。ラン部屋に行くよ。ガッシュにお願いしてもいいかな』
『分かりました。お休みなさい』
彼とランが消えた。

『リゲル、疲れたのか?』
『いろいろあった8日間で、戻ってきたら幸せが待っていて、ちょっと溢れただけだ』
『何だかよくわからない説明だぜ、それ』
『ん。俺今ガッシュがいてくれて、とても安心だ』
『あぁリゲルは繊細だったな。皆の思いに溺れそうになったわけだ。で、もう大丈夫なのか?』
『ガッシュ溺れていると思ったら、見ていないでさぁ〜』

『お前の方がかなりでかいんだぜ。自分で上がって来いというまでもなく、ちゃんと彼が救い上げてくれていたじゃないか。随分触れていたけれど、本当に大丈夫なのか心配になって来たよ。皆が溺れないようにと無理してくれていたな』

『あぁ、彼も変化した。しかし前ほどではないにせよ。疲れているのは彼のほうだ。俺はコント−ロルする緊急訓練をしたわけだ。今、問答無用で彼らになるべく弱くサービスしているよ。ガッシュはまだ大丈夫かな?』
『ふふっ、リゲルらしいな。あぁいいよ。ここが壊れない程度にな』

『ありがとう』リゲルの雰囲気が一種にして変わり、この部屋の空間が揺らいだ。

『おいおい!ちょっと高すぎないか?お隣りさんも、シティでもビックリするだろう』
『ここから、漏らしてはいないよ。ガッシュは中身が濃い状態の中にいる、、、』
リゲルが深呼吸をした。
『少しずつ慣らしていく、予定だったのにいきなりだ』
『これでいいのか?俺、ダメそうだったら、外からお前を見ているから良いんだよ』
『ガッシュ、本来の自分になれば、いいじゃないか。問題ない』
『リゲル〜。、、まぁ、そうだな。しかしそれでここまで高いとは、お前もう十分だよ。本気出したら、えらい事だな』

『俺の本気?そんなもん、出さなくて良いようにする。一生、体感したくないね』
『俺もだ。遠慮するよ。彼女の能力をいくつか吸収したようだがどれくらい迫ったんだ?』
『はぁ、迫った?彼女のどこに迫れるんだよ』

『リゲルあの時、彼を本気で受けていたら、、、、想像の外かぁ。リゲル、さっきの俺の話だが、まじだぜ』
『ん?俺にか、、、。ガッシュが終わりを経験したくなったら言えよ。俺はそんな風になりたくはない』
『怖いなぁリゲル。お前一人ぐらい、面倒見ていけると思っていたんだが、、、本来の俺ならね。君の命を救う事が出来れば、いい程度なのだろうか』

『十分すぎる位だ。ありがとう。彼女には出来ないのか?』
『とんでもないって、言われた。とっくに何度も経験している、もうこのままでいいって、、、。リゲル、彼女のようになるなよ。悲しすぎる』
『そうか?宇宙に存在する全ての限りある命達は、そうやって生死を繰り返して来たのだろう。そういうもんだと、割り切れないなら付き合うのを止めて、もとの形で影響する方が良いんじゃないか?苦しむだけだ』
『ふふっ随分と割り切った事を言うが、俺にいてもらって安心するといったのは誰だよ』

『ランじゃないんだぜ。俺は形には、こだわらないつもりだ。ガッシュの本来の姿で構わない。
個性の雰囲気が変わると、ちょっとつまらないかも知れないが、別な意味で面白そうだし。俺ちょっと楽しみだな。彼が男であろうが女であろうが構わない、そもそも違うんだ。
俺を見ろ。シティではガッシュの次にインパクトあるのが俺だぜ。考えたら光に包まれた姿より、元がこっちだといわれた方がインパクトあるかも!はははっ』
リゲルは自分を指差して笑った。

『お前、なんでも面白いかどうかが基準だな。簡単でいい。性格の全部がそうなりゃいいのに、えらく繊細な部分があって、面倒な奴だ』
『それを個性豊かって言うんだぜ』


<遥かなる時の流れ、一瞬を生きるものとしてここに>92

  • 2008/05/15(木) 22:00:17

<遥かなる時の流れ、一瞬を生きるものとしてここに>92


この一ヶ月ガッシュもベガも、忙しく動いていた。
もちろんベテル達もシティ内で、いろいろな事で役に立ってくれていた。
繊細な神経の持った人々ランの後輩達も、リゲルの後輩達には心を開いて溶け込んでいるようだった。

ベテルとアルデはその間に一度ファッジの星へ行っていた。

プレジデント・ファッジも大変な忙しさの中で精力的に、星の復興の為に頭も身体も全開状態であった。

「プレジデント・ファッジは素晴らしい能力を持った方だったのですね。驚きました」アルデが言った。
「とんでもない!あの時から突然ですよ。しかし周りがうるさいので、これでも必ず休みを取らされていますから、ご心配なく。ガーランドも復帰し共に働いてくれています。呼んでありますので、そろそろ、ここへ来ると思います。是非会って行ってください」

ベテルは、彼が入ってくる前からニヤニヤしていた。
「何か分かりますか?」ファッジが聞くと
「いえ、メイがあまりに幸せそうで、フフフッ」

そこへガーランドとメイそして、ガーランドの護衛として病院に見舞っていたエドも一緒に来た。

「はじめまして、私達の星そして大切な人を助けてくださり、本当にありがとうございました。メイから聞いていましたが、本当に大きな方々ですね。そしてなんとも美しい目をしている」
ガーランドは素直に驚き、二人を見上げて握手を求めて来た。

ベテルもアルデも嬉しそうに応えた。
「初めて会った人で握手を求めてくる人は、なかなかおりません。嬉しいです、ありがとうございます」
「そう大きいからですか?」
「ともかくインパクトが強すぎるようで、固まったようになります。はははっ」

「はっははは」ファッジが笑っている。メイも本当に嬉しそうに笑っていた。
「ベテルです」
ベテルはエドに挨拶をした。

「はじめまして」会釈をするエド。
やさしく微笑んだベテルは、彼の心に語りかけた。
『お疲れ様でした。リゲルから、ガーランドの側に貴方がいるから安心だと聞いてました』


「!私の事をご存知なのですか?」エドは硬い表情のままベテルを見上げていた。

『リゲルがガーランドを発見し、その時貴方が見舞っている人と言う事を病院でつかんで、プレジデント・ファッジに報告したのです』
エドは、ベテルの大きな目の美しさに見惚れたまま、頷いた。

「ベテル何か?、、エド!ベテルなら君の強い暗示をといてもらえるかもしれない」
ファッジはベテルならと思った。

「私はイスキルです!その話はもう結構ですと何度も言ってますが」エドは、ムッとした顔になって反発した。

「そうだったね」
ファッジはベテルを見上げて、
『治せるものでしょうか?』
『どうでしょうか。よろしいですか?』
『お願い致します』

エドは、敵を欺く為に自らに強い暗示をかけ、潜入するための接触を始めたところで、この戦いはプレジデント・ファッジと側近ほかの人々を巻き込み、ラン達によって終結へ向かった。


ガーランドとエドは、それぞれ別々に数日前からある地方都市にいた。

反政府組織の内紛に、地方都市で一般市民が被害を受けた。
ガーランドは降り注ぐ攻撃の雨の中、人々を護る為に命がけで飛び込んでいき、安全は場所まで人々を移動すると、そこで力尽きて倒れた。
エドの頭の中に、ガーランドが崩れるように倒れる姿が突然浮かび、殆ど無意識にそこへ飛んだ。ガーランドを、大切な親友として護る事もその暗示の中に入っていたのだ。


ベテルはその大きな手を出して、
「握手をさせていただけますか?」
「は?はい」エドは、手を出した。
ベテルは大きな手で、エドの手を握ると目の高さまでしゃがみ込みエドの焦げ茶の瞳を覗き込んだ。

エドは小さくため息をつくと
「本当にきれいな緑色の瞳ですね。思わず見入ってしまいます」
「ありがとうございます。誉めていただき嬉しいです。エド」
「いいえ、貴方達の星の方は、皆さんこのように美しい瞳なのですか?」

ファッジもガーランドも、エドの反応に驚きと喜びの笑顔で見合っていた。
「少しずつそれぞれ違いますがこんな感じです。でもガーランドとエドを発見したリゲルは、宇宙一美しい瞳の人ですよ」

