<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに> 71

  • 2008/04/04(金) 15:57:57

<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに> 71


リゲルは、アルデに頼み事をした。
『アルデ、頼みたい事がある。俺がベテルの側にいたいのだがドクターに止めら
れた。後でまた行くつもりだけど、ベテルに付いていてもらえないだろうか?
彼は覚悟して来ていたんだ。目がさめた時、星の者として側にいてやりたいのに
な、ベテルが元気になるまで少しフォローしているつもりだ』
『わかりました』
リゲルはそのまま眠る事にした。

彼はランを、リゲルの部屋に呼び出し、戻るまで離れないように伝えた。
ノルドが様子を見に来て、ため息をつく。
「リゲルは本当に繊細な奴なんだな、自分の星のメンバーと、自分と過去全てを
重ね合わせてしまっているのかも知れないな。何か出来ないのか、医者泣かせ
な奴だ」
こんな時のランのブルーの目は、哀しそうな色に見える。
「リゲルが”もう良い、参った”と彼のフォローを強いと言って断わったそうです」
「、、、リゲルの中で、何が起っているんだ?彼のパワーを拒否するなんて」

『、、、、ん?』リゲルだった。
「起したか、、、どうだ?」
『猛烈に眠い、、、、ベテルはどう?』
「大丈夫、心配要らないよ。アルデが側にいてくれているし、ガッシュも来てくれて
いる」ノルドがリゲルの顔色を見ながら知らせた。

『、、、ガッシュ?、、』
「君の事を心配して、俺のところに毎日必ず、”リゲルは?゛と、ガッシュの心が
やってくるのが分かる。リゲルにうるさがられないように、心配性の兄貴だ」
『俺のところに来てない、、、』
「わかった。戻ったら、ここに来るように伝えておくが、何か出来る事ないのか?」
『ノルドが必要だと思えば適当に点滴でも今の内なら』
「今の内って?」
『眠い、、、ベテルの所に行きたいのに』
ノルドは急いでパネルに触れて指示をした。

『こんなに?いらない物は、、、、いいか』
「あぁ。ベテルの事は心配しないで目覚める前に、皆を呼ぶからな。
!ガッシュが来た」
『リゲル寝ているところ出入りしてすまんな。ノルド、センターへ送ってやる』
ガッシュがノルドを、センターのNO.0に送った。

戻ってくるとガッシュは、リゲルに静かに話しかけた。
『無理やり起されてから、かつてないハードな毎日だったからな。寝ててくれ』
『ん、、、。ランとベテル達を、よろしく、、、』
『ランもか?、、、わかった』
ランは、静かに立ち上がってガッシュに頭を下げた。
『ランもういいよ。少し休んで。誰も俺にフォローするな』
リゲルはまた眠りについた。


ランは、彼が戻るまで予定を変更しリゲルについていた。
もちろんガッシュがシティの事はいろいろと手を打って、仕事が終ればリゲルの
ところへ来ていた。
『ガッシュ、お世話になっています。でも相変らず、全体会議等には出ていただけ
ないのですね』
『それは皆の仕事だ。さぁ、ラン代わるからそこで休んで』
『いつも、ありがとうございます。今、彼が戻って来ます』
シティ全体に彼が戻ってきたのがわかった。

リゲルの部屋に彼が入ってくると、部屋の感覚自体が変化したように感じる。
『ラン、ご苦労さま。ガッシュもありがとう。やはり過激すぎたようだ』

彼は横に行きリゲルをジッと見つめて、ほんの一瞬彼のパワーでリゲルを包みこ
んだ。ランもガッシュも、その瞬間フワッと目が回ったように感じた。
『、、、』
『大丈夫だね。外から来ると、柔らかにリゲルのパワーがシティ全体に感じる』

『ベガが来て、腕輪をはずして、あそこに置いてあります』
『ん』
『ベガが”側に置いておくだけで良いと感じるんです”と言って、直接触れないよう
にしています』
『そう。今は、皆を呼んでも、セーブしてコントロールできるよ』

『わかりました』ランがフッと消え、暫くするとリゲルの後輩のアルデとベテルを
連れて来た。

ランから情報を受けて、顔色を変えて緊張していた。
そして彼に直接会うのは初めてだった。

『リゲルの後輩に会えて嬉しい。ランから、リゲルの事は聞いてくれたね。
君達、リゲルのフォローが、まだ続いているのを知っていたか?』
『ずっと絶え間なくですか?』アルデが驚いていった。
『そう、弱く柔らかにだけれども、外から来ると良くわかる。シティ全体からリゲル
を感じる』

ベテルが彼に思いを伝えた。
『先ほどは、私の状態を診ていただきありがとうございました。私はリゲルに
初めて会った時から、ずっと彼の中にいるように感じていました。それにアルデ
から、リゲルが私が元気になるまで、フォローすると言ってくれていたのを聞いて
ます。もうドクターから完全に治っている。後は少しリハビリのつもりで、ゆっくり
行きなさいと言われています。リゲルに伝えたいのですが、起さないようにと
言われて、、、』

「くくくっ」彼が笑っている。
『リゲルに今の君の言葉を伝えた。喜んでいる。フォローは、もういいと言った』
「はい、今開放してくれました」
『開放か?!くくっ』
「リゲルに余分な事をするなといわれて、ずっと気持ちがいい状態のままで少し
困ってました」
『なるほど、リゲルだ』
『リゲルらしいな』ガッシュが光の中で、微笑んでいた。

『ベテルも、いろいろ出来るようだね。これからが楽しみだ。特に二人は焦らずに
ゆっくり行くんだよ。それからリゲルは見本にはならないよ』
「はい」
『ガッシュ、彼らはなかなか良いね。今度少しランと君で遊んでみたら、きっと
結構な線まで来るよ』
『ランかベガに、お願いしたいな』ガッシュが言うと
『あぁベガもいいかな。くくくっ』

「ベガ特別教官ですか、あの人と遊ぶのは怖そうです」
とアルデが言うとガッシュが笑っていた。
「ランは忙しい方ですが、是非一度お願いします」
「私は、ガッシュにお願いしたいな」

『俺と2人それともリトル・ログ星の後輩達6人か?何するつもりだ?自分達の
先輩の事をもっと調べておけよ。さすがに彼にと言うものはいなかったな。
彼が遊ぼうと言ったら、ともかく謝って逃げるが鉄則だぞ』

『ガッシュ酷いな、、、つまらない』彼が呟いた。
『つまんない!?あの時、俺も本当に死んだと思った!』
『ガッシュも?くくっ!私の空間を見せただけじゃないか』
『笑って!冗談じゃないです』
ガッシュの光が少し増し、彼らを支えているランに圧力がかかった。

『おっっと、ゴメン!』
「ガッシュと貴方だけで、何を笑っているんですか?皆に分からない話をしては
困ります!」
ランは、ガッシュに少しムッとしたように言った。

「教官の事は知ってますが、皆さんの事はシティの皆さんから、凄いと言う事で
少しは聞いてますが、笑って嬉しそうに、星や恒星系ごと吹っ飛ぶとか言うので
理解できません」
アルデはどういう事ですかと聞いた。

『嬉しそうに言う事か?それ見た事あるのか?と言ってやればよかったのに。
ここではまだ誰も実際にやった事は無いはずだが。ははっ!凄いってどのくらい
か、最強の星から来た君たちだから知りたいわけだ。今日はそれぞれの方法で、
我々の事を調べ、それからもう一度申し込んで来い』

『リゲルがうるさいと言い出す。そろそろ出てもらうよ。ラン、帰りもよろしく』
彼がランに言った。
『そうですね。でも帰りはシャトルで帰ってもらおうかと思ってます』
『くくっ!ランも随分怖くなったね』
『今の話を聞いていたら、リゲルの後輩なら、ちょっと経験させてあげてもと』
ランはニヤッと笑って、ベテルとアルデを見上げた。
ガッシュは片眉を上げ腕を組んで、ランを見下ろしている。

『まじかよ。なんだか彼に似てきたか?』
『本当ですか?ありがとうございます!シャトルの所までたどり着いたら、時間を
見つけて遊ぼう』
ガッシュは少し驚いたように注意した。
『おい、それは無理だろう。今ここの環境は一応ビック4対応だぜ、、、彼もいる』
『はい。ノルドに怒鳴られないようにです』と言って彼らと部屋を出て行った。

リゲルの部屋の扉が閉まって三人は歩きながら話をした。
『あの、、、シャトルの所は、すぐそこですか?』
『あそこまで、巨人の君たちではすぐだったね。ここは来た人たちに合わせるよ
うに設定が変更される。シティでは、常時コントロールを強いられて大変だろう。
ここなら自分達が過ごしやすいような状態に近くして大丈夫だ。今はガッシュと
彼が来ているから、設定の範囲を越えている。ここの中では私がガードしている
んだよ。でも少し経験すると、いいかもしれないね。心配しなくても私が送るから』

確かにここがシティとは違う状態なのは知っているが、すでに目の前まで歩いて
きてしまっていた。二人の巨人は、よくわからないと言う顔をしていた。
シャトルブースの入口まで、あと数歩という所で、ランは立ち止まった。

『ドクターの世話にならないようにね。じゃ、ガードを外すよ』

『ラン、ベテルとアルデはいきなり上がるぞ、、おっと!』ガッシュからだった。
彼とガッシュが、部屋で静かに笑っている。
『ラン、凄くいい反応するようになった。面白い、またランと遊ぶかな』
『そう、ランは面白いよ。くくっ!』

ランはブースの前で、少しフォローしていた。
『くくっ、シティヘ送るよ。リゲルを心配してくれてありがとう。時々まとめて休むん
だよ。心配要らない。ここまで来た者は一人もいない。もう少しだった、おしいな。
驚いた凄いね。ベテル、大丈夫?』
『はい。ふふっ!私もこんな事はじめてです。ぜひ遊んでもらえるように、鍛えて
みたいと思います。まだドキドキしていますが、もう大丈夫です。フォローありが
とうございます』

