<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに> 31

  • 2008/03/14(金) 22:27:33

<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに> 31



いつもの見慣れた星々が輝く宇宙空間に漂いながら、リゲルは自分を
解放し彼を追っていた。

『リゲ、、ル、危険だ』

『危険?』
『、、私は常にリゲルもランも感じている、だから私は決して君達を見失う
事はない。リゲルに私の世界の入口を見せた事で、君の驚異の能力は、
かすかにだが、私を見失わないようにと片時も離れずにいる。
しかしそれは2つの世界に同時に居ようとしているようなものだ。
そのせいでに君のその素晴らしい奇跡の生命力は奪われている。
突然急激にダウンしてきている、どうしてよいか分からないのだろう。
君の苦しさが私にはわかる。
リゲルが止めないのなら、それを止める為に命をかけてでも行くつもりで
こうしてコンタクトを取っている。

私ではなく、君自身と自分の住むの世界をよく見るんだ。君達の目的は
私の世界に来る事ではないはずだ。いる場所は違っても同じ時を生き
ている。今始まったばかりだ。君を失うわけにはいかない。
私の言っている事がわかるか?リゲル自身の中に君の未来があるんだ。
自分の足で歩むのだ』

『どうしたらいい、、、、』リゲルの呼吸は荒くなっていた。

『ダイレクトに追ってくるな。リゲルはリゲルでいることだ。君の声は届く。
出来うる限りあらゆる形で残してある。』

『それでいいのか?それで貴方が命がけで来る事はなくなるのだな?』

『そう願いたい。すべての生命は大切だ』

『わかった。わかったから、、、、、来ないでいい。ランとゆっくり行く。
それまで、、、さようならだ』

『リゲル、何があっても生きろ、強く生きていく、、、その先で』

リゲルは、今まで呼吸せずに突っ走ってきた分を取り戻すかのように
苦しそうに息をしていた。
突然リゲル本来の力強くて暖かいパワーが広がった。
一瞬だが。まるでこの銀河が共鳴したようだった。