「そうですか。皆さんが集まるとすばらしいでしょうね!ありがとうございました」
「こちらこそありがとうございました。ガーランドを護っていただきありがとうございました」

「とんでもない!こちらこそありがとうございました。プレジデント・ファッジとガーランドの為なら、いつでもお役に立ちたいと思っております」
エドはアルデに握手を求めた。

「エドの事はリゲルに伝えます」アルデは両手でエドの手を包み込んだ。

ベテルは、ファッジを見て微笑んだ。
『ベテルありがとうございます。エドが戻りました』
ファッジはベテルに礼を伝えると、今度はガーランドとメイを見て微笑みながら言った。

「実は、メイはガーランドと結婚が決まったのです。ランとリゲル、ベガそして貴方達を招待したいのですが、皆さんは忙しくて無理だろうね。一応その事をランに知らせてください」

「メイ〜!ガーランドおめでとう!!ランとリゲルも喜ぶ事でしょう」
ベテルとアルデは大喜びであった。

「お二人に喜んでいただけると、迫力あって感激です。ありがとうございます」
ガーランドは、メイの手を取ってキスをした。

<遥かなる時の流れ、一瞬を生きるものとしてここに>93

  • 2008/05/16(金) 08:30:51

<遥かなる時の流れ、一瞬を生きるものとしてここに>93


リゲルが目覚めて窓の外を眺めている。
無限に広がる無音の暗闇に煌く星ぼし、リゲルはあえてクローズでその景色だけを眺めていた。
ガッシュがシャワーを浴びてスッキリした顔で、リビング横のコーナーからドリンクを持ってくると、リゲルに手渡した。
『ありがとう』
『お隣も起きたようだ』


少しして、彼とランがリゲルの広い部屋に入ってきた。
『おはよう、リゲル』
「リゲルおはよう!ずっとリゲルの溢れてくるパワーでとても気持ちよかったよ」
『ん、おはよう』

『ガっシュ、おはよう。ご苦労様と言うべきかな?』と彼は、ガッシュの光の変化を見ている。
『心配してリゲルの生命によって行くと、逆にこっちの裏側、底まで入って来て救おうする。やれやれです』
彼は小さく頷くとリゲルに言った。
『ガッシュは希に見る生命の強さを持つ、その彼を凹ませる事ができるのはお前ぐらいだな』
するとガッシュは言った。
『ただ俺がリゲルに出来る事が、また減った事にがっかりしただけです』

彼は目を細めてジッとリゲルを見ている。
『思いを受け止めて何かさせて貰う事が、我々の存在価値になる。利用してくれると癒される。その為にあえてここにいる。そこで否定されると存在できなくなる、、、共に生きていくと皆に誓ったんだ。共に生きていくことがどんな事かを知らなくて、これからの厳しい未来にどう立ち向かうのだ?
リゲル、星では自分の存在を否定し仮の家族も否定し、いつも君の中はたった一人で、だから今、全てを与える事しか考えられないで生きているのだろう。私はリゲルとガッシュも家族にした。今までもリゲルとランは、私の中に感じていたがすでに家族なんだ。意味が分かるかな?』

『貴方の家族、ランと同じ?』
リゲルは長い睫を揺らし瞬きをし彼を見ている。

『ぞうだ。私に対しては、どのように受け止めてもらってもいい。兄でも弟でもいい。ランもガッシュも、自由に受け止めていい。リゲルは?』
『なぜ俺には聞くんだ。俺は元から、どういう形体でも構わない』

『リゲルは自分の答えを持つようで人のための答えだ。人の為に命を削ってでも動く。誰よりも人を理解するが自分を見つけるのが苦手だ。
全てを受け入れていくように見えて、自分を否定していく。しかしこれらはリゲルのほんの一部だ。
リゲルは引き離す事が出来ないと思うほど人を引きつけ、人と共にいるのに決して捕まえる事ができない。まるで影のようだ。触れたくて触れても本当のリゲルはどこにいる。その巨体は仮の姿か?』

リゲルは戸惑いながら謝った。
『何、、、気に触ったなら謝る。すみませんでした』リゲルの緑の目の色が僅かに変化しだした。

「何でそんなに?!」
ランが堪らずに彼を見上げて言った。
彼はランが目覚めた時にはすでに起きていて、ソファーに座り腕組みをして目を瞑っていた。
彼の雰囲気に緊張すると、彼は目を開け優しく微笑んだのだった。その間にリゲルと何かあったのだろうかとランは思った。


彼は悲しそうな顔で言った。
『皆との誓いは、君にとっていったいどういうものなんだ?リゲルのそうさせてもらいたいという気持ちはよく分かるし、感謝している。、、、、ガッシュ、かけがえのない大切な家族と思っている事は迷惑なのだろうか?』
『迷惑なわけが無いではないですか!何故今?』
ガッシュは彼とリゲルを交互に見て心配そうに言った。

『ん皆と生きていく、そうしたい、、』
『そう』
彼の目に涙が光っていた。
突然リゲルの前に来ると両手を広げて、その巨体を抱きしめた。
『大切なリゲルを傷つけて、、、私は何をして、、、』

『リゲルを離して!止めてください!離して!』
ガッシュとランが、彼をリゲルから引き離そうとしたが、引き離せるものではなかった。
それどころか、自分達まで彼から離れられなくなっていた。

彼の思いが直に伝わってきた。
『こんなに皆がそれぞれの事を思っている。、、、その思いにゆだねるんだよリゲル。そういう時があっても良いんだ。、、。もしどうしてもそれが、、リゲ、ル、、、っ!』

<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに>94

  • 2008/05/16(金) 21:31:28

<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに>94


彼はガッシュの腕の方へ倒れ込んで来た。ガッシュは彼を支え、哀しそうにその顔を見た。

『貴方はこんな風に人と接触は、、、。ランもこんなに傷つけて、今すぐここまでしなくては、ならなかったのは何故?』
『彼女がリゲルに、、、、彼の危険に気がついた、、、。私しか出来ない。私の大切な家族、、、だから』
「なんで、なんで、こんな事を、、、、」
ランの血の気の引いた顔に涙が流れている。
リゲルは呆然とした表情のままだった。

『死にはしない、、、、』ガッシュの腕の中で彼が伝えてきた。
『ラン、彼は死にはしない』

『リゲルに言っていたのだから、断われませんよ。ラン、リゲルをガードしてくれ』とガッシュのパワーが変化し始め、強烈な光に包まれて二人とも見えなくなり、物凄い光の圧迫感が押し寄せて来た。空間から次から次へと眩い光の塊が、ガッシュ光の所へ吸い込まれていった。

『、、彼は?、、、、』リゲルは、ガッシュに聞いて来た。
『リゲルがどうするつもりだ、、』光の中からガッシュが言った。
『、今、、、大丈夫と伝えてくれた、、、』

少しするとガッシュの光は、スーッと元に戻って行った。
彼はガッシュに抱かれたまま眠ってしまったようだ。

『ラン大丈夫だ。時々どういう状態なのか迷う。分かればもっと早く手が打てるのに、はっきり決めて欲しい。、、、彼の家へ行く方がいいだろう。リゲル大丈夫か?彼を連れて行く』
ガッシュが、そのまま宙を見ているリゲルに言った。

その時ベテルがリゲルの異変に気が付きにコンタクトしてきた。
『リゲルどうしたんですか!?今そっちへ行きます』

『くる、、な、、、』
リゲルは目を瞑り大きく深呼吸をすると、体がグラッと斜めに倒れ掛かり、ランが支えようとした瞬間、消えた。

「リゲル!!」
ランが叫ぶと、そこにベテルが飛び込んできた。
「リゲルはどこへ?いったいどうしたのです、、、、!!」

「何処かへ飛んだのかもしれない、、、」ランの顔色は蒼白だった。
「ラン?大丈夫ですか!彼はどうしたのです?」

『今は寝ているだけだ。ラン、彼の部屋に行くぞ。ベテル待っていろ』
ガッシュ達は、隣りの彼の部屋に消えた。

『ラン、このまま目が醒めるまで、寝せてあげてくれ』
「ガッシュは、大丈夫なのですか?」
『あぁ、俺の特技っていうのかな。それより、リゲルだ。、、、』
「ガッシュ、リゲルを、お願いします」
『どこか居場所をつかんだか?』