『パワーが凄すぎて、意識が飛ぶなんて、、、シティでお会いする時は、よほど
我々に合わせて下げていると言う事ですか?』

アルデは自分の半分以下の約170cmの少年ランを驚きの眼差しで見ていた。

『ん、圧迫感が少し強いのはガッシュ。心地いいのを通り越して意識が飛ぶのは
彼。シティに着くまでガードしているよ。貴方達が鍛えられるとちょっと凄いだろう
ね。はじめでは誰でも遠慮するしね。二人の潜在的な物は前にほぼ掴んでいた
が、まだまだ高くなって行くだろう。大いにこの世界の平和の為にその力を発揮
してください。アルデ戻ったら下げないと高すぎるよ』

『はい、ありがとうございました』









<遥かなる時の流れ、一瞬を生きるものとしてここに>72

  • 2008/04/04(金) 15:59:10

<遥かなる時の流れ、一瞬を生きるものとしてここに>72


巨大な虹の津波が押し寄せて飲み込まれ、光のプリズムの猛烈な流れは色を失い、
眩い光の束となって一点に、加速され吸い込まれていった。

少し気分が悪い、ランが微かにフォローをはじめた。
目の前に広がる光り輝く大銀河の美しさは、それだけで癒されるものを感じた。

これから目指す星々は、我々の到着を待っている。
シップに乗船していたのは、ラン、ベガ、ベテル、アルデの四人。

[到着予定空間に付きました。ガッシュからあと5分ほど、このまま待機してくださいと
ありました。この惑星の環境は、生存に適したものではないので十分に注意してください]

目の前から大銀河が消えたと同時に、数十もの大小の衛星を従え、
ガスに覆われた巨大な惑星が現われた。
彼等の乗ったシップは誘導されてガスの中に消えた。

暫くしてガスから抜けると、そこは恒星からの光ではない、別の光溢れる世界があった。

外の光はサングラスを通しても眩しいぐらいに感じる。それも目に眩しいと言うより、
シップの中にいてさえ、全身で光に圧迫感受ける。
その強い光は同時に意識が飛びそうに心地いい。
ふと、懐かしい別の柔らかい圧迫感に包まれた。

『お待たせ。大丈夫だったかな?とんでもない所まで来て貰ったね』ガッシュからだった。

「外は本当に別世界と言う感じですね。これからの行動の指示を待ってます」
ランはガッシュにいった。
ベガ、ベテル、アルデは自然に涙が出てきて困っている。

『少しの間、目は休ませておくと良い。それから君たちのガードは私がするが
自分たちでも状況は把握して置くように。ははっ!それにしても貴方のパワーが、
いくらなんでも少し下げてください』
ガッシュがラン達に話し掛けてから、彼に言った。

『ごめん、ここは気持ちいいんだ。くくくっ!遠い所をあっという間に来て貰って、ご苦労様』
彼のパワーがスーッと下がると光が穏やかになって、温かく柔らかに私達を包んで来た。

「あぁもう結構です!危なかったわ。いくらなんでも高すぎます」ベガが抗議した。
『ごめん、ベガ。リゲルが面白がるから、ノルドをガードしながらやったつもりだった
が、、、後で怒られるな』

「リゲルとコンタクト取れたんですか?よかった!でもノルドが意識失ったのでは、
リゲルについている意味がないじゃないですか。私が残ればよかった」
ランが呆れて言った。
『怒られた。ふふっ!リゲルと久しぶりだったから嬉しくて。すまなかったね』

ランが笑いながらベテルに伝えた。
『ノルドは大丈夫。怒っているよ』
『がははっ!ここに来てから、こんな感じで困っているんだ。彼はある意味、
ここの環境より危険だから、気をつけて』ガッシュはご機嫌に笑っていた。

アルデが呆れたようにガッシュに言った。
「ガッシュもかなりですね。皆、ハイになっては仕事にならないですよ」
するとガッシュが笑いながら、
『来てくれただけで十分だ。ここの皆が感動している、ありがとう。まだ高すぎるようなら
言ってくれ』

「わかりました。すでにこれは我慢しろという事ですね」ベテルが笑っている。
ガッシュは四人を見つめて、
『彼といると、どこまで行くんだか。悪かった。ベガ我慢している』
「先ほど言いましたし、ランがガードしてくれています!」
ベガはガッシュに強い口調で言った。

『ベガ、悪かったね。私がもう少し下げてガードしよう。このぐらいでいい?
ここの人々は皆高い。この後、挨拶に行くと大変だな。くくっ』

『貴方がそこまでしなくても良いです。私がガードしますから』ガッシュが彼に言った。

彼が膝を折ってベガの目の高さまでかがんで言った。
『私はもう十分だガッシュ。これからはベガ、君たちがお客様だ』と言うと、彼はベガの
額にスッと指先で触れた。

『あっ!、、、』ベガは初めて彼に触れられて、驚きのあまり次の言葉が出てこない。
『ここにいる間は、これで大丈夫。ベガ』彼が微笑んで見つめている。

「あ、、、ありがとうございます、、、」ベガは、彼の美しい微笑みに、
薄紫の瞳に涙を浮かべて、一言、礼を言うのがやっとだった。

『ベガ、やっぱり君は美しい。そして君の涙は本当にチャーミングだ。きっと皆が驚くだろう』
ガッシュが改めてベガを見つめて言った。

「本当にベガは美しい人だったのですね。本当に美しい」
アルデが言ったが、ベガの表情でまずい事を言ったと気がついた時には、
ベガから一言帰ってきた。
「いつもの私は、怖いばかりですものね、アルデ!」
「そんな事はないです、、、」と言いながら、アルデはガッシュを見るとガッシュが
口元にひとさし指を立てて見せた。

ランは少し心配そうに、ベガに触れた彼をみていたが、それに気がついた彼が
『しっかり下げた、ベガの心配はない。私がダメになって来たら、ランが代わって』
と笑っている。
『ダメになって来たらって、急激に下げすぎではないのですか?』
ランは彼の言葉に心配で尋ねた。
『だいたい周りが高い。適当に気持ち良いから』
『それでは分かりません』
『だから、もしもの時はランが代わってくれればいい』と言って、ニコニコしているのには、
ランも困ってしまった。

『さぁ、皆に紹介しよう。解るかな?元々の俺は、ここの同種というか親戚みたいなものだ。
はははっ!意味が解らないという顔だな。ここの皆から見れば、俺が変わり過ぎたんだ。
俺達はこの星を含む周辺の星と遥か大昔から交流を続けている』
とガッシュの光が増して、笑っていた。

ベテルが嬉しそうにアルデになにやら話し掛け、二人とも笑っている。
ベガがランに「解る?」と聞いてきた。
ランはベガの左腕の腕輪を指差して「意識をして」と言うと、
ベガは頷いて意識を集中させた。

同時に周りが揺らめいたように感じて少し驚いた。

彼女の周りに無数の光の子達がいた。
ベガを見て美しい綺麗と、揺らめきながら見つめている。
ベガも光の子達のしぐさがあまりに可愛いので、思わず手を出して触れようとしたが、
スーッと皆がよけて綺麗な琥珀色の瞳が笑っている。
彼女は手を出したままで待ってみた。
すると小さな光が後ろからスーッとやって来てベガの手に触れた。

『とても美しい。不思議、嬉しい』と心に伝わって来た。
そして
『何?美しい大宇宙見ている、感じる』と言い手から離れ、
その光の子は一瞬だけ皆を包み込むような輝きになって元に戻った。
周りは、そのことによって一斉に輝きだし、ベガの側へ物凄い勢いでかわるがわる
寄っては離れていった。

彼がベガに『腕輪を通して彼女の事が解ったんだ。大変な喜びようだね。
ベガに来て貰ってよかった』
『素晴らしい命に会えて嬉しい。ベガ、彼女からだよ』ガッシュがベガに伝えてきた。
『えぇ私にもわかったわ。ありがとうガッシュ』

すると今度は、ガッシュの周りに皆が寄ってきて
『ガッシュ、美しい大宇宙?、、感じる』とガッシュの中に一斉に飛び込んでいった。
『!くすぐったい。感覚がもう違うんだって言ってあるだろう!ふっははは!俺は、
違ってしまったんだよ。!!勘弁して、、、』
光の子達はガッシュの変化に、慌てて彼から飛び出たり、周りによって来たりしている。

『美しい大宇宙、嬉しい、ありがとう。、、ガッシュ、違う解った。苦しい?』
『ん、大丈夫。もうやめて、、、』ガッシュは肩で呼吸していた。

ベテルの柔らかい心がフワッとガッシュに触れて来た。
『ありがとう、ベテル。多すぎて苦しくなった』

ガッシュは困った顔で、無理に笑いながら、呼吸を整えていた。
「ガッシュは、くすぐられるのが苦手なんですか?。はははっ!」
『苦手も何も、数億が一斉に触れてきたんだぜ。アルデ耐えられるのかよ?』
ガッシュが参ったという顔で笑っている。
『えっ!そんなに?』
『そう』
ガッシュが落ち着いて来たのが解って、光の子達は今度は彼の周りに寄ってきた。
『どうしたの?違う』
『いいんだよ。友達を連れて来たが彼らの為にこうしている。私達はそれぞれ違う』
『わかる。違う、いい。綺麗美しい。ベテル、アルデ、大きい、やさしい、それ近い』

『ベテル、アルデは彼に近いって、すげぇ〜な。はははっ』ガッシュは嬉しそうに笑った。
「えっ、、、、違いますよ!」ベテルがアルデを見て言った。
「何だベテル、失礼な奴だ。はははっ!彼らは俺達を喜ばせる事を知っているんだよ」
「うれしいな」アルデが手を出した途端に、すぐに次々と触れていった。
『大きい、優しい、近い、綺麗 目』

横にいるベテルの手の所まで行って見上げている。
『私にも触れてくれるの、ありがとう』
ベテルのパワーが広がり、彼らと戯れるように触れている。
ベテルは感激していた。
『大きい、優しい、気持ちいい、近い、美しい目』と伝えてきた。

最後にランの所へやって来て
『ラン、違ういっぱい、ラン違う、近い近い』
『がははっ!それじゃ暗号だな。ランは、違う所がいっぱいあるそうだ。しかし彼に
近いと分かるとさ』
『ラン、違う。ガッシュ、貴方、いっぱい近いいる、大きい、いっぱい優しい、
美しい大宇宙近い、、、、、美しい目 、ベテル、アルデ』
「もっと難しくなって来たわね。でも大きくて、優しい、美しい目リゲルの事ね。
彼の目は宇宙一美しいわ。ベテルもアルデも美しいでしょう。同じよ」ベガが伝えた。