リゲルがシティに戻った。


『彼の部屋だ!俺が持って行く』ガッシュが言ったが、ノルドも共に飛んだ。
部屋の前に、彼のパワーがもれていた。

『リゲル、入るぞ!いいか?』
3重の扉が開いた途端、強烈な光のようなものを感じ目眩がした。

『ふーっ、ノルド大丈夫か?』『あぁ。リゲル、大丈夫か?』

『悪かった、、、待ってと言おうとしたのだが』リゲルの声だ。

『ランが心配していろいろ用意した』

『ありがとう。全部置いて、すぐに出て、、、、ガッシュ行け』


ガッシュは、ノルドを連れてメディカルセンターの特別室に飛んだ。
その途端、ランの叫ぶ声が響いた。

ガッシュとノルドは、すぐランを押さえつけようとしたが、
「触るなっ!!」とランが怒鳴った。

ランのパワーは周りに乱れ飛び散り、心は硬く閉ざされて情報を得られ
ない。

ベガは、「ランが、ランが急に、、」と薄紫の目に涙を貯めている。
他のスタッフも緊張し慌てている。

ボスと医長が「ラン落ち着け!シティがパニックになる」
ランを落ち着かせようと必死だ。

その時ランの心が叫んだ。
『だめだ、リゲルッ!!』

その時突然
柔らかいリゲルのパワーがこの部屋に充満してきた。

『ラン、落ち着け。ありがとう、、、、、楽になった』

リゲルのテレパシーは特別室の人々に伝わリ、ランの叫びの理由が
わかったと思っていた。

『、、、心配しなくても良い、ここにいるから』
リゲルのテレパシーとパワーは消えた。

『ラン、これからリゲルの所へ行ってみる。必要なものを補充しにな』

『私も行く!リゲルは、、、何とかしなくては』

『リゲルはランを心配して、今来たのだ行っても無理させるだけだ』

「ラン、我々は行ってすぐに”出ろ”と言われて戻ったんだぞ」
ガッシュがランに説明していた。

「ボス・医長、そしてスタッフの皆さん、お騒がせをしました。チェックは
落ち着いてからにするから、少し私達だけにしてもらいたい」

「そうだな。『センター内も今の事で驚いている、ひと回りしましょう』
さぁ、皆出て」

ノルドはやれやれという感じで言った。
『リゲルとランのおかげで、寿命がだいぶ縮まったよ』

『ノルドとガッシュには、彼がわからなかったのですね、、、、』
ランは、まだ震えていた。

『彼?ランは、、、、』
『ガッシュ、いい』ノルドは、ガッシュを止めた。

『ベガ、驚ろかせたね』
ランは、少し落ち着きを取り戻してきたようだった。

ノルドが小さな声で言った。
「たぶん、俺が一番早く寿命が尽きるなこりゃ。ベガ、手を出して」

「よし、さすがにベガだ。早い」

「早いって、ノルドとガッシュは?」
「何がなんだか解らないが、ともかく落ち着けとまだ言い続けている」
ガッシュが笑っていった。

「ガッシュは、ここにいてくれ。リゲルの所へもう一度行ってくる」
ノルドが言った。
「入り口で少し待ったほうが良い」
「あぁ」

ノルドは、リゲルの部屋の前に行って話し掛けた。

『リゲル、補充して持ってきた。足りない物があるか?』

3重の扉が開いた。
先ほどとは違う穏やかなパワーに満たされている。

『ありがとう皆を驚ろかしたな。ランと一緒に俺も暫く休暇を貰うよ』

リゲルが横になっている巨大なベッドの横に、空になった栄養剤や薬.と
一緒に置いてあった。

「これは?、、彼のを使ったのか!いつからだ。
彼以外使えるものではない。危険過ぎるぞリゲル」


『彼のシップに積まれていた。後は部屋にあったから貰った。今俺の
役にたっている。身体が彼の倍近くある、量的な問題はないはずだ』

ランはセンターの特別室からリゲルに必死で伝えてきた。

『リゲル、いくら身長が倍近くあっても、彼の体重は見かけとは違うのを
知っているでしょう。使いすぎです。お願いです止めてください!』

『ラン心配させて申し訳なかった。この薬の事は、ドクターボォンから
聞いていたのだろう。彼はもう俺を止めに来たよ。命がけでも止めさせる
と言われた、、、。 彼はこの薬の事をしっていたが、これよりも問題は
他にあった。俺には必要だったもう大丈夫だ。ここにいる、少し休養だ』

「ランが叫んだのは、それを使ったからだったのか、、、、
リゲルを診たいがこれ以上側にもよれない。人のフォローをしている
場合じゃないぞ。今はともかく、ゆっくり休んでくれ」

『ん、ありがとう』


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<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに> 32

  • 2008/03/15(土) 16:12:41

<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに> 32


巨人のリゲルを真ん中に、メンバーズルームで談笑していた。

「だから、ここにいると言っただろうに、シティじゃ休んでいる暇ないな。
皆で次々やって来て、それで言っている事ときたら、”ゆっくり休んで”
休ませてくれだったんだぞ!はははっ」

「それでも、リゲルの所はクローズだとして置いたのだぞ。医者とボスと
俺たちだけだったろう」

「リゲルが心配かけるからだろ、だいたい普段がタフすぎるんだ。
だから”リゲルが”って皆パニックだったんだろ。ノルドなんか、俺が一番
早く寿命が尽きるなと嘆いていたんだぜ」

「おい、ガッシュ!、、、。できれば一人ずつにして貰いたいもんだ。
ガッシュ以外の皆が緊急というのは、もう勘弁してくれ!だいたい俺の
面倒は誰が見るんだ。ガッシュ少し勉強してもらおうか」
ノルドがガッシュを見上げて文句を言った。

「ガッシュは間違えなく頑丈な作りだ。でも少しじゃなく、しっかり医者の
勉強はどうだ?ノルドには内緒だが、皆でまとめて医学を頭に入れよう。
ははっ!」リゲルはニヤッと笑っていった。

「どこが内緒なんだ!まとめて入れるたって、そんなに余裕ないぞ。
俺のここは」ガッシュは頭を指先で叩く。

「皆バージョンUPが必要か?大丈夫コンパクトにだよ。彼が言うには、
俺の情報量が指の先だとすると、彼の情報量は銀河大に遠くないとさ、
どうすりゃいいんだよなぁ、まったく。それから思うと、俺達はほとんど
同じというわけさ。ランは別か、星ぐらいになるのか?」

「自分でもわかりません。今のリゲルの稼動状態が指先なら、星だとし
ても、うんと小さい、やっと一人立てるぐらいの。くくっ。でもリゲルが、
フルでその情報を使う時は、どこまで拡大するのでしょうね」