「いえ、彼を大丈夫と言ったきり、リゲルが無くなって行ったように感じて、、怖いんです」
『分かった。連れて帰るから、ランは彼についていろ』
ガッシュはそう言って、リゲルの部屋に戻った。

『ベテル、リゲルの飛んだ場所が分かるか?』と言ってガッシュが戻って来た。
「掴めません。いったいどうしたんですか?あんなリゲルは、、」
『ベテル何んだ、どう感じた?』
「彼の波がめちゃくちゃになって、あれでは狂って、、、。何があったんです。教えてください」

『今は探す方が先だ。なんとしても探し出すから、万全な体制で待っていろ。何かリゲルに関して、分かった事があれば、すぐに知らせるんだ』

『ガッシュ、ノルドが、センターでいきなり倒れて、今ボォンが見ています』
『意識は!?』
『ありません』
『くっそぉ最悪だな。ノルドはリゲルと生きている』
『なんですって?!ガッシュ、私達にも何かさせてください!!』
『リゲル特有の波が分かるのなら、皆で全宇宙を探せ、今すぐだ。俺はビックマインドの所へ行く』

ガッシュは、いきなり銀河の外へ出るなり、強い意思で彼女に呼びかけていた。
『応えて下さい。リゲルが、どこにいるか掴めないのです!リゲル!』
彼は全宇宙に呼びかける思いで、リゲルを探し彼女に呼びかけていた。

『ガッシュ、、、、。今リゲルといます。会っておいて良かった。すぐに確保しました。彼は無意識のうちに私を思い出してくれたようです。私が暫くリゲルを預かります。必ず戻らせますと彼に伝えてください』
『リゲルは、、、』
『意識はありませんが、私はリゲルの目を治した時に少し把握しているので大丈夫。また後で、、、』
『そちらへ行き、、、。』
彼女のコンタクトはそこで途絶えた。

ガッシュは、ランの待つ彼の部屋に戻り、ベテル達にも、リゲルは彼女と一緒だから大丈夫だと伝えた。

『リゲルは彼女と一緒だ。リゲルの目を治した時に把握しているから大丈夫だと言っていた。暫く預かる、必ず戻らせますと伝えるように言われた。彼の意識が戻ったら、今の事を伝えてくれ』

『リゲルは意識がないのですか?』
『ん、彼女が察知してすぐ確保したと言っていた。、、、ノルドの所へ行ってくる。ランは大丈夫か?』
ガッシュの光は、ランを包み込んでいた。

『ランを心配したが逞しくなったな。いざと言う時に、長老として彼の家族としての強さが出るんだな』
『「リゲルが教えてくれ、引き出してくれた強さです。ガッシュ」
『ん。今はランがそうあってくれることが救いだ。しかし心に引っかかる事はすぐに、何でもいいから言って来い。お前達若い命は、もろさも同時にある』
『分かりました』


<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに>95

  • 2008/05/16(金) 22:00:04

<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに>95

                     
ガッシュは、メディカルセンターのNO.0に入ってきた。

『ノルドは、どうだ』ノルドの横に、ベガが目を真っ赤にして付いていた。
「!ノルドは落ち着いて来たが、彼とリゲルは、いったい何があったんだ」
ボォンが厳しい顔で、ガッシュに真実を聞こうとしている。
彼の星からボォンと共に来たキランは、必死で耐えているように見えた。

『先ず彼は目覚めた時には元に戻っている。命に別状はない。ランは長老としての自覚で、彼について耐えている。リゲルのおかげで逞しくなった。リゲルは他所の銀河、彼女がいる、、暫く預かるが必ず戻ると言っていたから心配ない』

ガッシュが伝えると、ベテルが『ボォンよろしいでしょうか?』と言って来た。

「君たちも来なさい」
ボォンが答えると、リゲルの後輩全員が現われた。

いつも、一番元気なアルデが皆に支えられ見る影もない。
『アルデどうした?、、、』
「リゲルの揺れを最初にキャッチして、パニックを起しそうだったので押さえつけ、今まで皆でフォローしていたのです」ベテルがいつもと逆にアルデに触れている。

ガッシュはアルデの様子を見て眉をひそめ、側に来た。
『ともかく座れ。リゲルはビックマインドが確保してくれている。暫く預かると言ってくれた。心配するな後で俺が行ってみる。アルデが最初だったのか、大丈夫か?』

ガッシュの生命力の光は色を変化させて部屋全体に広がり、この部屋にいる全ての生命を包み込んで影響していた。ガッシュは固くガードをしてアルデ達を見つめている。

『、、、君たちはそう感じていたのか。皆がそれを?』
「はい、、、皆がパニック状態になっては、シティが大変な事になるのですぐに、意識を麻痺させるような事をしてしまいました。すぐに皆に謝り理解してもらいましたが」
『そうか、アルデの状態が戻るのにもう少しかかるかな?』
「、、、そう思います」
『ったく、いつも!後で、、、、、、いや。私に診せてくれ』

ガッシュは広がっていた光を戻し、弱く発光し下げた状態でアルデの頭に触れた。

『、、、、、君たち、アルデにリゲルを感じなかったのか?』
 ガッシュの琥珀色の目に涙が浮かんできた。

「私達はいつもリゲルを感じています」
『そうではなくて、リゲルはその揺れを起した瞬間に、アルデに気が付いていた。自分が、、なのに、、、』
「えっ?」
『暫くすればアルデは戻る。リゲルが止めたんだ、力の加減が出来なかったのだろう。アルデを休ませてやりなさい』

ベテル達は部屋を出ていくと、彼らのための巨大なベッドのある特別室へアルデを寝かせ、他の者達に「アルデを頼む」と言うと、ノルドのいる部屋に戻った。


ガッシュはノルドの寝ている横へ行き、肩に触れるとリゲルの事を伝えた。
『ノルド君を見ていれば、リゲルがある程度分かるのだったな。君は今苦しいのか?悲しいのか?』
ガッシュはしばしジッとノルドを見ていたがいきなり
『リゲルは、大バカやろうだ!!』ガッシュの心が叫んだ。
ベガが声を漏らして泣いていた。

ガッシュは、両手でノルドのベッドに手を付いたが、そのままその場に座り込んでしまった。
「ガッシュ!」
「どうしたの?ガッシュ!」
こんな姿のガッシュを誰も見たことはない。

『リゲルのバカは、彼女でも治せないかもしれない、、、』

ガッシュは小さく震えているように見えた。
横に立っていたベガの表情が変わり、いきなりガッシュを思いっきり叩いた。

「貴方は何を見てきたの?!私達が帰ってから、あの部屋であった事を伝えてくれたけれど全部嘘なの?ガッシュはリゲルをよく理解しているんじゃなかったの?例え自分に何が起っていても、リゲルならそうするでしょう!」

ガッシュは叩かれたところに手をやっていたが、少ししてベガを見上げるて言った。
『、、、、ベガの言うとおりだ。リゲルはそういう奴だな。ありがとう、しっかり下げた状態で思いっきりくらったら、余計な物が皆吹っ飛んだよ』
「まぁ!そうだったの?大変!ごめんなさい」

『頭は大丈夫だよ。リゲルは俺の特別強い願いで戻してやる』
ガッシュは目を瞑った。

ボォンとベテルが、ガッシュの側にきた。
「ガッシュ一人でやりすぎです。リゲルが彼女の元にいるのなら、今すぐ私達にできることはないのでは?貴方は酷く疲れています。少し休んでください」

『そのようだ、、、ベテル悪いが俺を彼の部屋へ送ってもらえないか?』

それを聞いたベガの方は一瞬青ざめた顔になっていた。
「ガッシュ、ごめんなさい。ひどい事をしてしまったわ。ドクター・ボォン、ベテル、力を貸してください」

『いいかベガ倒れるなよ。君のせいじゃない。殴られる前にもう立っていられなくて思わず、ベッドにつかまろうとしたくらいだ、、、俺のとりえは頑丈なだけだ。少し休めば嫌でも元気になる。ノルドを頼むよ。リゲルにも声をかけてくれ』
『ベテル、、』
ガッシュはベテルに支えられて消えた。

                         *

ランはベテルに支えられて現れたガッシュに驚いた。
大きなソファーにガッシュを寝かせ、ベテルは壁面にあるパネルで必要な物を設定すると、ガッシュ専用のドリンクを持ってきて渡した。