『ランの中には、彼と俺とリゲルがいる、リゲルが美しい大宇宙に近いと
凄い事言われたという事は、ランお前が一番凄いんじゃないか?』
「とんでもないです。やめてください」
『ラン、いい。いっぱい違う、いい』
『だそうだ、素直に認めろ。がははっ!』

『苦しい?違う』
『ん、誰?あっ、、大丈夫。彼がいる』ガッシュは彼を見ていた。
『美しい大宇宙もいるから、大丈夫だよ』と彼が皆に伝えた。
『いっぱい優しい、美しい目、大丈夫』
光の子達は空間に広がって眩く輝いた。
『いっぱい優しいが、皆さんにありがとうと言っている』と彼がリゲルからのメッセージを伝えた。

リゲルに触れたらそれこそ驚くだろうに、遥か時の流れの中、ほんの一瞬を生きる者達の中に、
あのような奇跡の生命が存在する事を。

それからやはりベガの所へ集まって『美しい。嬉しい』を繰り返して輝いていた。

ベガはポロポロと涙を流して感激していた。
「ガッシュ本当に貴方、この人々と同種って、なんて素敵なの!
こんな素敵な生命と知り合いだったなんて、本来の貴方ってやっぱりちょっと」

『おい、変人!?まぁ否定は出来ないな。信じられないと言うと思っていたよ』

「違うといっても、私達”人”とは違うけれど、たまたま”人”と付き合うことになったからで、
宇宙の生命として一緒じゃない。触れ合ってすぐわかるもの。ガッシュ、
私は宇宙一の素敵な人たちに囲まれて本当に幸せよ」

『ベガ、君ってやはり姫様だな。彼女が選んだだけのことがある素晴らしい』
「素直にそう感じただけよ。それを皆に伝えるのはガッシュの影響よ」

彼は静かに笑って見ていた。
『皆悪いけど、少し我慢して貰って良いかな』彼が、少しパワーを上げた。

『貴方、いい、気持ちいい』
彼の周りから、嬉しそうに空間に飛び出していく。

「もっと高くて大丈夫です」ランが心配してそばに来た。
「ごめんなさい。どうぞ無理なさらないで」ベガが申し訳なさそうに見ていた。

『リゲルを見ながら、他もいくつかあるから悪いね』
「どういうことです?」
『同時にいたる所で、テンションもそれぞれで仕事をしている。だいぶ器用になった』
「そんな事が?素晴らしい」
ベテルの柔らかな心が寄り添って来た。

「、、、ラン、私達は、用を済ませて、ここは早くでるべきです」
『ベテル、そんなに驚かなくていい。回復力の方に驚いてもらえると嬉しい。
少しそうやって見ていると分かる』
少しの間彼の事をみていた。
「、、、うわっ!もう着いて行けません!」
「凄い、、、」アルデも驚いていた。

『くくくっ!多くのやることが同時に発生しているから、上下が激しいがそれが私だ』

「ガッシュ、ところで貴方の世界の人々は?」
『ここにいるよ』ガッシュが静かにいった。
「えっ?」
『彼が星の内部の状態を見て、できうるだけの事はする。先に延ばすこと位できる
だろうと言ってくれたのだが、この星への移住が最善な方法という事になった。
善は急げで君たちが来る前に、全て終っていたんだ。悪かったね』 
「星はどうなったのです?」
『あそこに住める環境ではなくなったが、惑星の死までには、まだまだ時間がある。
一番遠く別軌道上に移動した』
「惑星を移動したのですか?なんという事だ」
『ここの者とギリギリまで、見守っていく事にした。わざわざ来てくれたのに悪かったね。
彼はずっと軌道の安定状態をささえている』

ランが彼の横に来て、『あまり無理なさらないように、我々は帰ります』と伝えてきた。

「2つの惑星の人々が同居とは、十分な大きさの星と、古くから交流があったからですね」
『いや、我々に大きさはあまり関係ない。ある程度自由だから』

「先ほど数億と言ってましたよね。ガッシュの方が不思議な存在に思えて来ました」
『そうだね。何処にも属さない代わりに、あちこちいける筈だったんだがな』
「あら、何処にでも溶け込め、貴方の魅力はその身体のように、皆の光になるの
ではないですか」
『今日はベガに誉められ過ぎでまずい』
「ガッシュは、なぜ人に、、ここの皆さんも人になる事があるのですか?」アルデが言った。

『なぜ?いつかな。これからも希に他の生き方をしてみようかなんて変わったのが、
出て来ることはあるかもしれないな。あえて人を選ぶかどうかは別だな。
共通点を見つけることのほうが難しい。不都合な事ばかりだし、わざわざなる事は
ないだろう。彼の世界の方がより近い。それにしても、彼も俺もかなり変わり者だよ。
しかしベガを見て、いたく感動している。そのうち光る女性が出てくるかもしれない。
はははっ!』

『私はどのような形体でもいいのだから、別に変わり者のつもりはないけれど。
人がよほど好きなのだよ。ガッシュと同じだ』

彼の周りに光が集まってきて話を聞いている。
『貴方宇宙、いっぱい生む、優しい、嬉しい』
『不可能こそ面白い。自分の思いのままなど、全てが自由になるという事の何処が
面白い。最後はたった一人になり、飽き飽きして遂には自らと共に全てを
滅ぼしていくだけだ。しかし共に選んだ道に、かなり無理があるなガッシュ』

『がははっ、本当です。あえてお勧めは、できるものではないなぁ』
光の子達は、ガッシュと彼の周りを飛び回っていたが、
『ガッシュ、違う、いい。貴方来た、いい、嬉しい』と伝えてきた。

『皆、先に彼と来た時大変だったんだよ。嬉しくてしょうがなかったんだ。暫く星ごと光輝き、
ガズに覆われているのに外の宇宙からも、明るくなったのが分かっただろう。
彼も皆に合わせてくれて、俺は本当にこれでよかったと心から思えたよ。
後からベガと俺が、彼女を連れて来たと感動している。
宇宙には遥かに超える、素晴らしい存在がいる事に感謝している』

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<遥かなる時の流れ、一瞬を生きるものとしてここに>73

  • 2008/04/04(金) 17:01:29

<遥かなる時の流れ、一瞬を生きるものとしてここに>73


シティにラン達が帰って来た。
メディカルチェックに全員エラーがでて、ノルドも困っていたが問題はない事が分かっていたので、特別許可を出す事になった。彼やガッシュそして、ガッシュの同類の生命に触れ合った、余韻が残っているという事だろう。

『ノルド、リゲルのところへ、皆で行きたいが』ランがノルドに伝えてきた。
『静かに寝ている。でも君たちが会いに行けば分かるだろう。じゃぁ行こう』

ランが彼らを、シティから離れた所にあるリゲル達の居住区へ連れて行った。

いつもならランは、そのまま行くがメディカルチェックにエラーが出ている状態では、
中で警報がでるのも面倒なので、入口で全員OKとノルドが直接許可の指示を出した。

リゲルの部屋の前に立った、静かであった。
いつもなら、彼から溢れ出ているパワーが我々を包み込む、、、。
もどって来た4人は、リゲルの元気な顔を見られるものだとばかり思っていたが,
ノルドがさっき言った静かに寝ているという言葉を、この時は受け入れざるを得ないと思った。

音もなく静かに3重の扉が開き、5人は奥の寝室へいった。
やはり薄暗い中にリゲルは静かに眠っていた。
空気や重力もややリゲルの星の状態に近く、全てオートで管理している中に
巨人のリゲルは眠っていた。

『リゲル只今。やっぱりまだ寝ているんですね。リゲルはそうやって、
まとめて寝る事にしたと言っていましたが、やっぱり寂しいものです。
リゲルを見たらどれほど皆喜んだでしょう。
ガッシュの故郷の星々は素晴らしかったですよ。
彼とガッシュは、もう少しあそこに残るそうです。
彼も見た事のないような光の存在になって、とても楽しそうでした。
そしてベガが美しい、嬉しいと大変に喜ばれてました。
ベテルもアルデもリゲルに近い、大きい、優しい存在で、美しい目をしていると、
全部彼から聞いてご存知ですね、、、!?』

『起きるかもしれないよ。一斉に動き出した』ノルドがモニターを見て言った。
リゲルの右手が少し動いた。
瞼の上から眼球が動くのが分かる。次第に覚醒してきたようだ。

その時ノルドが「ベテル、リゲルが君を呼んでいる。そこから彼の手に触れてごらん、右手」
ベテルは、リゲルの手に触れて涙が溢れていた。

リゲルはベテルが見てきた向こうの全てを知り、ベテル達から感じる変化にも喜んでいた。
”ちゃんと目が醒めたらゆっくりコミュニケーションをとろう、ありがとう”と伝えた。

「ベテル確かに君は素晴らしいな。リゲルの心を引き出した。
あれ以来、深い眠りの中でコンタクトに答える事はなかったんだよ。
もちろん向こうからの彼のコンタクトには、凄い反応を示していたけれど」
ノルドがベテルに言った。

ランは頷いてベテルに微笑んだ。
「リゲルの目が醒めたら、君たちに遊ぼうってきっとうるさいよ。嬉しさが伝わって来ている。
もう少し寝ていて貰って、その間に大いに鍛えておかないと、何だ面白くないと言うと
困るから少しだけ。ベテルは大丈夫かな?」

ベテルはすっかり嬉しそうな顔で、
「私も、絶対に行きます!」と言った。
「行こう、ベガも来る?」
「もちろん!何も入ってない時間って、滅多にないものね。でも報告もまだなのに、
ボスが文句言うわね」

4人とも、外へフッと消えた。彼らとシティ関係の惑星系を飛び周った。

ランがいきなり彼らを止め、『ここ!』と、目の前にある惑星の軌道上に飛んだ。
その星はシティの関係惑星では無い。
今だに内戦や小競り合いを繰り返している。弾圧も酷く多くの才能ある人々も
殺されていったと聞く。
シティが平和を求める声に、応えなかったのではない。その指導者達の結論が、
もう少し時間がほしい。我々の星の事は我々でやるつもりだと言う返事だったのだ。