「いや、ランは違うぞ。彼に一番近いだろう」

「一番近いと言ったって、リゲルが親指だったら、私は小指程度の距離
の差で、彼は銀河でしょうか」

「また、とんでもない話になってきた。非常識な人の集まりだ。勘弁して
くれよ」ガっシュが、わざと頭をに手をやって難しそうな顔をした。

「たしかに、人としての常識の中に誰も当てはまらないな。はははっ」

「あら!当てはまらない部分があると言い直してよ。失礼だわ」
ベガがふくれている。

「あっははは!部分があるだな。失礼しました」

「おい!ランなんだよ。幸せそうな顔しちゃって。まるで恋人が戻ってき
たみたいだぜ。はははっ」

「ランのそんな顔はじめて見たわ」ベガは隣りの美少年を見ている。

「本当に幸せを感じているんです。おかしいですか?」

「いないと思ったら仕事を抜けて、何を楽しそうに話しているんだ?」
ボスがメンバーズルームやってきた。

「あら、休憩時間は終わってましたか?」

「いや、まだだよ。この間のメディカルチェックの結果を、メインコンピュー
タールームのスタッフが、やっと何とか整理がついたようだ。よかったら
お揃いでコンタクトしに行かないか?」

「そうだな、知る事は大切だ。そうだろう、ラン」
「そのとおりです」

「ではメインコンピュータールームで、直にコンタクトをとろう」

「おお!それはいい。ついでにいろいろと、、いいかボス」

「リゲルらしいな、君達に必要な事は、いつでも当然許可する」

入口で全員チェックを受けて入った。
「バージョンUP以来初めて入った。なんかワクワクするな」


[皆さん、ようこそ、さぁ、どうぞ、お待ちしておりました]


「リゲルが、先にだろ」
ガッシュが、ニヤニヤしている。

「ありがとう。時間の短縮と情報の共有ができるから、まとめて伝える
のでもいいか?」

「その方がありがたいが、皆だいじょうぶなのか?」

「それぞれに合わせる。ボスもできるだけ、知ってもらえれば嬉しい」


[リゲルが情報を受けるのですね。解りました。用意はできています]


「それは簡単でいい」
リゲルは、メインコンピューターのサイドにあるパネルに、その大きな手
を置いた。


[途中で質問や中止したい時は、手をパネルから一度離してください]


メインコンピューターの稼動状況を示す光が、コントロールパネル上に
一斉に光りだし、スタッフが慌てて、コントロールパネルの前に立ち、
異常を調べようとした時、その光はすっと消えていった。

リゲルの瞳はいつもの美しい緑ではなく、金に近い黄緑色に輝いていた
が、首を少し傾けて目を瞑った。テンションが少し上がっている。

今度はコントロールパネルが分野別に、次々全面表示になっては消え
たが途中で止まった。

「ありがとう。これからもおおいに利用させてもらいたい」

[リゲルは彼の言うとおりに、経験を通して飛躍しまさに驚きの奇跡の
生命体と言えます。貴方の情報を更新します]

「いったい何をしたのですか?」
スタッフがコントロールパネルに出ている更新の表示の量に驚き、
思わずリゲルを見上げた。

「いろいろと見せてもらった。保存してある情報を引き出す事も試した。
これで必要な時にだいたいはOKだろうし、細部に関しては、いつでも
コンタクトを取れる」

「表示がおかしいのですが、情報は得られたのですね」

「正常に作動している。おかしいのは俺の頭だよ。彼のおかげでな」

「全面表示になっていました。有りえません」

「UPしたこのコンピューターの事は、今日初めてだから”ありえない”と
言われても、”そうなのか?“としか、言えないんだがな。さて、お待ち
かねだな」と皆の方に振り向いた。

「リゲルの目が金色みたいな黄緑になって綺麗だ。どういう状態なんだ」

「ちゃんと見えている。ちょっとテンションが高くて、頭がたぶん全面表示
の状態だ。くくっ」

「リゲル凄くきれい。いつもそれでも素敵じゃない?」

「ありがとう。でもいつもと言うわけにはいかないな。ふふっ、さて少しず
ついこう。必要なものは頭において、後は、あそこにおいて置けばいい。
試しにコンピューターとコンタクトを取りながらやろう。その前にノルド、
今俺がどう見えているかを見せよう、興味があるのだろう」