「ガッシュ、全部貴方一人で、、、すみません。触れますよ」
ガッシュの頭に指先で触れた。
ガッシュは少し笑って、『ベガのパンチ効いたが、頭は大丈夫だよ』

ベテルは困ったような顔でガッシュを覗き込んでいる。
「ガッシュ、貴方はどうされるのか情報が少なくて、、すみません」
『ありがとう。俺は元々頑丈だからな』
ガッシュ用のドリンクのボトルを取って二口ほど飲むと、後はそのまま吸収した。
ベテルは空になったボトルを受け取った。

『ラン、こういう時は簡単でいいな』と、静かに笑った。
「もうよろしいですか?」
『ん、ありがとう。アルデの側についていてやれ』

「皆に頼んできましたから大丈夫です。互いに影響しいい状態に保つようにして、シティの緊急にいつでも動けるようにして、アルデを見ています。リゲルからそのように言われています」
『そうか、、、リゲルは立派に後輩を育てているんだな』

ランはベテルを見上げて心配そうに聞いた。
「ベテルもそこに座って、君は大丈夫なの?」
「はい、もう少し高くても私は大丈夫ですが、、、もしお邪魔なら出て行きます。何か御用は?」
「ありがとう。ガッシュ少し休んで、彼女にコンタクト取れるかもう一度やってみる」ランが言うと
『あぁ、ランならできる。いっぱい違う、いいだからね』
「ベテル少しの間頼むよ」

ランは、宇宙空間へ飛んだ。

ガッシュは心配そうに様子を見ているベテルに笑いかけた。
『ベテル俺はこうしていればすぐ戻る、たぶん驚くぜ』

大きな美しい緑の目が瞬きをしながら、ガッシュを見つめていった。
「少しだけです。ガッシュにも私をもっと知ってもらいたいのです。それもリゲルから言われています」
『何でもリゲルだな』
「はい」
ベテルの雰囲気がスッと変わったが、ガッシュに触れようとして手を引いた。
「触れないほうが良いですね」

『ん』
ベテルがジッとガッシュの様子を見ながらフォローしていった。
『ふぅ〜、こんな事もできるんだな。ありがとう。でも無理するな』
「この間の、ガッシュの生命力はすばらしくて、身近で近い感じはどのエネルギーなんだろうと、しかし結局よく分かりません。計り知れない強大な宇宙のバイオエネルギーの一つだと感じました。微々たる物で恥ずかしいのですが、私のできる限りのものです」

『ベテル、その吸収力もリゲルか?』
「そうでしょうか?少しは私の一族にあるのですが、でもリゲルが強くしてくれたかもしれません」
『そう、ならいい。リゲルは皆を加速させる、君たちの事を少し心配していたんだ。もういい、驚きのフォローだ。いっきに楽になったよ、ありがとう』
「分かりました。少しでもお役に立てれば。、、、彼は寝ているだけなのですか?」

『今はな、ただリゲルが早く元気になることだ。彼女に力に祈るような思いでいるが、彼女自身も厳しいし、リゲルへの影響も怖いものがある。ベテル!彼には近寄るな』

ベテルは彼を見ていたが止め、振り向いて驚いていた。

「信じられない、、見る見る変化し元気になって、ガッシュ凄いです」

『だから俺の取り得え頑丈なだけなんだ。ベテルのフォローが拍車をかけたことは間違えないよ。ありがとう。、、、おい!そんな目で見るな。違うってやっと理解できたのか?』
「だ、、、だってほんの僅かな間にこんなに」

『ダメだベテル、、、人と言う種ではない証拠なんだよ』
「はい、、、」

ガッシュは起き上がると深呼吸をしてから、ベテルに微笑んだ。
『、、、、さてランをちょっと追ってみる。ここにいてもらってよいか?
しかしどんな事があっても彼の中を覗くな、急激に上がってくるようだったら、ともかく逃げろ。
彼は私の比ではない遥かに越えた存在だ。フォローもいらない。
気がついても自分をガードし、質問されたら答えるだけにしろ。いいな。すぐランか俺が戻るそれまでだ。絶対に手を出すな。リゲルを守る為だと思え。ふふっ、俺も見ているからそう心配するな』

「わ、分かりました」ベテルは、ガッシュのあまりの言い方に緊張が隠せないでいた。
『それぐらいでいい』
ガッシュが宇宙空間へ飛んだ。


<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに>96

  • 2008/05/17(土) 10:27:42

<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに>96


彼とガッシュ、リゲルの三人住居は、シティから僅かに離れた宇宙空間に浮かんでいる。

セントラル・シティにおける科学技術力最強最高のシェルターを遥かに越えたものだった。
そもそも外界からの影響を受けない為のシェルターではない。
彼が作り出した特殊構造で内部での変化が、外部に最小限ですむ様に作られていた。


宇宙空間を短距離ならそのまま移動できる能力を持つ者以外、シャトルで来る事になっていた。
シャトルの扉の前で入ってくる人を判断し、室内の設定が瞬時に変更される。

今はベテルがいる事を基準として、空気濃度もシティのそれより惑星リトル・ログの設定になっていた。重力は休んでいる者に最適なものに常に設定変更がされる。

ベテルは静かに眠っている彼を見つめていた。
部屋の中に満ちた、なんともいえない懐かしさ、感動、その心地よさに自然と涙が浮かんでくる。
不思議な存在の美しく整った寝顔を前にして、呆けている場合ではないと、かなり意識していないとならなかった。  
ガッシュから彼の変化には気をつけるように注意されていたからだった。


彼の睫が揺れ、ベテルはハッと緊張を高めた。

『ベテル、、、』彼が意識を取り戻し、神秘の濃紺の中に金の銀河を内包する瞳が、ゆっくりとベテルを見た。
「は、はい」
ベテルはガッシュの言うとおり、ガードをした。

『リゲルは、、、、、』
「ビックマインドが確保しているそうです。必ず戻すと伝えて欲しいとガッシュに言ったそうです。ランが彼女とコンタクトを取りに行ったので、そこへガッシュも行ってます。どちらかがすぐ戻ると言っていました。、、、私に何かできることはありませんか?」

『そう彼女、、。何かできることか、、、ガッシュはベテルに、そうは言わなかったな、、、』
「!ご存知だったのですか」

『ガッシュも随分な言い方だと思わないか?ベテル緊張しただろう。意識状態が危ない時は危険な存在になりうると覚えていてくれれば、後は緊張する事はない。バランスが悪すぎて、、、これでは、リゲルを傷つけるとんでもない化け物だな』
呼吸が乱れている。

「化け物なんて!!、、、苦しいですか、、、」
『すぐ収まる、大丈夫だよ、、、、、ランが戻ってくる』

そこへフッとランが現われた。
「ガッシュは、、、!?少し苦しそうですが」
『ん、すぐ収まるよ。ガッシュの事は分かっている。それで?』

「彼女が応えてくれました。リゲルは一瞬無意識に彼女を思い出したようで、その瞬間をキャッチしたそうです。まだリゲルの意識は戻っていないので、リゲルを暫く預かりますが必ず戻しますと伝えてくださいと言っていました』

『、、彼女か。私もリゲルを迎えに行く。ベテル悪かったね。皆に心から謝っていたと伝えてくれるかな』
「、、、、どうぞ謝らないで下さい。貴方とリゲルの信頼関係は、深遠の宇宙のように深いものだと皆感じています。驚きましたが思いは強く伝わってます」
『、、、謝らせてほしいんだ皆にそう伝えてベテル。ランと話したいことがある。外してもらっていいかな』
「分かりました。貴方の言葉を伝えに行きます。リゲルは約束を守る為に元気で戻ってきます。では」
ベテルは扉の向こうへ出て行くと通路からフッと消え、シティへ戻った。


『ラン、大切なリゲルを、、、辛い思いをさせたね。私が幼すぎてあまりにバランスが悪いな。これでは皆を振り回すばかりだ。ところでラン、いきなり抱きしめたけど、あんな形では嫌だったかな。家族として私にして欲しい事を聞かせて、、、』
「嬉しかったです。本当に嬉しかったです。でも心配で、、、」