『来るぞ!あらゆる兵器を無効にしろ!散れ』ランが叫んだ。

彼らは惑星軌道上に散って、それぞれの能力を開放し対応した。
遊びどころではない。いきなりの最悪な実践となっていった。

『ラン、人の命、生命を、、、彼が来ている』ベテルが伝えてきていた。
すでに惨状に見舞われているところがあったが、そこには彼のパワーを感じた。
『ベテルはそこへ』『はい!』

『べガ、アルデ、私達と同じ動きをしている人たちが数人いる。そっちはどうだ?
コンタクトをとってみて』
『ここには、いないわ』『こっちにもいないようだ』

『分かった。私が見てみよう』
ランは一瞬にして、星ごとその全てを把握し、コンピューターがコントロール下に入った。

この狂気に走った首謀者全員を、宇宙空間に連れ出している。
狂気の者達は宇宙空間という、死の世界にいる別の狂気にパニックを起こしていた。

そしてこの星の平和の為に共に動いていた人たちに、現状の全てを伝えた。
ベテルには、『メディカル・センターの出動要請はいらないな。彼のおかげだ。
こっちが済んだら私もすぐ行く。ベガ、ベテルの応援頼む』と伝えてきた。

宇宙空間それは星の中で育てられた生命達には死の空間だ。
限られた者たちだけがそれも殆ど移動の瞬間に、そこに存在するだけであり、
そういう意味では、彼らはさらに特別な存在であった。

平和勢力の中心人物は、彼に命を助けられてベテルの元にいた。
狂気の者達の処遇を、決めてもらわねばならない。
ランの情報は、この星のコンピューターと連動して、全ての犯罪を明らかにし記録していった。

『出すぎた事をしたかも知れない。しかし人の命にはかえられない。
もし我々がこなければ、あの攻撃が続き、今ごろこの惑星は崩壊し始めたでしょう。
協力は惜しまないつもりですが、後の事をそちらで決めてください。
ここの中心者は一命を取り留めましたが、かなり厳しいようです。
よければ、我々のメディカル・センターへ、お連れしたい』と伝えた。

『わかりました。犯罪者と関係の者達は我々が処遇を決めます。
多くの命を救っていただき、ありがとうございます。
プレジデント・ファッジの事をどうぞよろしくお願いします。他の者達もお願いします!』

『捕まえた彼らを何処へ?』ランが聞いた。
『ンリォン島へ、あそこです。ただあいつだけは、、、、。』
『彼らの能力は全て消しておきました。特別なものを何も持たない状態です。
心配だったら。あの中にいる影の実力者である者を、私のガードから出しますが?
彼の周りの空気だけで、一瞬で様子は分かりますね。
このままにしておいても周りの者に、今までの仕返しと殺される事になるのでは?』

ランはこの会話をあえて、中の者達に聞かせていた。
狂気に囚われた目で、もがき苦しんでいる者がいた。
『分かりました。ンリォン島最大級の洞窟の一番奥にでもお願いします』
『仲間内で殺し合いになるような事は、出来ないようにしておきました。
裁きを受けるべきです。あなた達もプレジデント・ファッジの所へ行きますか?』

ランとアルデと、この星の数名は、ベテルのいる南半球の最大大陸の奥地へ飛んだ。
平和の為に命がけで戦う者達の、基地となっていたが酷い攻撃の後だった。
周辺には森が広がっている、森に住む周辺の村の人々達に被害が大きかったようだ。
ベテルはその力を最大限にして被害者を支え癒していた。
ベガも、近郊の都市の病院から必要な物を全て取り寄せて、治療にあたっていた。
「ベテル、大丈夫か?ベガは?」
「大丈夫よ」
「ラン、彼が最初の攻撃の時に、すぐに護ってくれたようです」

「分かっている。ベテル君の事を聞いているんだ」
「はい。私は非常事態用にモードに、切り替わって動いていますので大丈夫です」
「そう、プレジデント・ファッジに会いたいが。ベガ彼らを」と言って、ランはベテルに触れた。

「ありがとうございます。私はまだ大丈夫です」とベテルが言うと、ランは厳しい顔で
「まだ大丈夫だ?倒れてもらっては困る。リゲルに負担をかけることになるだろう」
「?リゲルに」
「あぁベテルが目覚めた時に側にいてやれなかった事で、リゲルは常時
深い意識の底で君を護りたいと思っている。リゲルは彼と同様に常に我々を
感じているんだ。自分がどんな状態でも無理やりにでも、起きてくる。
もう、それをさせたくないんだ。だから倒れないで欲しい。!君からリゲルを覗き
込んではいけない。あの時のようになるから」
「わかりました。ありがとうございます」

「意識はありません。こちらです」とベガが、この星の者をファッジの横へ連れて行った。
全身保護されている状態で、外からでは分からない。
「ファッジ!!」「プレジデント・ファッジ!」彼らはあまりの悲惨な姿に叫んでしまった。
「本当にファッジですか?生きているのでしょうか?」

「命だけは支えています。彼の側近という者が意識を失うまで、患者を
ファッジと呼んでいました。ここの医療技術では、かなり厳しい状態です。
今、ランがファッジの命を支えていますが、手放せば、、、。
ここで助ける事は無理でしょう。
我々のメディカル・センターでも、脳へのダメージによって元に戻るかどうか。
身体の失った部分を、元に近い状態に戻す事はできます。
他に18人厳しい状態の者がいます。すぐにでもセンターに移したい。
それ以外はこの星で最高水準の病院へ転送しよう。今、すぐ決めてください」
ベガが強い口調で言った。

「プレジデント・ファッジには、何がなんでも元気になって戻ってもらわねばなりません。
この星のこれからに彼はなくてはならない人だからです。
ぜひメディカル・センターで治療をお願い致します。私がお供してもよろしいでしょうか?」
「それはぜひとも、では他の人達をどの病院へ?」
「南半球最大都市のラテェ−ヤの総合病院へ」

「、、、受け入れをしてくれるとの事です。誰か一人付いていってもらえる人は?」
「私が参ります」「では、よろしく」
ランが患者の移動をしようとすると
ベガが「それは、私の仕事です」と言い、患者達を転送した。
ベガは『ラン、緊張すぎます』ランに伝えた。
『ありがとう、ベガ』ランは深呼吸をして、少し下げはじめると急にフラッと来た。
『やれやれだね』ランはベガを見て苦笑いをした。

ベテルがランの横にきた。
『さっきのお礼に、ほんの少しだけ、私のフォローを少し経験してみてください。!ほんの少しだけです』
柔らかにランに寄り添うようなフォローから、フワッと全身を何かが通って行ったような感じがした。
ベテルの美しい大きな緑の目が覗き込んでいる。
『あぁ、不思議な感じだ。とても身体が軽くなったよ。楽になる。ありがとう。
ベテルは大丈夫?』
『私はランの強いフォローで、まだまだ大丈夫ですよ。ハイになっているぐらいです』
『あっ、強かった?私はフォローが下手ですまない!』
「さぁ、センターに行くよ。このまま行きます」



<遥か時の流れ一瞬を生きる生命としてここに>74

  • 2008/04/04(金) 18:20:21

<遥か時の流れ一瞬を生きる生命としてここに>74

ドクター達が、全て準備をして待っていた。
メディカル・センター、NO.1は、大きな空間の部屋になっていて、緊急災害等の
多くの人を受け入れられるように、中で自由に仕切ることができる。
それぞれの星の設定に合わせて変更可能な、最新式の物となっていた。

ランからの報告で空気調節から、重力変更等設定は完了していた。
幸いに健康な医師達にとって、それほど影響が無い程度の範囲内であった。

19人の患者がNO.1につき、センターは俄かに忙しくなっていった。
医長のドクターワイヤーから、ラン達4名と向こうから付き添って来た者も、
すぐにチェックを受けて置くようにと指示があった。

早速ベテルがセンターの医師の手伝いをしていたが、ストップを言い渡されていた。
ドクター・ボォンが四人の前に来て言った。
「ご苦労様、悪いがセンターではベストな状態でない者をつかせるようになっていない。
少し休んでもらいたい」
「分かりました。よろしくお願い致します」

『ラン様、プライベートルームで、お休みにならないと。それともNO.0の方でも』
『ボォンが来るにはNO.0の方が近い。そっちに居るよ』

NO.0の扉の前に来た。
[ラン、ベガ、ベテル、アルデですね。どうぞお入りください]

中にノルドが待っていた。
「ご苦労様だったねラン。遊びのつもりが、とんでもない実践になったな。
今までにない物を感じるが、君の本領発揮をしたようだな、、、。
皆、まだ緊張状態のままではないか。そんなではもたないぞ」

「リゲルは寝ている?」ランがノルドに聞いた。
「、、、、」
「リゲルに何かあったの?!」
「よく寝ているよ」
「あぁ、驚かせないでください。疲れた、、、」
「彼が、”これではリゲルが起きてくる、ちょっと寝かしつけてやる”と言ってね。だから休めって」

するとベテルが突然
「正式に、ここの医者になりたいです。ドクター・ノルド、勉強させてください」
「大歓迎だよ。じゃぁゆっくり休んで。都合のいい時にベテルと
私の部屋に来て貰っていいかな」
「分かりました」

「ランの情報量はすごいのだよ。ここで必要な医学知識全般にわたって、
引き出す事ができる。ランとコンタクトを取って、君が何処まで受け入れられるかで、
ベテルならその場で決まるだろう」
ベテルは驚きをもってランを見ていた。
「ベガは?」
「もう、部屋で休ませてもらいますと向こうの部屋へ行きました」アルデがノルドにいった。

「アルデは、、、特に問題はないね。ひと寝入りすれば元通りかな」
「ハイ、昔からそういうタイプです。私も医学を勉強させてもらいたいのですが
無理でしょうか?少しでも役にたてればと思っています」
「そうか。それは嬉しい事だ、後でベテルと一緒に来なさい。部屋の条件の
設定変更ができるから、自由にやってくれ」

「さてと、ベガ姫の所へ入るにはと『べガ、、、、もう休んでしまったかな、いいですか?』
『はい、どうぞ』

「失礼します。どう?」
「ノルド、私の額に彼がはじめて触れてくれたのです。嬉しくて、でも彼と腕輪で
強すぎたのでしょう。疲れました」
「本当に彼が触れたのか?凄い!しかしなそれは大変だった」と言いながら、
ノルドはモニターを見てパネルに触れて必要な物を示した。
「あの、それは?」
「はい、医者の指示には従うように。またパワフルに動いてもらう為にだよ」
と言いいノルドはベガの部屋を出たが、ベテルの事が少し気になり戻るとアルデがいた。