「リゲル私も」
「じゃ、ここにいる皆に綺麗だぞ」

「うぁっ!なんだよこれー!」
「綺麗、まるで別世界ね」
「これが見えているのですか?信じられない」
「これをどう処理しているのですか?」

「処理?俺はそのままさ。例えば、ガッシュのやたらに頑丈な体から
出ているパワー凄いよな。頑丈な体を支えている毛の生えた心臓は、
こういう事になっている。遺伝子情報も過去から現在、、、、ガッシュの
変だぞ?何だか面白そうだ」

「リゲルに言われたか無い、人の遺伝子勝手に分析して面白がるな!
ところで、これを全部、何とかしようとしなくて良いわけだよな」

「そのとおり。ほって置くに限る。俺、一々驚かんようになった」

「ほって置くって?知りたい情報だけ今のように引き出してくるわけか。
しかしなぁリゲルじゃないんだぞ」

「光の信号としてすべての情報が、こう見えているのか?脳がやって
いる仕事を中で見ているような感じだな。綺麗だ」

「俺よりか、リゲルを見せろよ」ガッシュがリゲルに言った。

「刺激が強すぎるよ」

「確かに非常識だ。わからんでもないなぁ」

「おい!」
一斉に笑いが起こった。


メインコンピューターはリゲルのやる事を見ていた。
[すばらしい。ポルキシアンでも把握しきれないでしょう。情報を得るほど
に、生命とはまさに神秘です]

「彼のやった事の真似事程度だ。それなら彼はいったいどうなるんだ?」

[情報から何らかの結論を導き出す事が困難な存在と言えます]

「そうだろうな。じゃぁ、今日はありがとう」

「リゲル、俺たちには?」

「終わりだ。ボス、この後俺達でもう少し時間を貰いたいがいいか?」
「わかった」

「実感がないな。頭が重くなったわけでもないし。はははっ」

「情報に重量がなくてよかったな、即死だ。これから扉を開けるが
頭蓋骨と首には気をつけろ。ははは!俺の部屋にいこう」




<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに> 33

  • 2008/03/16(日) 18:00:50

<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに> 33



「すごいな、リゲル。使いこなすには、どのくらいかかるだろう」

「我々の仕事がその程度で済むものなら、どれほど嬉しいか」

「あぁ確かに。ところで俺は、これでノルドの主治医になれるのか?」
ガッシュガ言った。

「メディカルセンター非公認のだな、医学試験に合格できるだけの情報は
得ているし、現場での実践は十分にパスしている。そう言った意味では、
皆は立派にメディカルセンターの医師として受け入れられるが、
ガッシュが主治医か、やっぱり俺は病気には、なれないなぁ」

「病気になってもらっては困る。悪いが君には主治医が4人いるぞ
当たりの時もあれば俺の時もある。覚悟しとけよ」

「できればベガがいいかもしれない。リゲルやランは、いざと言う時に
テンションが高すぎるし。はははっ」

「あら、私でいいの?私は厳しいので有名よ」

「ベガはたぶん怖いぜ。ふふっ、俺の高すぎるテンションで我慢しとけ」
リゲルが、ガッシュに、ぐっと顔を近づけて笑いながら言った。

「くくくっ!」
「ふふっ」
「がはははは!」

「笑っているが君達を相手にしていては、一番早く神経か寿命が擦り
切れるのは俺だぞ」

「ノルド、心から申し訳ないと思っていますが、私達はこれからも貴方の
世話になります」
「いや、ラン。私は幸せだと思っているよ」

「どう見ても同じ星の出身には見えないが、ガッシュとノルドの寿命は、
平均寿命のどのくらいに位置するかと、、」
リゲルは瞳の色を変化させて、彼らを見つめた。

「おいリゲル、見つめるな。寿命が解るのはあまりありがたくないぞ。
シティには、数多くの星から人々が来ていて、我々と同じタイプでも」

「そうか?教えてもいいと思ったが、ふふふっ。これからの予想シティ
平均は120〜150の範囲内だが、そこら辺で手を打つか?」

「手を打つ?皆に役立つ程度でいい」
「ガッシュは大丈夫だ。恐ろしく頑丈だ。ノルド、、、」

『ノルドにも頑丈で長生きをしてもらわねば、我々も困るのだ。どこまで
できるか解らないが、少しでもいい影響を出来たらと思う』
リゲルの緑の瞳は、美しく色を変化させながら輝いて、ノルドを覗き込ん
でいたが、突然その長い手をノルドの身体に回し、全身をそっと
抱きしめて片手を,ノルドの心臓の上に置き、状態を見て影響している。