『そう、、、彼女のおかげで私も、以前よりは触れ合う事が可能になった。ガッシュにも礼を言わなくては、、、。何か言って欲しいラン』

「して欲しい事ですか?貴方は亡くなった父と母、兄弟の分を、一人で背負って私をここまでして下さった。十分に幸せです」
『何でもいい、ランが何かして欲しい事はないかな』

「、、考えた事がなかったです。もう子供の頃の夢は叶いましたし、リゲルが元気になるまで、彼の側にいてあげてくれますか?」
『リゲルにして欲しい事じゃなくて、ランになんだ、、、私は一度戻る、、、分かったね』

「、、、貴方もいなく、リゲルを心配して待つのですか?、、、、、どちらも傷つくのを見るのはもういやです。次は私が消え、、ます」
ランは辛い思いを彼に訴えた。

『すまない。本当に君の言うとおりだ。もう、、、しない』
彼は起き上がりベッドに腰掛けて『隣りに座れ』と言った。
ランは彼の隣りに座って、涙で潤んだブルーの瞳で彼を見た。

『ダイレクトに思いを伝えてくれたのは初めてだね。とても嬉しい。ランは私を本当の家族にしてくれたんだと思うと私の夢も叶った。礼としてランの思いに応えたい。でもこのままここにはいられないんだ。
彼女が私に触れた多くのものをくれた。そしてガッシュが強大な生命力を注ぎ込んでくれた。本来の自分とこの二人ではあまりに、、、。未来へ多くの宝をもらった。しかし私の人としてのこの体がそう出来ていない。このままではそう持たないと思う。
こんなことをランに聞かせることは辛い。だが君の思いに応えたえようとすると、後は別な形でしか関わる事ができなくなる』

ランは青ざめた顔で頭を振っていた。
『いいかよく聞いて、私は前の時と違う必ず戻って来る。調整にそう時間はかからないよ』
『、、、、、』
彼がランを柔らかに温かくフォローしはじめた。

『辛いか、、、すでにいっぱいだったね。私の家へ来てくれるかな、私たちの星だ。一緒に戻ろう。リゲルの事は彼女とコンタクトを取って、リゲルのいい時に私が迎えに行く、連れて帰ってくる。約束する。ラン答えて、、』
「、、、一人はいやです、、」
『わかっている。シティは皆に任せて少し休暇をもらおう。我々がいないと言うのも、シティで働く彼等の訓練になる。そして私の家でガッシュと待っていてくれるかな。ガッシュは銀河をも越えて移動する、大丈夫だ。ランのそばにいてくれる』

そこへ彼に呼ばれてガッシュが戻って来た。

『ガッシュ聞いてくれたね。また私の我儘だ。ランを戻るまでの間お願いしたい』
『かなりショックが強いようで、、、よければ』
「ガッシュ本当は忙しいのに、、、」ランは、ガッシュを見上げて言った。

『あぁ厄介なのと付き合っているから忙しいぞ。だが彼のところなら他で出来ない事もできる。綺麗な輪と流れ星の夢でも見ながら、たまにはゆっくりとランと昼寝でもするかな』
「昼寝ですか?」

『ランは休暇で、俺は忙しいだけか?これは絶対にそっちにいる時は昼寝だろ。それに飽きたら思いっきり遊ぼうか。リゲルがウズウズして俺もやるって戻って来る位にな』
ランは少し笑顔になると、ガッシュは片眉をあげてニッと微笑むと、ランの頭に手をやってくしゃくしゃとした。
『決まりだ。いいな』

『ガッシュありがとう。よろしく頼む』
『とんでない。私こそ、、、』

『彼女にこっちの状況を伝えました。分かってくれてリゲルを暫く預かると、ランが落ち着いてきたらリゲルに会いにいくつもりです。貴方は、、、』
『その事は後で。ガッシュ、ボスに我々がいなのも訓練になるだろうと伝えて欲しい』
『分かりました』


uchu















<遥かなる時の流れ、一瞬を生きるものとしてここに>97

  • 2008/05/17(土) 22:05:55

<遥かなる時の流れ、一瞬を生きるものとしてここに>97



シティのメイン・コントロールルームでは、数年前から少しずつ変化をしている、ある恒星が不安定な時期に入った事を知らせていた。
この恒星系には原始生命体の存在が確認されるのみであったが、近い恒星ルシター系に文明があった。
数千・万年後の影響、、、、不安定な恒星から発する、放射能・紫外線・ETC.極端な変動をするようになるまでには時間がある。しかし間違えなくジワジワと文明を冒し始めることは明白だった。
被害が確実に現れ文明が滅びるか、それ以前に何か他の理由で、恒星ルシターが育てた文明の崩壊が来るかは不明だ。

全宇宙単位で見た時に文明の数の多いこの小宇宙では繰り返されて来た事であった。
ブラックホール。
銀河同士の衝突。
恒星の終焉の時。
惑星の崩壊を起すような彗星の衝突。
小さな流れ星によってもたらされた極悪の生命体による絶滅。
そのほか病原菌による死滅。
文明の暴走による破壊。
数百年、数千年以上にわたって平和を維持する事の方が希な事であったが、破壊、消滅を免れた星々も数多くある。
しかし残念ながら全てではない。

気の遠くなる時の流れの中で、彼やガッシュのようなもの達も意味があって存在していた。


ガッシュは遥かな時を見ていた。
今またここにも、大切な、、、自分は一部でもあった。
思いの全てをかけて関わった時もあった。
愛する者達を遠くから、失意の中で見つめる時もあった。
あらゆる経験は今また新しく歴史を作りはじめたのであった。

あれから、必ずノルドの部屋とランの部屋を行き来している。
昨夜は一晩、ノルドに話し掛けていた。

『おい、ノルド。個性が強いのが二人残ったがなんか気が抜けて俺は大人しくなったといわれるし、
ベガは優しくなったと言われている、、、、、。
ベテルやアルデとも、お付き合いはしているが、彼らになんか元気ないようですねと言われちゃ、俺もやきが入ったよな。でも何も焦る事はない。俺の時間から見れば一瞬の瞬きにもみたないような時間なのに、、、、ノルド、いい加減に起きてこないかぁ?リゲルに、だいぶお付き合いをしただろう?開放してくれないのかな、、、リゲル寂しがるか、、、。俺もリゲルのところへ行きたいんだが、ランがいるからな。そうだ、俺達の後輩に会ってきた。はじめは皆固まっていた、当たり前だな。どこが同じ星の出身だってさ?まぁ、いろいろと事情があったんだとだけ言って置いた。違うものは違うとはっきり意思表示をして来た奴がいて、そのとおり!と笑った。それでいいよな。
俺の国に親友がいるって奴いたよ、今まで良く黙っていたよな。詳しくは教えてくれなかったらしいが、、、今の俺の事は、誰も知らない。まだ知らせる時期ではないと思うと言って置いた』
ガッシュは少し間を置いて、いろいろな事をノルドに話し掛けているうちに朝を迎えた。

『ガッシュおはよう、、、どうだ?』
遥か遠く何処かの宇宙から久しぶりに彼がコンタクトしてきた。

『!、、エネルギーの使い方忘れたかもしれません』
『力を借りたい。手伝ってもらえるか?』
『手伝える事があるのなら是非!このまま固まってしまいそうでした』
『ガッシュらしくないな』
『、、、もう十分長かったから、そうかもしれません』
『お互いに。しかし常にさらに、、、だ』
人としての部分で彼が苦笑いをしているとガッシュには感じた。

ガッシュはベガに仕事で外へ行く事を伝えた。
『ベガおはよう。彼から呼び出しだ、よろしく頼む』
『おはよう。分ったわ。気をつけて!男達は出て行くわけなのね。早く戻ってきてくだされば良いことです』

その日の夜中には、ガッシュがシティのプライベートルームに戻って来た。
『ガッシュ早かったのね、お帰りなさい。ノルドもランも大人しく休んでいたわよ。顔を見にこないなんて貴方大丈夫なの?』
ベガが心配してコンタクトを取ってきた。

『あぁ、ちょっとハードだったが少し休めば元通りだ。ありがとうベガ。朝まで良いかな?』
『ええ、こちらは問題ないけれど、ベテルはきっとガッシュの事を気にしているわ』
『今は寝る。ともかく眠いお休み』
『お休みなさい』