「お邪魔するよ。やっぱりアルデがいたか。ベテルもアルデも、初めての経験で
良くやった。さすがにリゲルの後輩は、パワーのスケールが違うが頑張りすぎだな。
アルデから見てベテルはどう?」

「はい、彼の元が分からないのでなんとも。病気を治して頂いて少しずつなはずが、
毎日かなりの速度でペースが上がってきていて、負担になっていると思います。
私としては心配です。よほど元のベースが高いのかなベテル?」
「ん、、、多少です。病気になる前は」

「人の生命にかかわる事が、場合によっては一番エネルギーがいる、
命を削る事になるからな。ベテルは、暫く様子を見させてもらうよ。
我々はゆっくりと行く事に決めたのだ。共に行きたいのなら、君もゆっくりだ。いいな」
「わかりました」

「ベテル、非常事態用モードで動いていたと言っていたけど、前からそんな?
星で大きな事が起こってベテルが人を助けていたら隠して置けないだろう」
「、、、実は災害や、緊急の時だけは密かに動いて欲しい。その代わり君が
その村で静かに暮らす事は許可すると、言われていたんだよ」
「そんな!じゃぁ、ベテル今までずっと?それなのに、ここに来る許可が出たのは
病気のせいか?」
「そうです」
「おかしい!絶対にそんな事おかしい!俺達の星には、またいつか、
とてつもない破壊者が出るという確証でもあるのか?それよりベテルのような
優秀な人材を次々育てて、平和勢力を強固にする事の方が大事なはずだ。
誰でも分かる事が何故、、、中央政府はまったくわからん。他のメンバーと話して
みなくてはならないな。ごめん!これじゃ休めないな。隣りでもいいかな?」

「ノルドは、リゲルのところですね。私がベテルを見ていますから」
「ありがとう。時々私も来る、ともかく一休みしなさい」

ノルドは、ランの所へ行き彼の様子をじっと見ながら、
『彼らをそうやって、ずっと支えているつもりか?』
『ファッジと他に4人は、支えていないと無理だ、他の人はボォンやキラン達が、
がんばってくれているよ』
『、、、ラン、君を守る為に、ビックパワー達が戻ってくるかな』
『私が彼らの真似事するのは、まだ早いのかなノルド?』
『いや、ランもビックパワーの一人だ、しかしまだ全部背負うには背中が小さいな』
と言いながら、ランの為にボォンが用意したものをわたした。
『ラン代わってやれないが、その5人のフォローを手伝おう。すまないな』
『とんでもないです。リゲルを宜しくお願いします』

ノルドは、リゲルの部屋へ戻った。
薄暗い部屋、静かな時がここには流れている。
『リゲルの後輩達は、本当にいい奴だ。困ったところがお前に似ている。
リゲルみたいのが何人もなんて勘弁してくれよ。俺はリゲルでいっぱいだぞ』
ノルドは、リゲルの寝顔を見ながら心の中で呟いた。

『ノルド、迷惑かけるな。起きられるようになったら、星のためにも彼らの事は、
俺がしっかり見て行くつもりだ』
『リゲル!、、、驚かすな。目が醒めていたのか?』
ノルドはビックリして、彼を覗き込んでいた。

『彼が”まだだ。暫く動けないようにした。だから諦めて寝てろ”だとさ。
”お前を寝かしつけると言うのは、こういう事でいいかな?“と笑っていた。
彼も変化していた。あれが彼なのかな、、、』
『そうか、それは良かった。なんか欲しい物は?水分取るやつだからな
喉渇いていないか?』
『なにやら、いっぱい補給してくれているから、いいよ』
『そうか、、、じゃ、すぐ寝ろ』

『なんだよ、久しぶりに声かけたのに』
『本当だ、、、嬉しいよ。君とコンタクトが取れると、こんなに安心するものかなと
いつも思う。でもこうしていると、皆が気がついてここに来る。だからもう寝ろ。
まただぞ、また』
『それは催促しているのか?ノルド』
『あたりまえだろう。リゲルまただ』

『皆によくやった、ご苦労様と伝え、、、?!ランか、、、無理するな。
ただ強いだけの生命エネルギーだけでは、フォローにはならない。
それが誰かもわからない相手だとしても、なんとしても救いたいという思いを
パワーに込めないと、相手にも自分にも負担がかかるだけだ。彼と俺の情報を
上手く引き出してやってみると良い。ラン解ったな。もう少しお休みだ』
『リゲル、ありがとう』ランからだった。

ノルドは頷いて眠そうなリゲルに言った。
『やはり、リゲルだな。お休み。』



      

<遥かなる時の流れ、一瞬を生きるものとしてここに>75

  • 2008/04/04(金) 18:23:11

<遥かなる時の流れ、一瞬を生きるものとしてここに>75

ラン達が戻って来た夜には、ガッシュが一度近くまで帰ってきた。
メディカル・センター全体の人々に影響するほどの、高い状態なので少しだけと言って、
ガッシュが、手術は成功したが特に厳しい5人をフォローした。
『ラン、見事だな。後はセンターの医者に任せて大丈夫だ。君も少し休みなさい。わかったね』
その時点で、ランはフォローし続けていた5人から開放された。
彼はガッシュの元の惑星軌道の様子を把握しながら、
同時に幾つも抱えて忙しい、他へ行っているという事だった。

その日ノルドはリゲルのところから、ランの部屋へまっすぐ来た。
ランはまだ寝ているようだったので、静かにモニターを見てチェックしながら、溜息をついていた。
『ボォン、おはよう、今、ランの所だが、、、ん。待っている』
『おはよう。ドクター・ノルド。、、、、、』ボォンは、早速モニターを見ていた。
『遅いと思わないか?』
『そうですね。リゲルもランにコンタクトをとってくれたと聞いてますし、
ガッシュも、ランの為にフォローを代わってしてくれ、二人ともランの事を、そのままという事は、ありえないですからね』

『ランにも、少しゆっくりさせた方が良いという事だな。 彼らの予定を全てキャンセルし、そのつもりで行動するように、 ボスからメンバーズに、伝えてもらわねばならないな』
『暫くその方が良いと私も思います』
2人は、ランの部屋を出て、ベテルの部屋へ行った。

「ベテルは起きているようだね」とノルドは、ボォンにいった。
「おはよう、気分はどうだ?」
「おはようございます。ドクターお2人で、どうもありがとうございます。随分楽になりましたで、よろしいですか?さっき、アルデが来て、、ははっ。また来ました。」

「ドクターおはようございます!」
「リゲルと同じだ、声がでかいよ。ここはメディカル・センターだぞ。アルデ朝から随分ウキウキしているじゃないか」
「あっ、はい。あの雑用で結構です。お手伝いをさせてください」
「はははっ。手伝ってくれるのは嬉しいが、もう大丈夫かな。ふふっ!気持ちがそっち行っているぞ」
ノルドが笑い出した。

「ノルド、リゲルの星から来たメンバーは、本当に、素晴らしい。アルデもフォローができるようだが、リゲルの感じのものとは違うようだね。しかし十分に高いから、ガードしているのだろう。その分が自然にフォローになるぐらいだといいのだがな。そんな事ができるのは、彼とリゲルぐらいかな」

「リゲルに教えてもらいます。少しでも役にたてれば嬉しいですから」
アルデは美しい大きな緑の瞳を、輝かせていた。
「はははっ、凄いな、リゲルのフォローに近いものまで、できるようになるつもりか?」
ノルドは、呆れながらも、嬉しそうだった。

「ベテルのフォローは、きっと病気になる前はそんな感じに近いのだと思います」
と、アルデがベテルを見ながら言った。
「とんでもないアルデ、質も内容も桁が違いすぎる。でもアルデは凄いと思います。個性あるフォローの形になってきていますよ。アルデの思いが嬉しいから、よけいに良いんです」
とベテルが、アルデをまじめな顔で見て言った。
「ほーっ、さすがだな。良いじゃないか。それは助かるよ。君たちの他のメンバーも、できるのかな?」
「ベテルが教えてくれたので、それぞれ少しずつ違いますが」
「将来が楽しみだね。でも君達はゆっくり行くんだよ。それで十分だ」


その夜ノルドは考えていた。
ガッシュも彼も、すでに銀河を飛び回っている。
これが、彼らのゆっくりという事なのだろうか?遥かに未来にまで、生きてゆく彼等のスピードは、
我々のものとは、違ってもっと緩やかに、流れていくのだろうと思っていたが、
彼等にとっての、”ゆっくり”とは、、、。
現実、今はリゲルもランも余裕を持っているどころかいっぱいな状態だ。

リゲルはランにコンタクトを取って来たが、ランの代わりにフォローする事は無かったようだ。
シティを包み込む彼のパワーも今は止まっている。

リゲルが今変化をはじめている。
彼自身が望む姿になっていくことが、できるのだろうか。

ガッシュは必ず、『リゲルは?』と尋ねてくる。
なぜかリゲルと直接コンタクトを取る事をあまりしない。
そのガッシュも自分の道を歩き始めた。

彼はランもリゲルも、自分の中で把握している、、、。
しかし、今までと、何かが少し違ってきている。
彼も皆を待つのではなく、彼の速度でゆっくりと変化し始めた。

多くの人材が、綺羅星のごとく、現われて来たがまだまだ始ったばかり、、、。
いや、始ったばかりと感じるのは、我々だけなのかもしれない。
彼等は気の遠くなるような宇宙の時の流れと共に、あらゆる生き物達とやり続けて来たに違いない。




<遥かなる時の流れ、一瞬を生きるものとしてここに>76

  • 2008/04/04(金) 18:30:53

<遥かなる時の流れ、一瞬を生きるものとしてここに>76


丸一日の休みをとって、ベガもベテルもセンターで、仕事を始めた。

ベテルが、NO.1の大部屋に顔を出した途端、患者と付き添っているベテルの星の
仲間と、センターの医者達から拍手が起った。
「助けてくれてありがとう。なんてお礼を言っていいか解りません」
「ベテル、もういいのか?」と皆から声がかかった。ベテルは皆それぞれに応えて
いた。