ノルドも皆も驚いて、声も出なかった。
「ノルド少し強い?苦しいか?」

『バカやろう、、倍以上あるでかい奴にいきなり抱きしめられて、パワー
をあげられて、苦しくないかだと?、ビックリしすぎて心臓バクバクだ』

「少し下げる、もう少し我慢しろ。ノルド、彼の置き土産の扉がまた開い
たようだ。ノルドとガッシュの潜在能力は、まだまだ上がる」
『もう少し我慢しろ?!この場合、誰でも止めろというだろ』
ノルドは腕の中からリゲルを睨んでいた。

「くくっ!リゲル、いきなり抱きつく癖は直した方がいい、誰でも驚くに
決まってます」

「そうだな悪かった。俺よりでかいのには、そう出会うことはないからな。
俺は必要を感じれば、抱きしめる奴だとインプットしてくれ。生命自体に
影響するには、これが一番手っ取り早い。でもまぁ、それも今のうちだ」

「ノルド、すごいぞ。俺は本当に嬉しい」

リゲルはノルドを身体から離し、支えながら座らせ、その大きな右手を
ノルドの胸にかざした。先ほどとは違う、柔らかなバイオエネルギーが
伝わってきて、胸が温かくなり動悸が収まった。

「日頃からノルドは、医者として常に命にかかわっているのだからな。
かなりきつい仕事が強いられているわけだ、暫くノルドがコントロールで
きて落ち着くまで、意識してみているよ。少しずつだが、しかし驚くような
変化を遂げるよ」

「それはリゲルだろ。君はそれこそ、休みなくだ」

「まだ、自分のコントロールが下手だからだ。だいたいこの俺に
”抱きしめる良いか”と言われて、”ハイ、どうぞ”とは言えんだろう。
ぶははははっ!」

「抱きしめるぅ?!気味が悪い、、ぷはっ!がはははぁ」
ガッシュの大笑いにつられて、皆笑った。

「ガッシュ〜」リゲルがニヤニヤしながら、手招きした。

「げっ!止めろ!俺とお前だぜ。でかい野郎が二人、、、絶対に止めろ」

皆が勝手な想像して頷きながら笑っている。

「いやぁ〜この銀河1の美丈夫だ、皆羨ましがるぜ。こんな機会を
大切にしたいもんだな」

「リゲル女性陣から一気に嫌われても知らないぞ」
ノルドは真面目な顔だ。

「やっぱ近いうちに外が良いな。ある程度周りを考えずに済むし、
パワー上がるよ?ガッシュを気絶させた事のある奴は、いないそうだし。
限界まで無理やりと言うのも、かえって飛躍するかもな。がはははっ」

「殺す気か?!冗談じゃないぜ。おい」

ノルドは二人の会話を聞いてニヤニヤしていった。
「俺はガッシュみたいに、頑丈でなくて良かったと思えてきたよ。フフッ。
気絶したら、今度はメディカルセンターNO.1の医者が見るから安心しろ。
ガッシュの心臓には剛毛が生えている事だし、多少ハードにやっても
大丈夫だろう」

「ノルド、俺にそんなこと言っていいのか?俺がお前を診ることになって
いるんだぞ」

「そうだったな。でもそれは他に誰もいなかった時だけだ」


「ベガが驚いて固まっているようですが?リゲル」ランがベガを見ていた。

「あっ、ベガは違う形でと思っているよ。少し時間をかけてやればいい」

「リゲル、私、、、もし皆がそうするのなら、同じでも」

「なんだよリゲル、まとめて情報を伝えるのに抱きしめなくて出来るの
なら、皆を驚かせずに済むじゃないか!」

「あはは!情報を伝えるのにいちいち抱くのか?そりゃ大変だ。情報も
得るし伝える事もついでにするが、それより皆の扉を開くのが俺の役目
なんだ。本当はシティの子供も皆もと思うが、この形では君達でやっと
かな」

「やっとって?それはまた少ないな」

「皆はこの世界の誇る素晴らしい能力の持ち主だし、彼と共に飛躍して
きたから耐えられるんだろう。俺にこれでもギリギリだと彼が言っていた
ことを思い出しているよ。皆に直接触れる事が、難しくなってきている。
今の俺にとってギリギリだということだ。
皆だけでなく自分に対しても、この世界に対しても、コントロールを学ん
でいる最中だ。今回のような経験もはじめてだし、まだまだバランスが
上手く取れない。申し訳無いな」