次の朝ガッシュが目覚めた時、ベテルが美しい大きな目の長い睫毛をパサパサさせながら、驚いた顔でガッシュを見ていた。
『!、、、ベテル、いたのか?!これは悪かった。驚いただろう。俺達には気を付けないと、、、昨日はかなりだったからな。まだ緊急事態からスイッチが切り替わってなかったか』

一瞬ベテルは言葉が出なかったが状況が分かって安心したようにいった。
『、、、!おはようございます。咄嗟に、ガードを思いっきりしたら、バリバリといったので、驚いてしまって』
『ふふっ!自分に驚いたのか。大丈夫?』
『いいえ、ガッシュこそ大変に疲れていたようで、ともかく横にいさせてもらおうと思ったのです』
『一晩つき合わせて挙句に驚かしたか、酷いな。しかしベテルたいしたもんだ。君はもとがかなり高いね。あの星ではリゲルの次くらいなのかな?』
『リゲルの次って、遥かに遠すぎてまるで話しになりません。アルデがもっと上かと思います。それに他にも隠れた能力を持つ者は多くいると思います』
『ほ〜っ、凄いな。、、ん、ノルドか』
『はい、先ほどから少しずつ覚醒の方向に向かっているようです』
『そうか!行くよ。ノルドのところへ』
『でも、、、』
『ノルドのところでゆっくりするよ』
『分りました』

NO.0のノルドの所へガッシュとベテルが現われた。
ドクター・ボォンとドクター・キランが来ていた。
「おはようございます。ガッシュもういいのですか?」
『おはよう、ノルドを待ってここにいるさ。どう?』
ガッシュはモニターを見た。
『ふ〜ん、まだかな』と言ったきり、声をかける事もなくジッと見つめていた。

ベガがいくつかの飲み物と簡単な朝食を用意して入ってきた。
「ガッシュおはよう。どうゆっくり休めた?そこのソファーにでもどうぞ」

ボォンが”もう少し時間がかかりそうですからどうぞ食事を”と言った。
ベテルはガッシュのソファーの横の床に座り、ベガはテーブルを挟んでその前にボォンとキランがそれぞれイスについた。
「あら、これもめずらしい朝食風景ね」
「ガッシュは何か口にしないのですか?」ベテルが気にしてガッシュに聞いた。

するとガッシュが専用ドリンクのボトルを持つとウィンクをして
『ベガが強制的に高濃度栄養ドリンク飲めってもってきているよ。これ不味いんだ』
「他に何も?」
『いや食う時は食うよ。ボォンやキランは知っている』
「そうですか。、、、」

「ガッシュ、ランやノルドを心配してくれるのは有難い事ですが、貴方もその大きな身体を、維持するには栄養を取る必要がありますよ」
『確かに。でもしっかり保管庫ものが、ガンガン減っているのは我々だと、管理メンバーは知っているさ。それよりベテル君達だとすごいだろ。後でちゃんと食えよ』

「リゲルと大食い競争しようと約束してあるんです。シティが大変な事になるなと言って」
『それは間違えなく大変だ。ランも入れたら凄いぜあいつ』
「ランはまだ小さくて細いですよ」
『奴は信じられない大食いだ。どうもみんな脳が食っているらしい。ちょっとランを見てくるよ』
「ガッシュ、はい!不味いのどうぞ」
『分ったって、ベガ』
ガッシュは手にとってそのまま吸収した。
「口にしないで、まあいいでしょう」
ガッシュはランのNO.0の中の部屋に行った。

ランも静かに寝ていた。
ガッシュはランの頭に触れて話しかけた。
『ラン、彼が良く来てくれているだろう。寂しくないな。ガンガン鍛えてやる約束が先に延びたな。リゲルが戻ってくれない事には君も起きてこないか、でも見に来るからな心配するな』ガッシュはそう言って消えた。

ベガもボォンもガッシュがすぐに戻ると思っていたが、ガッシュから
『皆冬眠中だな。ランとノルドをちゃんと見舞いに行くから心配要らない』
と言ってガッシュはシティから消えた。

98 ガッシュ彼女の銀河にいるリゲルに会いに行く

  • 2008/05/18(日) 21:47:37

<遥かなる時の流れ、一瞬を生きるものとしてここに>98


『おぉ〜生命に満ち溢れた銀河だな、こりゃ』

宇宙に存在する人という種の中で、頂点に立つと彼が言った”彼女”の銀河の外周へ、やってきていた。

『ガッシュです。リゲルの顔を見たくて来ました』ガッシュは彼女が応えてくれると信じていた。
するとすぐに返事があった。
『ガッシュようこそ、よく来てくれました。少しお疲れですか?』
『はぁ、しかしここの溢れる生命力は、私にとって大変有効なものです』
『良かった。さぁ、ここへ』


大きな惑星2の他に中型惑星2つに文明があり、歴史ある恒星系であった。
彼女のいる惑星”宙の海”にリゲルがいる。
この惑星の4分の3が海で、3つの大陸とマリンブルーとエメラルドグリーンに囲まれた美しい大小の島々が点在している。

ガッシュが”ここへ”と呼ばれた場所は、どうやら初夏のようで、山の斜面に麓まで続く花畑、
森は生き生きとした緑の山々に連なっていた。
中腹よりやや高い位置にある森の中に城のほとんどが隠れて、麓の村からは城の一部が見える。

ガッシュが通されたところで数人が迎えてくれた。

ガッシュは片足を引いて右手を胸に挨拶をした。
『ガッシュと申します。快く受け入れていただき、ありがとうございます』

「遠い所をようこそガッシュ。本当に美しい光で包まれた素晴らしいパワーの方ですね。リゲルは最初外に浮ぶメディカル・センターにいたのです」
『お世話になっております。皆さんには、ご迷惑をおかけして大変申し訳ございません。立派な造りの歴史ある城に驚きました』

充実したパワーを感じさせる凛々しい紳士が言った。
「歴代の別荘として使われていましたが、現在は私と妃の自宅とでもいいましょうか。彼女は私の妻であり王妃です。この銀河の宝のような存在でもあります」
『大変失礼いたしました星王陛下、、、驚きました彼女は人として結婚をされていたのですね』ガッシュは改めてお辞儀をした。

王はにこやかに笑いながら
「堅苦しい挨拶はもういりませんガッシュ。妃は隣の惑星”和”に他の世界から来て、この星系そして銀河の為に、宇宙空間にあれだけの宇宙連合のシステム構築に力を注ぎ、和星王家に王女として迎えられ、後にシステムで仕事をしていた私と結婚をしたのです」
『一つの星の王が、仕事を外に持っていらしてですか。素晴らしい』

『一度、弟に正式に譲ったのですが、形だけでも王に戻れと、、今は本当に形だけです。実務は全て弟がしています。さぁ。ここです』星王はこの話はテレパシーで伝えて笑っていた。

重厚な彫刻の施された巨大な扉が、開くと同時に3重の扉が開いた。
中は最新式な設備である事がわかる天井の高さ15mはある大広間のような部屋だった。

『リゲルが待っています』と彼女からだった。
『外の環境から保護されていると言うか、強固に隔離されていると言う感じでしょうか』
『意識状態が不安定な時は、深遠の宇宙空間、もしくはメディカル・センターの一部が切り離され、銀河の外に移動する場合が殆どです。リゲルは、それほど危険ではありませんか?』

『いえ、それは。しかしここは窓から城の外とも見え、自由に風も光も出入りできそうで、とても気持ち良い環境ですね』
『そう言っていただけると、嬉しいですわ。どうぞ』

数歩進むと突然目の前に、大きな半透明で光を通す大きな扉が開いた。
ここの人達から見れば、あまりに巨大なベッドに横たわる巨人だった。
リゲルの周りを淡いエネルギーの光が取り囲んでいる事が分かる。

『リゲル!!』
間違えなくリゲルだったが、受ける雰囲気がまるで違う、その後の言葉がでなかった。
急激に痩せた、、、、肌の色はやや青白い。モニターではなく、じかに胸に触れて確認したい思いに駆られた。