小児科医のモールがベテルに話し掛けた。
『ベテル、ちょっといいかな、この子覚えている?チップリ−デル、チップと呼ばれて
いるんだ。ショックで、声が出てこない』

ベテルはその巨体をかがめると、ちょっと首をかしげて「ん?」と言う顔をし、
ベッドの横に座り込んだ。それからチップに顔を近づけて、美しい緑の瞳で覗き込ん
でいる。
「チップ、随分元気になったんだ。よかった〜。モールはね。小児科のドクターでも、
一番なんだよ」
「ベテル、嘘はいけないな。チップは、新米医者だって知っているよ。ふふふっ」
チップはベテルの瞳を見ている。

「私は嘘を言った覚えはないよ。ドクター・モールは立派な医者になると言われてい
たのを覚えているし、私から見て尊敬できるセンターの先輩です。、、小さいけど。
ふふっ!」チップが微笑んでいる。部屋の皆も笑っている。

『助けてくれてありがとう。僕よく見えないけど、、、皆が綺麗と言っていたから、
ベテルもきっと、、』
「チップ、ちょっと君の頭に手をかざすよいいかな?目は瞑っていて良いよ」
『ベテル、光が分かるだけでも成功だったのだよ。だから』
モールがいう事にベテルは頷いた。

「チップ、私達の目はこう見えるんだよ。大きいと皆が驚く。ビックリした?」
『ううん、本当に綺麗だね睫毛も長くて、僕たちと違う風に見えているの?』
「普段はチップたちと同じだよ。でも色が変わると違って見えている」
『え?色が変わるの?』
「普段もほんの少しずつ、変化しているよ。全部元通りにしてあげられなくて、本当
にごめんね。時間はかかるけど、普通に生活できるようになる。目を開けてごらん」
「私の目は、何色かな?」
「ウワァ綺麗!大きいくて緑色だ。ちゃんと見えた!」
「ウワァ!チップの声が出た〜!見えたのか?!」
モールが大喜びでチップに、触れようとして困っていた。

「あぁ、チップ〜、嬉しくて君を抱きしめたいけど、他のドクターに怒られるな」
と言って、全身包帯だらけの、チップの頬に触れた。
「モール、ベテルの目が見えないよぉ。僕、色が変わるのが見たい」
「そんなに見つめると疲れるよ。あまり使い過ぎるといけない。毎日少しずつ時間を
増やして、直していくんだ、我慢できるかな?」
「、、、我慢する」
「後でドクターに目を見てもらうんだよ」

『内緒!声に出さないこと。我慢するご褒美だよ』ベテルはさらにチップの顔によっ
て来た。彼の大きな緑の瞳が、少し色を変え輝いてチップを見つめていた。
『ワァ〜!すごく綺麗だ。不思議だね、、、、僕、我慢する』
『誉めてくれてありがとう。チップたちを助けてくれたのは、多くの人が皆でやったの
だよ。皆を最初に助けてくれたのは、この世界で一番の力を持った人だ。その後で
少しの間、支えていたのが私。その後ここに来て手術が終って暫くするまで、ずっと
支えていてくれたのが、このセントラル・シティの若き指導者の一人ランだ。彼に会
えるといいね』と伝え終わった途端に、ベテルが押えきれないように

「モール!ふっはははっ!」といって笑った。
「チップに話し掛けている間中、嬉しい!ありがとう!って繰り返して、もう!うるさい
先輩だ」
「ごめん、だって当然嬉しいだろ!医者になってよかった。ベテル、チップありがとう」
モールはベテルに握手を求めて手を出した。
「ちょっと、今はまだ、後で私の方から、握手させて下さい。モール先輩ありがとうご
ざいます」

「あっそうか、ありがとう。ベテル、大丈夫なのか?」
「先輩の全身から溢れているその嬉しさは、この部屋の人たちの心を癒します。
元気の元です。私も嬉しくてとても癒されてます。本当ですよ。どこかリゲルに似て
いるみたいで不思議だ」

「リゲルに似ているって?!うそだぁ〜!そんなに嬉しい事いわれちゃ、仕事になん
ないなぁ。はははっ」
「リゲルを、よく知っているのですか?『チップ、もう目は閉じて』」
「はい、、、、リゲルって誰?」とチップが聞いた。
「私の星の先輩で一番でかい。宇宙で一番美しい目の人だよ」
「ベテルよりでかいの?宇宙一の目?」
「そう、宇宙一美しい瞳だ。背もパワーもでかいよ」とベテルは言った。

「チップ、リゲルは凄いよ。めちゃくちゃ綺麗な目なんだ、そしてパワーもこの銀河
NO.1だし、私と同じで、子供がいない世界なんか、寂しくって死んでしまうと思う位
に子供が大好きさ。リゲルに会ったのはね。医者になる為の授業中なんだよ。昔か
らの持病で腰と足を痛めていたのが、急に悪化し始めて、歩くのも大変になったん
だよ。絶対に小児科希望だったから、君たちを抱き上げたりしてあげられないかと
思うと、悔しくて夜も寝られない日があった。その時はセンターに入院したくなかった。
授業を休みたくなかったんだ。ドクター・ノルドの授業に我慢して座っていた時、
ガッシュと君を支えてくれていたランとリゲルが授業に黙って紛れ込んで来たんだ。
ドクターに直ぐにばれたけどね。私は後ろの扉に一番近い席にいた。その時私の
後ろに隠れたのがリゲルで、私の事に気がついて、その場で治してくれたんだよ。
チップが元気になったら絶対に抱きあげる!もう決めているんだ!はははっ」
皆の笑いが止まらない。
「モールって変だ!勝手に喜んでいる」
チップが、ちょっと迷惑そうな顔をしながら嬉しそうに言った。

この部屋が、盛り上がっているのに気が付いたボォンとベガが、入ってきていた。
「ベテル本当だわ。モールまるでリゲルの乗りよ。勝手に盛り上がって皆を巻き込ん
でしまうの。リゲルが、皆に少しずつ分けられているみたいで不思議ね。ドクター・
ボォン」
「そうですね。皆が、嬉しそうで本当にいい」

「でもモール、リゲルは、めちゃくちゃに盛り上げながらも、一人一人の状態を見て
いるんだよ。喜ばせ安心感と同時に状態を安定させる。この部屋は興奮状態だな。
さぁ、どうする新米のお医者さん?」
「すみません、、、」
「モール、ベテルがちゃんと、やってくれているわよ。ふふふっ」
「ベテルなんてお礼を言っていいか、ありがとう」と泣きそうな顔で感謝をしていた。

「いやぁ、モール先輩、困ったな、、、、チップ助けてよ」
ベテルは、チップに困った顔をして助けを求めたが、
『僕が大人の面倒見るの?』
「ははっ!少し疲れたよね。今日はここら辺で、失礼するよ」と言いながら、ベテルは
チップの胸の上に手をかざして『またね』と言って出て行こうとした。

「ベテル、私と一緒に来てくれるかな」ボォンが彼を呼び止めて出て行った。
部屋の人たちから、”ベテルありがとう”と声があがった。

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<遥かなる時の流れ、一瞬を生きるものとしてここに>77

  • 2008/04/06(日) 14:04:43

<遥かなる時の流れ、一瞬を生きるものとしてここに>77


ボォンはベテルを、NO.0のランの休んでいる所へつれて行った。
『ラン様、、、彼の唯一の家族で、私達の星を代表する5人の長老の一人なのだよ』
『星を代表するって、、、そのような人がなぜ?』
『彼は我々の星にとって、かけがえのない存在なのだよ。その彼に仕えるのが
ランの主な仕事だったが、今は彼の命によって、未来の平和の為に互いに尽くして
いこうと、結局ここへお供してしまった』
『はぁ、そうだったのですか。プライベートな事をなぜ?』ベテルは、ボォンに尋ねた。
『なぜかな、、、ランを見て君はどう思う?』
『ランは、、シティにふさわしい、素晴らしい方だと思っていますが、、、。
ここは様々な環境の星から、多くの人が来ていますので、同じ未来の平和の為に
尽くすといっても、価値観もそれぞれに少しずつ違っていて、いつのまにか自分の
意見を形にするの事に臆病になるようです。すみません』

『いやベテル、そのとおりなんだ。私もそれを感じているよ。私達は感じる、感覚が
敏感な為にあえて心を閉じておかないと、最初パニックになりそうだと思ったくらい
だったのだが、自分達の見方の基準を捨ててしまって、良かった部分と曖昧になり
迷路に、入り込んでいるような気になる時がある。だから新鮮な感覚でものを見る、
新しく来た君たちに聴きたいと思ったのだよ。それで?』

『ランをよく知りませんので、互いフォローしあった時に直感的に感じたものですが、
彼は背負うものが大きすぎると感じているのでは?この度のことでも驚異的な能力
を我々に見せてくれました。彼自身とても素晴らしい才能と能力をまだまだ秘めて
いるのだと思いますが、きっとずっと辛い立場だったのでしょう。そしてこれからも、、
、、、彼の家族という事も、ランの誇りであり、彼の、、すみません』
ベテルは言葉を切った。

『謝らないでくれたまえ、君の直感力は誰が授けたものだ?』
『え?母もそうですし、代々伝わっているものだと思いますが』
『そうか、君にはそのバックボーンがしっかりあるな』
『ランは血のつながり的には、遠い親戚が僅かにいるぐらいしかない。そしてラン
自身が我々の星の誰ともすでにかけ離れて来ているが、家族である彼に近くなる
ものでもない』
『そうですか、、、。でもランは若い、これからです。傷つく事も全て栄養にして大きく
伸びていく人です』
『ベテル、君もそれを確信しろと言うんだね』
『そうです。私達が信じてあげなくて、彼はどうやって生きていけばよいのです?
人は一人ではないのです。多くの関わりで人となります』

『そうだな分かっている。誰よりも信じる人から、ランもリゲルもそう聞かされ続けて、
皆も当然のように信じて。しかし遠いのだ。現実を知るほどに、それもあまりに遠く
感じてしまうようになった』
『ボォン、、、いいかな』ノルドだった。
『えぇ、貴方にも、聞いていただきたくて失礼いたしました』