「彼は確かに、私にもそう話した事があります。これでもギリギリで皆に
合わせているって、怖いぐらいに飛躍しているのですね。
リゲルに触れられるのも、今のうちかな?」

「ちゃんとコントロールできるようになれば良いのだ。そしたら思う存分
抱きしめてやるぞ。ははは!」

「なんだか、それじゃ怖いじゃない。いやだ」

「心配ないですよ。彼の美しい緑の瞳の中をゆっくり散歩するといい、
そのうちに終ります」

「ラン、いいこと言うな。突然で驚いたが大丈夫だよ。ベガも、ガッシュも、
近じかリゲルが、情報の扉を開くと解っていれば、驚かなくて済むだろう。
ありがとう、リゲル。これで少しは、役にたつ医者になれるかな、、、、
彼に感謝の思いは伝わるだろうか、、」
ノルドの声が詰まった。

『思いは届いている、貴方がいなければ、我々は未来へ進めない』
リゲルの緑の瞳の奥から、彼が見ているようにノルドには感じた。

『?リゲル問題があるな』

『あぁ、彼から言われている。後で診て貰うさ。突っ走ってはいない。
ゆっくりやっている』

「リゲル貴方が疲れていなければ、今でも大丈夫?」

「続けて大丈夫か?」

「まったく問題はないよ」

「ベガがよければ、丁度いいテンションだ。こっちへ来て」
ベガは頷いてリゲルに近づいた。

「おい、2人で緊張しているじゃないか。リゲルしっかりしろよ」
ガッシュが冷やかした。

「彼女はベガ星の姫だぞ、抱きしめるわけにはいかんだろ」

「ここに座って。ノルド横にいてやってくれ。ベガ両手を出してご覧。
汗をかいている心配ないよ。俺は彼の置き土産の扉を開くだけだ」

リゲルが低く安定した所から、静かにパワーを上げ始めた。

「リゲル、とても瞳が綺麗に変化している」
「そうかぁ?緑の光の世界を散歩でもしていてくれってさ」
他人事のように言うリゲル。

彼女はとても嬉しそうな顔をして、リゲルの瞳を覗き込んでいたが、
意識が朦朧として倒れこんだ。
「今日はこのくらいだね、ベガ」

「リゲル。私もこのまま、、、」

「困った姫だ。このまま寝るのか?」
リゲルは優しく彼女を包み込んで、そっと抱きしめた。

「ベガ、なんだかいい気持ちそうだな」
ノルドは心配げに、リゲルを見て
「リゲル。べガはもう」
「あぁ、ベガを頼む」
リゲルはそのまま、そこに横になった。

「リゲル疲れたのか?」ガッシュが驚いて側に寄ると

「いや、元に戻すのに、どこらへんまでいったら良いかと思って。
一度彼の家へ行った時に、ここでならOKだと2人でガードを少しといて、
適当に上げてみたんだ。2人ともだが、俺の通常と言うテンションは
どこだ?いったいどこまで上がるんだって、大笑いだった。
彼に影響があってはいけないと思ったが、俺が宇宙空間以外では、
やったこともないところまで上げても、”過小評価だな”と笑っていたよ。
彼の適応能力はそれこそとてつもない、この世界に当てはまる物では
ないな。さてと、ちょっと外へ行ってくる。なんだったらガッシュもくる?」

「冗談じゃない。そんなのに付き合ったら、俺なんか一瞬で消えちまうよ」

「ガッシュ、、、お前、とんでもなく凄いらしい、、」
リゲルはすっと起き上がって、そのまま宇宙空間に出て行って
見えなくなった。

「とんでもなくはリゲルだ。リゲルやランとは桁違いすぎるよな」

「私はまだ途上です。ガッシュ」

「ランもリゲルも、ゆっくりモードでいる。君が頼りなのは間違えない。
ガッシュ」
ノルドがベガをソファーに寝せながら言った。




<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに> 34

  • 2008/03/17(月) 18:00:46

<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに> 34


「リゲル、この星は本当に美しいな。2つの恒星に、輝く輪をもつ大惑星か」
「いつ見ても美しい星だ。戻ってランを診てもらおう。ランも城でボォンに診てもらっていたのか?」
「いえ、メディカルセンターのボォンのところですよ。、、、ここでも結構ですが」
「ここか?情報が残っている。モニターを見てボォンが怒り出すぞ。ラン覚悟できているのか?」