ガッシュは、そっと指先でリゲルの肩に触れた。
『リゲル、遅くなったが会いにきたよ。分かるか?ガッシュだ』そのままガッシュは黙ってリゲルを見ていた。

『リゲル、ガッシュが貴方に会いに、わざわざ遥か宇宙を幾つも越えて、ここまで来てくれましたよ。リゲル』

『リゲル、君を護れなかったな、すまない、、、、今このまま連れて帰りたい、、、、、。リゲル、まだまだなのか?俺少し変なんだ、こんなに時間の経つのが長く感じた事はない。たぶんリゲルのせいだぞ。このまま固まるかと思っていたら、彼にそんな暇はないと引っ張り出されたよ、やることは山積みだものな。リゲルの断わった俺のも、人々を助ける役に立ったよ。。』

「ガッシュ、貴方はなんて人間らしい感情を、そのまま出す方なんだろう」王は驚いたように言った。
『皆さんの前で愚痴ってしまいましたね。リゲルとは、いつもガンガン言いあうのが楽しみでした』

『ガッシュ、リゲルに変化が、、、起きてきますよ。まさに愛の告白のようでしたもの、素晴らしい!』
彼女は嬉しそうにガッシュに伝えてきた。

<遥かなる時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに>99

  • 2008/05/19(月) 00:00:07

<遥かなる時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに>99


リゲルの長い睫が揺れて、宝石のような美しい緑の目が開いた。
『、、、、ガ』
『!リゲル?!リゲル分かるか?馬鹿やろう脅すなよ!大丈夫か?リゲル』
『ガッシュ落ち着いて!』
『あっ、はい、、、リゲル待たせたな。やっと会いにきたよ』

『ガッシュ、ありがとう、、、馬鹿やろう、、、何度も聞かされた、、、、』
『そうだな、いつもリゲルに話し掛けると、必ず言っていたかな。皆心配して、、、なんでこんなに痩せ、、、寂しかったぞ。やっぱりお前が馬鹿だからだ!』
『俺、、?』
『ん?ここは彼女の城だ。王妃様の御宅に居候している。彼女がリゲルをキャッチして救ってくれたんだよ。もう少し時間が必要か?一緒に帰りたいが』

『一緒に、、、帰る、、、』
『、、、もう少し、時間が必要かな、、、無理しなくて良い、、っ』
ガッシュは指先を離すと光の高度を上げた。その頬に涙が伝っていた。

ガッシュは暫くジッとリゲルを見つめて、柔らかに自分の光で包み込んでいた。
『、、、会いに?ありがとう』
『!リゲル?ん』
『ガッシュは、来れたんだな』リゲルはガッシュに手を出した。
ガッシュは頷きながら、その大きな手を握った。
『そりゃそうだ。俺はなんとしてもリゲルを見つけ出すと皆に誓ったからな。遅くなったな。彼女といると分かった時点で、すぐにでも彼女を追ってここまで来たかったが、待たせたな』

彼女のテレパシーが、ガッシュのパワーに触れて煌きながら降ってくるように感じた。
『リゲルやっとお目覚めね。ガッシュ凄いわ、本当に恋人同士のようでリゲル幸せねぇ。もう、すぐにでも貴方を連れて帰りたくて、我慢しているのね。リゲル、まるでシティは静かになってしまっているわよ。今、その寂しさに耐えて一人シティを護っているのはベガです。ガッシュが来てからベガに伝えているのよ。リゲルの事を喜んで今大泣きして困ってます』

『ガッシュが恋人?あ、、、ガッシュはすべての生命が恋人なんです』
『そうね』
『助けてくれたのですね。ありがとうございました、、、どうしたら、、、、』
『ん、リゲル無理するな。こちらにはご迷惑をかけるが俺達はもう少し我慢するよ』
『我慢?』
『いや、お前が寂しがっているだろうと思っていたんだが、寂しがっているのはリゲルの世界の人々だ。何だか参っているよ皆』
『なんで俺一人に?寂しがり屋のガッシュの思いが伝染しているんだろう』
『いいや、皆がそうだ。だからいても立ってもいられなくて、リゲルに会いにきた。そう、君の後輩達は言いつけどおりに立派に働いてくれている。リゲルはしっかり育てていたんだな。その彼らさえも口数が減ってきたよ』

『、、、ノルドは?』
『もう少しで戻ると言うところで、ボォン達にお願いして、こっちへ来てしまった』
『戻るって?』
『リゲルと一緒にいるだろノルドは。意識がずっとなかった』
『、、、そうか。ノルドを開放してあげたい、、、俺と一緒に生きる必要なんかないんだ。ランは?』
『ランも寝ている。俺も暫くは寝たり起きたりしていようかと思ったよ。まるで集団で冬眠だが、彼は一人で、出来うる限りの事をしてくれている』
『、、シティで何があったんだ』

『いや、リゲルと言う、どうしようもなく人を引きつける奴が突然いなくなって、情けないガッシュは、とんでもなく強いベガに思いっきり殴られた。しかしこれはありがたかった。
ベテルは私達に出来る事は!?と叫ぶし、彼もちょっと大変だったし、ランの気持ちはわかるだろう?ようは大変だったんだよ。リゲルが突然消えると言う事は』
『彼が、、』
『その時点で意識がないのか?ん、でも大丈夫だ。何度もリゲルの心に呼びかけてくれているだろう』
『ずっといる、、、』
『そうだったな』
『良かった、リゲル、雰囲気が少し戻って来たな。お前なぁ、俺でもマジ寿命が縮むって』
『本当に?どのくらい?』
『いや、わからんが、たぶん百年単位かな。まっ一瞬だ。がはは!』

『百年単位が一瞬?ガッシュは』彼女は改めて驚いたようだった。
『本来別世界の生命体です。今はどちらともつかない、中途半端な姿ですが』

部屋中に温かい柔らかな力が充満して来た。
『こんなにリゲルが戻るとは驚きです。それもよい形で、、、貴方は不思議な方ですね』
『とんでもないです。ふ〜っ、、、リゲル、彼女の有り得んほど純粋な生命エネルギーのハイパワーは、本当に気持ちいいなぁ、独り占めか?いいなぁ』
『ん、気持ち良い』
『ガッシュ、一度にではリゲルも疲れます。貴方も少し休んで』

『はい、ありがとうございます。できることなら、貴女にお会いする事は許されないのでしょうか?』

「今は隣りで休んでいるので、どうでしょうか、、、、、どうぞ良いそうです。ご一緒しましょう」
王が言うとリゲルの部屋の右となりの大きな扉が開き、その先の重バリア構造のような3重の扉が音もなく開いた。彼女はこちらを見ていた。

『ガッシュ、本当によく来てくれました。突然ですが一つお願いがあるのです。今はシティのこともありますから、時間が取れないと思いますが、いつか是非暫く時間を取って、ここで未来の為に貴方に教育をして頂きたいのです』

『、、、私がですか?皆さん優秀ではないですか!もう立派に機能しすでに歴史を刻んでいます。貴女がいらっしゃるのに私が何を?』ガッシュはすぐに返事が出きなかった。

『すでに私が顔を出さなくなって随分たちます。、一度もあった事がない人たちがそれぞれの場所で、指導者として育っていっています。この世界の皆さんのおかげだと感謝していますが、さらに開かれたものとして、人を愛するがゆえに、別な世界から来た貴方に触れてもらいたいのです。私もここの者では、ありませんが出身は”人”ですから』

『分かりました。是非そうさせて頂きます。私からもお願いがあります。お役に立てるとは思いませんが、お会いできた事とリゲルを助けていただいた事に対する個人的なお礼をさせてください』

『私にですか?ガッシュ、それは一度断わりましたよ』
『わかっています。でもこのまま帰ることなど出来なせん』

彼女は自分の夫である王の顔を見て微笑んでいた。
王はガッシュに言った。
「ありがとうございます。しかしガッシュも今は少し疲れを感じますから、休んでからではどうでしょう」

『今、この夢のような時を逃すわけには行きません。その後で少しリゲルの横で休ませて頂ければ、ありがたいです。我々は頑固ですね。すみません』
ガッシュは二人を交互に見て強い意志をもって伝えた。

『ふふふっ、ガッシュはこういう人のようですね』
『なるほど、是非この世界の為に来て貰いたいと言う意味がわかったよ。このままでは一歩も引き下がらない覚悟ですね。ガッシュ』

『お役に立てるかどうか分かりませんが、悪くするものではない事は確かです。元は同じものですから』
『ガッシュがとても美味しかったら?』
『あ?どうぞお気に召すままに綺麗に無くなれば、私もリフレッシュされます』
こうして会話する中でガッシュの周りの光が美しく変化し、元気を取り戻していくのがわかる。