ノルドもボォンの部屋にやってきた。

『ドクター・ノルド、こんにちは』
『ベテル、ご苦労様』
『ドクター・ボォン、ガッシュ達の星へ行った時、ランは”いっぱい違う、いい”と何度も
言われました。ランの中には、たくさん違うものを感じたのでしょう。彼もガッシュも
リゲルも感じる、いい事だと。ランは羨ましい存在と感じたのではないでしょうか』
『そうですか。確かに周りから見て羨ましい存在ですね』
「ボォン、ランが気が付いたよ」ノルドが言った。

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<遥かなる時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに>78

  • 2008/04/06(日) 15:19:31

<遥かなる時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに>78

「ボォン、、、羨ましい存在って、、」ランが聞いてきた。
「今、ガッシュ達の星へ行った時のことを聞いていました」
「ボォンもそう、、、星の者は皆そうだな。では私もそう思うことにしよう」
ランが静かにそう伝えてきた。

「ベテル、リゲルのように心配して寄り添ってくれていたのがわかっていたよ。
ありがとう。こんなに側では寝ていても、意識の中に入ってきてしまう。ボォン。
ベテルも私達の事を勉強をしておいてほしい。彼の星だ。そう言えばガッシュが
言っていた」
「それは私が聞き出したからです。ベテルから聞き出したくて私が、、、
申し訳ありません」
ボォンが、ランとベテルに謝った。
「そう、、、。ベテルにもリゲルが少しいるんだ」
「はい、そう言っていただけると、本当に嬉しいです。少しだけで十分ですが。
ははっ!先ほど会った小児科医のモールも、リゲルに似ていると、ボォンとベガが
言ってました。皆さんも表に出ていないところで、影響されているのでしょうね」
「ガッシュと、、、。あぁ、今回一緒に行って強烈だったからね」
「それで、十分だという事ですね」
「そう、、、、じゃぁ、あえてボォンに応えたんだ。私もベテルをもっと知りたいな」
「私がランの情報の一部になれるんですか?何でも、、、、あっ私の方が、教えて
いただきたい事だらけでした。宜しくお願い致します」
ベテルは、美しい瞳を輝かせて本当に嬉しそうに、ランを見ている。

「ベテル、君はシティに着たばかりの頃の、リゲルに似ているな。今急にその頃を
思い出したよ。吸収力が素晴らしくて、いつもその美しい瞳を輝かせて率直に人と
話す。あの巨体だから座り込んで、話している方は、喜んで聞いてくれるのが嬉しく、
ついつい心を開いて何でも話してしまう。ふふっ、よく似ている。リゲル早く起きて
こないかなぁ。星のためにも、君たちの面倒を見ると言っていたぞ。
しかしモールの乗りは、リゲルだったな。彼はリゲルに2度しか会ってないのだよ」

ノルドが微笑んでいたが、突然何か気が付いたように話し出した。
「今話しながら、自分の事も考えていたんだが、私はリゲルと一緒に生きる事に
なった。リゲルの中にいる。それならもっと強烈に似ているところがあっても、
いいのじゃないかなと思ったんだが、どう思う?」

「確かに、リゲルに似ているところをあまり、、と言うか、感じた事はありませんね。
医者として常に見ているからでしょうか?リゲル自身を感じる事はありますが」
とボォンが、改めて考えていた。

「確かに、私もそう思います。ドクター・ノルド」ベテルが言った。

するとランが何か感じたように話し出した。
「私もそう思うよ。ノルドには常にリゲルを感じるが、似ていると感じる所はないね。
リゲルの中にいて私も、彼とガッシュやリゲルに似ていないか。本当にそうだね。
ん?オリジナルの私が”いっぱい違う、いい”の意味だって思うのかな?ベテル」
「私は、そこにいた者として、そう感じます」
きっぱりとベテルが言った。
「はははっ!まるで、ガッシュだ!“そう感じる”ガッシュの口癖だよそれ」
ランが笑った。
「そうですか?オリジナルです。そう思ったのですから」
ベテルがちょっと不服そうに言った。
「はははっ!ベテル、面白いね。確信もって言うところは、ガッシュに似ているし、
さっきのように、まるでリゲルを見ているようだったり、でも彼らは彼らだ。間違えなく
オリジナルが光るものさ。さて私は何を光らせるかな。ラン少し戻って来たかな?」と、
ノルドがランを診ている。
「ノルドはそのままですから。ベテル、ノルドはシティのNO.3に入る怖さなんだよ」
ランがベテルに言った。
「えっ、ドクターがベガの次ですか?」
「それじゃ、NO.2だろう。はははっ。怒るぞ彼女。ラン人聞きの悪い言い方はよせ」
「でも私は、あの場で本当に恐ろしいと思いましたよ」

「相手がリゲルじゃ、命がけでも話にならないと分かっていても、他に方法が思い
つかなかったんだ」
「そうですね。ノルド貴方のおかげで、今リゲルもベテル達もここにいます。あの時の
リゲルを止める事は、他の誰にも出来ませんでした。この世界の恩人の一人です」
ベテルの大きな美しい緑の目には、
涙がいっぱいになり今にも零れそうだった。

「ドクター・ノルド、リゲルを、ありがとうございます。、、、でも、何でこんなにも、
皆さんはつながりが深いのに、、、」
「ベテル、今度は随分と違うものの言い方だね。ふーぅ、まったくベテルが不思議に
思って当たり前だ。ベテルはずっとそのままで居てくれる?」
ランがベテルに言った。
「そのままって?」
「ここで彼らと付き合ううちに、私達はいや互いにこの迷路につかまる。それぞれに
苦しむ。その迷路に、はまらずに行ってくれるといいな。ベテル」
ランベテルに手を出した。
ベテルは、大きな両手でランの手を包み込み泣いていた。
ボォンも涙を拭いていた。

「リゲルに似ている、、、だからこそ君はこの迷路に、はまって欲しくない。本気で
それを防ぐ方法を考えたい。シティ1番の情報量も、何の役にも立ってないな」
「先ずは私が迷路からでなくては、防ぐ方法も見つからないか、、、。なるほど、、、
なるほどベテル、ありがとう」

ベテルがかがんで不思議そうにランをみた。
「何か私が、役にたったのですか?」
「うん君と、今目覚めたリゲルが私に教えてくれた。リゲルが起きた。ノルド」
「ラン、リゲルの所へ行くよ。ベテルありがとう」
ノルドが、嬉しそうに微笑んで消えた。


<遥かなる時の流れ、一瞬を生きるものとしてここに>79

  • 2008/04/06(日) 15:24:31

<遥かなる時の流れ、一瞬を生きるものとしてここに>79


ノルドは、リゲルの部屋へ帰った。
彼の寝室は、間接照明がついていて、いつもより明るい。
「リゲル!起きた時にいなくてごめん。でもランの事をありがとう」
『ん?あれはベテルだよ。でもおかしいねノルド、ランは気がついていないんだ』

「そうだね。」と、ノルドが嬉しそうにリゲルにいいながら彼を診ていた。

「身体は、動くようになったのか?」
『少しずつね。ふふっ!そんなに、、、あぁ、全部わかったよ。ノルド、ありがとう』
「全部本当かぁ?いろいろあったんだぞ」
「ん。ちゃんと所々では起きているから、つながっている。皆の心が報告に来てい
るし、、、シティを、賑やかにしてしまった」
「今度は、もっと長いのかと思っていた。それに時々起きていたし、どうなんだ?」


「俺さぁ、ちょこちょこ起きるのか、寝るのか。どっちなんだろうな?はははっ。
今回は、大変な事も、面白そうな事もあったから、起きてきたかったのに、、、。
皆で寝ていろ!と言うし、後からついていくことに決めたから、しょうがないかと
思って」

「リゲルの身体のことを心配しているんだ」
「ん、、、でもこれはずっと追いつかないと思うけど。鍛えりゃ良いという訳にも
行かないだろう。このパワーに、相応し身体って、どのくらい大きければいいと
思う?俺はもうこれ以上でかくなくていいぞ。それなりでいいのに、それもいつに
役にたつのか、分からん膨大な情報や巨大なパワーって、ガイヤじゃないけど
必要な時に出てくれば十分だよな」

「リゲルはそうなる絶対に。君の未来をそう感じた。説得力無いか?」

「それで説得してくれたのかぁ?必死でコントロールしなきゃ、ならないなんてこと
自体すでに歯車が外れている。他の世界から来たガッシュや彼は別だけど、
俺はここの生まれだ、、、彼もか、そう、、俺達の先祖って他所から来たらしい、
最初から、そういうものだと思えばいいか。俺ってそういう奴ですって。ガッシュは
ある意味、開き直ってスッキリした部分がある。ベテル達は、どうなっていくのだ
ろう。いやだな。俺は我慢しても彼らには嫌だな。ランの言うように、迷路に迷い
込まない方法を探し出さなくては」

「ランもリゲルもいろいろあるよな。でも彼等の望んでいる事は、未来の平和の為
に今を共にだろう。彼等も自分達で何ができるかを悩んでいる。そしてランや君
にその可能性を強く感じて、どのパターンで分かるのか、手を変え品を変えなの
かもな。今の自分ができることをやりたい一心で、皆ここにきている。俺は皆と
同じ側にいるが、リゲルとランはそうはいかないというわけかな。君等があまりに
遥かに遠い事が、最初から分かっているから、リゲルの中にいられる事を誇りと
思って安心しているがな」

「あぁ、どうせ俺は分かってないよ。傲慢にもこの銀河一だと思っているよ」
「ん、開き直ったな良い事だ。まずは銀河一で十分じゃないか?身体もそれに
相応しい。それじゃ嫌なら別だ」
「俺寝ている?なんだか、面白くない夢だ」
「もっといい夢見ろよ。俺のリゲルたちとの未来の夢はむちゃ楽しいぞ」
ノルドとリゲルが一緒に笑っているところに、
ベガから”今から行きたいのですがよろしいですか”と、コンタクトがあった。

ベガが、ランを連れて現われた。
「リゲル!!」
「ベガ、ランご苦労様でした」ランもベガもリゲルの笑顔に、胸が痛くなった。
ベガは今にも、涙が溢れそうで
「少しは元気そうになって良かった。この間は本当にショックを受けました。シティ
で皆が喜んでいます」

「心配かけたね。でもねこれからもそんな感じだぞ。そういう奴だと言う事にして、
適当にいたり、いなかったりすると思っていてくれればいい。まぁベガの涙は
特別だけど。益々綺麗になったね」