「確かに。ボォンにも怒られる。今回の事はリゲルに本気で怒られまし、いつも怒られてばかりです」
ボォンはリゲルが本気で怒ったという言葉にビックリしていた。

「当たり前だ。まだ入口に立ったところだろうに、俺は遥か先にいて見えもしないのに、
闇雲に走るんじゃない!と怒鳴りたいところだったが、遠慮して諭したつもりだったがなぁ。
彼から言われて、今はゆっくりと一緒に歩いているよな」

「リゲルがくれた情報にあるのですから、よくわかりました。素晴らしい飛躍をなされた事と、
ある程度元気を回復してお戻りになられた事を、お喜び申し上げます。
リゲル、ドクター・ノルド本当にありがとうございました。」
「ある程度元気でか、、、」リゲルは二ヤッと笑った。
「ボォン、それは返って、怖い言い方だなぁ」
「はははっ!じゃぁラン、覚悟はいいね」
「ノルドまで。ふふっ」

「リゲル、ここは狭いから悪いが、向こうに行って貰っていいか?」
「OK、向こうで、彼とランの美しい星を見て、休んでいるよ」
リゲルは、背中を丸めて頭を下げて、シップのコントロールルームの方へ行った。
ノルドは、彼のその言葉に、思わずリゲルのところへ、行こうとしたが

『一々、そんな反応を見せるな。休むといっているんだから』とリゲルが伝えてきた。

「ラン様、いや、これが今のラン、別の生命体を見ているようです。
惑星ユールンでは、多くの人々をお救いになったと、、、、。彼は、おどろかれたでしょう。
貴方が飛躍される事をお喜びになっていたのに、こんな、、、、、よく生きて、、、。
はげしい衝撃に全身をさらし続けたような、回復はしていますが時間が必要です。」

『ボォン、解っているよ。私の暴走を、リゲルが、自分の命を削ってでも、ずっと支えていてくれていた。
リゲルは今の自分にはそれは疲れる。しっかり私が自分の力を本物にしてからやることだと、厳しく言われた。
今ゆっくりと、体調を整えて、少しずつ前にいくところだ、私の事より、リゲルを、、、、』
『ラン、、、リゲルが、自分から疲れると言ったのか、、、』
『そうです。本当に申し訳ありません。ノルド』
『いや、皆が皆必死なのだ。ランがそうせざるを得なかった思いは、リゲルも良く分かっているよ』

ボォンとノルドは、一気に情報が増えたが、彼らの為にどのようにしていったらよいか、決めかねていた。
彼らはゆっくりというが、上がるにも下がるにも、急激過ぎ、推し量りようがない。
今のところその都度、対応するしかないという話になってしまい、とりあえず使えるであろう物のリストを、
チェックすることにして、この星の最大都市の、ボォンのオフィスのあるメディカルセンターへ移動した。

<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに>35

  • 2008/03/17(月) 18:10:02

<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに>35


メディカルセンターでは、ボォンが突然ランと行ったので、大変な騒ぎになった。
それもあのリゲルと、もう一人の異星人を連れて。

病院のスタッフはランを懐かしがり、リゲルに驚き
シティNO.1の医者ノルドを歓迎した。

「ラン様がお帰りだそうで、今ここにリゲルと来ているんですって」と、
あっという間に入院患者にまで、伝わっていた。
しかし、この星の人たちは不躾なテレパシーをぶつけてくる事はない。
勿論、関係者専用の入口でチェックを受けてから、静かに入ったのだが
ランもリゲルもあまりに有名人だった。
ノルドは、はじめての人となるので少し時間を取られた。

「ランが長老って本当なんだな。病院でこれじゃ、他では大変だなこりゃ」
リゲルは、笑いながらランに言った。
「リゲルが目立ちすぎるからだよ」
『確かに。長老って何人いるんだ?』
『5人です』
『この星を代表する5人の一人か。たいしたもんだ』

「ボォン、これではノルドとセンター内を見学ツアーに全員参加だね」
「そのようですね。ラン様すみません」ボォンは軽く頭を下げた。

「私にお付き合い悪いね。はははっ!ランとリゲルに注目が集まって
私は楽だ。 しかしランもリゲルも解っているね。人のフォローはしない事」
ノルドは、リゲルを見て言った。