『ガッシュ、美味しいとか、綺麗に無くなればって、怖い話をしているように聞えるよ』リゲルが言った。
『リフレッシュする話さ。そこで感じていればわかる』

彼女はいかにも可笑しいというように笑った。
『ふふっ!それではまるでお古を頂くようです』
『失言でした!すみません。ではフレッシュなというものおかしい、、ですね。この世界は溢れかえっている、、!私のような別な世界のものが入ってきては、まずくありませんか?』
ガッシュは突然、以前に彼女が言った事を思い出した。

『あり得ないでしょう?だって疲れているにも関わらず、パワーを分けることが嬉しくて、どんどん回復する生命体は私も知りません。貴方に恐れをなして近づく事は無いでしょう。断わられて悲しむ貴方がよくわかりました』
『、、、あまりに久しぶりで嬉しくて、、、では少し』
『そう、願います』

<遥かなる時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに>100

  • 2008/05/19(月) 22:00:42

<遥かなる時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに>100

ガッシュは無限の光彩を煌めかせながら、光り輝きだした。
ガッシュから飛び出していく光や、逆に限りなくガッシュに吸い込まれていく光が目まぐるしく動いていた、、、一瞬そのすべてが止まった。次の瞬間柔らかな色合いに変化しながら彼女を包み込んで広がっていった。その光はこの星を包みさらに周辺の星々も、そしてこの銀河全体へも広がるようだった。

ガッシュが感じる中に、リゲルも彼女も、その世界もガッシュの大切な人々も全てが含まれていた。喜びで生命が震えている。感動が滞っているものを揺り動かしていくようだった。スーッとガッシュは元の光に戻って、彼女に礼を述べた。

『ありがとうございました。貴方の世界に触れさせていただいて、本当に感動してしまいました。私は貴方に理解していただき、逆に癒して頂くことになってしまいました』

「ガッシュ貴方はなんと美しい生命体でしょうか!本当に感動しました。素晴らしい経験をさせてもらい、ありがとう。妃はどうかな?」と王は彼女に聞いた。

『ガッシュの生命力はとてもエネルギッシュでありながら、基本となるものと感じました。私達が触れ合うと、こんな事になるとは思いの外でした。この銀河を越え、リゲルたちの世界はもちろんですから、きっとガッシュの世界までもですね。そこまでは私も守備範囲を広げませんよ。ふふっ、久しぶりにとても気分が良くなりました。そう、リフレッシュできました』

『リフレッシュですか、、、私は、美味しかったでしょうか?はははっ』
『えぇとても。大変いい事を教えていただ来ました』
彼女はガッシュに手を出して握手を求めた。

『触れても大丈夫ですか?』
『そうですね。私の中ですでに処理済みです』
『ハァ、私は感動で痺れたようになったのに、、、』
と言いながら、ガッシュは彼女の手を握ると
『ありがとうございました』と二人同時に言った。
部屋には暖かい笑いが起こった。

『ガッシュ、凄かったな』
『リゲル強烈だったろう!俺、リゲル以外にもうひとつ永遠に忘れない、最高の宝物を貰ったぜ』

『俺はガッシュの宝物か?その割には扱い荒いな。でも今のは確かに銀河を揺り動かしただろうな。気持ちよかったぁ〜』
その瞬間、ふわっとリゲル独特のやたらに気持ち良いパワーが広がった。

『!リゲル一気にパワーが、、ふわぁ〜、、』
『リゲル、それでは外に影響し、、なんと気持ち良いパワーでしょう』
「な、、、」
王と側近はそのまま言葉もない状態で、リゲルを見ていた。

『あ!?すみません』
『ふふっまだ少し寝ぼけている?不思議ね、彼と近いものを感じる、、それでは皆がしばしフリーズしてしまうわ』
彼女はリゲルのところへガッシュをやった。


『リゲル、寝ボケてとんでもないパワーを開放してるんじゃない!もう少し寝せておくぞ!』
ガッシュは怒ったように言ったが、目は優しくリゲルを見ていた。
『ん、悪かった。もう少し寝ているよ』と申し訳なさそうに、輝く大きな緑の瞳で見あげた。

『マジかよぉ〜、まだ寝るのか?あ〜その瞳、本当に綺麗だなぁ、、、、俺、何だか幸せで泣けて来た』
『何んだよ、ガッシュこそ寝せてもらったら?』
『勿体無くて寝られるか!俺はやたらに長いんだぞ、この一瞬を永遠に宝物として伝えていくんだ。宇宙それ自体の無限に溢れるエネルギーだ。彼女の素晴らしいパワーと、リゲルの涙が出るほどに綺麗な目とやたらに気持ち良いパワーに触れて、寝てられるか』
『あぁ〜あ、わかった。そう興奮するなって、、、』

「リゲル、私もガッシュの気持ちがわかりますよ。本当に美しく緑に輝いているのですね。宇宙の宝物に値します。とんでもなく強いパワーなのに圧迫する物ではなくて、愛情たっぷりな温かい思いに包まれたようで、なんとも気持ち良いパワーには驚きました。リゲルの人柄そのものなのね」
王が彼女と一緒に、笑いながら入ってきた。

ガッシュは驚いて『大丈夫なのですか?』と言った。
「まぁ、貴方がしてくれた事ではないのですか?」
『、、よかった。嬉しすぎて、、、』

「はははっ!妃と一緒では、かなりなはずです。ガッシュそこで休んでください」
と王が言うと、ソファーをリゲルの横に移動させた。

『俺、いや私は寝てなんかいられません』ガッシュが立ち上がろうとすると、
「妃とあんな触れ合い方をして、普通でいられるものはいません。ガッシュ意識があるだけでも、どれほどの人なのかと驚きました。良いからそこに」

「王がそこにと言いましたから、良いと言われるまで起きてはいけません。それとももう少し強制的に休んでいただくほうが良いですか?」
『分かりました。お言葉に甘えてそうさせて頂きます』

「ねぇリゲル、思いのほか早く覚醒しましたね。あぁ本当に見とれるほど綺麗、、、これからも貴方の魅力は、あらゆる生き物達を引き付けて放さないわね。
だからリゲルは、たとえ別な世界へ行ったとしても、いつも皆から、リゲルがいなくてはと言われ続けるのよ。諦めなさい」

リゲルは長い睫をパサパサさせて彼女を見た。
『諦めなさい?』
「そう、皆が貴方と関わりたくて、、、、だから何でもかんでも、断わってはいけません。たまには思い切り、皆の心にゆだねなさい。私もリゲルにそう言いたくて、一度断わっていたのですがガッシュの申し出を受けたのです。この選択は私の役に立ちましたよ」

『はぁ、俺の性格変わるかな?』
「まぁ性格?変わったら貴方らしくないではありませんか!我慢するのです。良いですね。彼らが苦しくなるほど断わる事は許しません。リゲルや私には、想像も出来ない時間を生きていくのです。大切な者達の為に、少しでも自分の力が役に立てばこそ存在意義があると感じ、そこに幸福感があり、遥かな時を生きていく、力と勇気になるのではないでしょうか?
ガッシュが命が縮まったと感じたと言っていましたね。いいですかリゲル、よく覚えて置くべきですよ。
ランや他の皆も、貴方を待っています。大切な人たちと共に、貴方たちの世界の未来をより良い物にしていくために、いらない物は捨てていくのね」

『、、、思い出してきました、、、ガッシュ』

リゲルはベッドから下り、ガッシュの前で床に座り顔を近づけた。
『ガッシュ、本当にありがとう。心配かけてすまん!』
リゲルの美しい目は僅かに色を変えて、ガッシュを見ている。
『今、こうしている事が幸せだ。、、リゲル、フォローはいいぞ!器から溢れて伸びているのに、これ以上勘弁してくれよ』
『器が小さいわけ無いだろ、、、わかった、、、!彼が来るよ』

『リゲルがとても派手なパワーで目覚めたのですから、どこにいても気がつきますよ』
『すみませんでした。まだ高い、、、ですね』リゲルは長い睫をパサパサさせて彼女を見ている。

『えぇ、周りに影響しないように私が楽しんでます。早く気付きなさい。自分の状態と影響の判断が的確に、できるようにならないと、ここから出るわけにもいかないでしょう』
彼女の優しい微笑みは、リゲルの巨体と心を温かくした。