「そんなわけにはいきません。だってリゲルは人の心を引き付け過ぎるもの
貴方に出会ってほって置ける生き物なんて、この宇宙のどこにもいないわ。私達
皆ガッシュも彼もビックマインドでさえ、貴方に捕まったのでしょう。貴方から溢れ
ている独特のパワーに触れていると、気持ちがいいし安心するのよ。皆が中毒に
なっているの、だから責任とって元気な顔を見せてくれなきゃね」

「ベガ、すごい!ベガのガッシュ版だ。こりゃ参った」とノルドが、大笑いしている。

「ノルドが参って、どうするんだよ。ベガありがとう。そうありたいと強く思う事が
俺には足りないのだな」
「そうです。リゲルのパワーで強く思って、そうならないと断言できる人は
いません!」

「ベガは、さすがに姫様ですね。物の見方が違う、正論をきちっと、おっしゃる。
それでリゲルも参ったの?くくくっ!」ランが笑っていた。

「正論?ん、たぶん参りました。ここにいる皆の期待に添うよう生きていく、誓うよ。
必ず努力する。中毒の件は、しっかりガードしコントロールする。
垂れ流しはしない」

「リゲル、、、」ランとノルドは、リゲルの中に変化を見ていた。
「あっ、そういう意味で言ったのではないの。もう中毒でしょう、切れると大変な事
になるかもしれないという意味。リゲルはどうしたのかと、皆が毎日押し寄せて
くる事は間違えないわね」

「必要な時は、言ってくれ。なるべく、なるべくだぜ、そうする」
「リゲル?ちょっと素直すぎるな」
ノルドが少し怪訝な顔をして、『触れてもいいか?』と伝えてきた。
「いいよ。囲まれているじゃないか、身動き取れないようになっている。皆の役に
立てば十分だよ。生まれてきて良かったと思える。皆と出会えてよかったと
思える」

『何で、リゲル、、、』
リゲルは、大きな美しい瞳は、ノルドの瞳の奥深くを覗き込むように見つめていた。

「リゲルは、ある程度素直じゃない方が安心ね。なんか変だわ。起きたばかりで
まだ調子が元どおりじゃないのね。ごめんなさい。長居したわね。ランもういい
かしら、戻りましょう」
「ベガ、私もリゲルと少し話がしたい、久しぶりだ。悪いけど、先に戻っていてくれ
ますか」
「わかりました。リゲル、、、ごめんなさい」
「ベガなんで?謝ることじゃない。今は、そうありたいと思えるから言ったのだよ。
次に目が醒めた時は、前言撤回なんて言うかもしれないし。ふふっ」
「それも困るけど、ありがとう。リゲル」
「うん、本当に綺麗だなぁ、ベガ、美しい、いっぱい良いだよ」
「まっ!ガッシュじゃないんだからよして、リゲル、じゃぁね」と言って
ベガが出て行った。

そのまま暫く沈黙が続いた。

<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに>80

  • 2008/04/06(日) 19:15:35

<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに>80

そのまま、暫く沈黙が続いた。

『素直だと、文句言いたくなるのか?俺、やっぱり寝る事にする、いい?』
『リゲル、私はまだ殆ど話をしていないよ。いつも、、、』

『彼から、俺を守れと言われているんだろう。迷惑な役目を言いつけられたな。
だいたい彼も、手を焼いているのに』

『彼がどんな思いかも、分かっているくせに』
『俺の思いもか?ラン間に入って苦しいな。ラン自身の事を誰が見ている?』
『皆が見ていてくれています。リゲルも、、、』
『自分を見ろ。俺や彼らはお前じゃない。お前は誰なんだ?』
『どういう意味です?!』
『ランが見えるところに俺はいる。ラン自身が自分の道を行くんだ。俺はゆっくり
行っているよ。危ないけど、、、、。』

「リゲルのテンポでいい。君のゆっくりでいい、彼もガッシュも、それぞれの速さで
動き出したよ」ノルドは改めてそのことを言った。

『ん。そうだな。分かっている。今のところ死なない程度で少し役に立てば十分だ
いつか俺の中にある全てが、どうしても必要になるのかもしれない。宇宙では、
今この瞬間にも星々や、銀河自体の崩壊、誕生を繰り返している。どこかで必要
になれば呼び出されるかも。それまで皆の期待にそうように生きて行きたい。
それともすでに皆が話していたように、それぞれに思いは受け継がれ、時には出
てくるのかも知れない。俺は身体がついてくる限り、自由に対応する事にした』

「それは誰の自由なんだ。お前のじゃないだろう。究極だなまったく。
外からもどって、ここに休みに来るんじゃなくて、死なない程度になりにきている
のか?君の好きな子供達を見に行こう。俺もずっとプレイパークいってない」

『ここからいつでも見られる。モールの事もチップの事も知っている、迷い込む
迷路は俺が持って行く。誰かが入ろうとしたらリゲルが死ぬと脅しておけ。
ラン分かったな。彼とランとミントリア湖で遊びたかったな。いつかやろうな。
俺と水中か、気持ちよくて溶ける、、いや、俺が解けそうだ危ない。もう寝る
、、ノルド』

ランが怒ったように言った。
「何を言っているんですか!リゲルの体に都合には、どうしたらいいのですか?
死なない程度では困ります。元気な顔を見せてくれるはずじゃないですか。
元気になって、何時でもどんな予定もキャンセルして、ミントリア湖へ行くんです!
絶対にですよ」

『まだ寝させてくれない気か。ラン何時でもいいのか?俺別に寝てるのが好きな
わけじゃない。何か面白い事でもないと退屈すると止まるようだ。だからたまに
起きてみれば、お説教だし、元気にと言われても、たぶん、、ふふっ、じゃ今度
行こう約束だ。彼は戻ってくるかな、あぁ彼の星だもんな。俺とランが行けば
いいわけだ』

「君の為にどうしたらいいんだ?リゲル」
『前も言っただろう、今はこういう時なんだよ。でも皆の未来に向かって少しずつ
変化しているし、皆の思いに応えたいと思っているよ、かなり。
だからノルド起きて来ているんじゃないか』

「なんだ、寝ているのは好きではないと言ったり、わざわざ起きて来ているような
事を言ったり」

『どっちも本当だ。止まりそうになっているのは、やばいだろう。無理やりにでも
起きる、それも問題ありだ。でも永遠には続かない、、、、。
もう、これも勘弁してもらいたいな。かつて思っても見なかった、肉体の痛み
苦しみは経験済み、終了にして次へ行きたい。これは強く思えるな。
痛いのがいやだって言うのは分かりやすい。、、、何?ラン俺の家族?
いらぬ事だ!もちろん家族は俺に良くしてくれたよ。十分に責任を果たしてくれた。
俺はそのお礼に家族でいた事を忘れさせてあげたい。そういう所にいる存在だ』

「えっ!だって肉親じゃないの?、、、、」
『育ての親だよ。ランと似ている俺は一人だった。
ラン!だったと言ったのだぞ。
これ以上は聞いても無駄だよ知らないんだから。
それで彼らと仲良く迷路に迷い込んでいたのか?もう迷路は要らない。
俺がどこかに捨ててくるさ。何だ、まだ山のようにある?、、、、じゃぁ付き合うよ』

「付き合うって?リゲルは、迷路は」
『ラン質問ばかりだな、相変らずなのか?ノルドが顔色変えない程度に付き合う
と言っているんだ。俺の迷路、、、、俺はもう進んでいる。このシティにいる人たち
と同じ条件だよ。特別なおまけは無しの道だ。今は誰も手を貸せないから努力
している』

「リゲル、俺はすでに顔色変えっぱなしだぞ」ノルドは怖い顔をしていた。
『すまんね。寝てるとノルドもつまらなそうだし、起きてると心配ばかりだし。
厄介なのに捕まったわけだ』
「覚悟していた、ゆっくりとも分かっているが欲も出てくるさ。お前のせいだぞ」
『うん、全部俺が悪い』

「リゲル、ガードを高くしてコントロールしているのは疲れないのか?」
『いや、低いだろうが。ふふっ、こんな事を話す為にいるのか?ラン良かったら、
君は誰かを全部見てあげるよ。質問にもできる限り、答える』

リゲルは、ランのブルーの目をジッと見つめ覗き込んでいる。
ランの目には涙が滲んで来た。
『コントロールするつもりはないよ』リゲルは待っている。
「リゲルに負担にならない?ちょっと辛そうだから、また次の時で」

ランはリゲルから目を外して、ノルドを見た。
「ランが、よければ早くしたら良い」ノルドがランに返した。
医者ではなくノルドとしてリゲルの思いに、同意したかった。

『君の役に立てれば負担にはならない。ただあまり長い時間は、、、だから
まとめてで悪いね』
「ありがとう」
『ランちょっと悪いけど下げて、お前高くなって、、、俺は今自分でいっぱいなんだ。
それはまずい』
「リゲル、やっぱりやめた方がいい」
『俺の気が変わって、次はないかもしれないよ』
「もっと下げる?」
『、、そんなに下げなくて大丈夫だよ。ふふっ』

ノルドも一瞬、あのリゲルの何ともいえない気持ちよさに包まれた。
ノルドは思った。何で俺まで泣けてくるんだ、間違えなくリゲルに中毒だなと。

ランの頬に涙が止めどなく、つたってあごの先から落ちていく。
リゲルは目を瞑ったまま、目じりからひと筋涙が流れていた。
『ラン、そのままでいてくれる?』
「はい」
リゲルが上半身起した状態になっているベッドの上から、その長い手を伸ばし
ランを抱き寄せた。

『ランは大切な弟だ、ずっと永遠に忘れない。大丈夫か?君の方が震えている
じゃないか』
「、、、リゲル、ありがとう。大丈夫感動で体が勝手に震えるんです。止まらない」
と言いながら、涙を拭いている。
リゲルはその大きな美しい緑の目を開き、優しく微笑んでランを離した。

『ベテルのフォローなら大丈夫かな?』ランが聞いてきた。
『わからない、、、もう寝るからいい』
ノルドが
「そうだな、ベテルなら良いかもしれない。リゲル寝るのは、ちょっと待て」
と言うとベテルを呼び出した。

『ベテル、リゲルの所へ来て貰いたい』
『わかりました』

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