『ノルド、病院へ来て、お前そんなことできるのか?解っている適当にな』
今度は、リゲルが、ノルドとボォンに軽く頭を下げた。

『前よりはリゲルの状態が解るんだよ、今の俺は。 ここに着いた途端に、
全体の把握をしていたじゃないか。 どうせ小児科へ行くのだろう?』

『そういう奴なんだ俺は。ノルドと同じだろう』

『俺は仕事が医者だ。この星では言う事を聞くんじゃなかったのか?』

「場合によってだ。はははっ。俺もシティへ戻ったら医者になる。
そうすりゃいいだろ」

「そういうことじゃないだろうが」

「はははっ!リゲルが医者ですか、私達の仕事がなくなりそうですな。
さぁここが私のオフィスです」
ボォンが笑いながら案内した。

この部屋は入口に扉がない自由に出入りできるようになっている。
勿論、出入りする人たちの状態のチェックは、自動でされていた。

[ドクター、お客様がいらしているようですね]コンピューターからだった。

「シティのドクター・ノルドだ」

[ようこそドクター・ノルド、リゲル様お久しぶりです。ラン様、よくおいで
くださいました]

彼の弟子が2名出てきて、驚きの表情を隠せない様子で、興奮しながら
挨拶した。

「君たちこれから、いっしょについて来なさい」ボォンがリゲル達を紹介した。

「キランの弟、ヒュルクです。姉がお世話になっております。
メンタル専門です」

「タタ、小児科です。あの、リゲル様には失礼ですが、子供の中には
驚く子がいると思いますが」タタが心配そうに言った。

「それは子供に限りません。でも彼はすぐ理解されるから心配要りません。
それも彼の能力です」ノルドが応えた。

「どうせ俺は馬鹿でかいよ。能力じゃなくて魅力といってもらいたいな。
はははっ!」 とても嬉しそうだ。

すでにリゲルからは暖かい柔らかなパワーが、静かに周りに溢れ出し
センター内に満ちてきている。こういう時のリゲルは、不思議なくらい
穏やかに安定していて、 星に影響するほどの驚異のパワーに、瞬時に
変わるなど想像できない。

ノルドが、『ヒュルクとタタに質問があれば、その場で聞いてください。
遠慮は要りません』と伝えた。


リゲルは子供達とコンタクトを取って盛り上がっていた。
彼と来た時に遊びに行った学校の男の子が、入院していてそこで大変
な騒ぎのようだ。
「はははっ!馬鹿でっかいのが来るぞ、だってさ!」リゲルがタタに
笑いながら言っていた。 皆がワクワクして待っているのが伝わってくる。
病院にこんな小児科医がいたら凄いのにと、タタは、驚きと共に
嬉しそうにリゲルの美しい瞳を見た。

『タタ、君が適任だよ』

「挨拶は、さっき伝えたから抜きだぞ。皆元気だな〜!
<貴方達、ここは病院です。静かにしなさい!特に、ソンシャ! 貴方の
声が一番大きい、向こうまで聞こえます。声が小さくなる痛い薬でも、
ドクターにお願いしましょうか!>」

突然の爆笑だった。看護人の真似をリゲルがしたのだった。
「似てる〜!!あははは〜!リゲル声もでかい!」
「本当に馬鹿でかい〜。目がとっても綺麗だね」
「ソンシャ綺麗だと誉めてくれてありがとう。馬鹿抜いてくれたら許すぞ」
また笑いがおこった。
タタが慌てて「静かに静かに!」と言った。皆の明るい顔に嬉しくなった。

「やぁ〜ブラウ!学校で楽しかったな。後ろの方で盛り上がっていただ
ろう。 ちゃんと覚えているぜ、シティへ行きたいって言ってたよな。
待っているよ。 あの時は元気だったのになぁ大変だったがよく頑張った!
もう大丈夫だな。 主治医がドクター・タタか、よかったなぁ。
いいドクターばかりだぞ、ここは。 だが、そもそも病院と言うところは、
長くいるところじゃない。早く退院しなよ。できれば明日にもだぜ。
じゃ皆、次ぎ合う時は、メチャ元気じゃないと許さないからな!」

「リゲル、またねぇー!」

「おう!」
リゲルについてきた医者達は、半ば呆れて見ていたがこれでちゃんと
回復の力を与え、皆を喜ばせてテンションを整える事までやっている事に
感心していた。
その証拠にリゲルと部屋を出た後、子供達は安心感に包まれて普通の
会話程度に静かになった。

リゲルは個室の前で立ち止まった。
ヒュルクが何か言いそうにだったがボォンが止めた。
中に向かってコンタクトを取っていた。
そのうちにリゲルが笑って「君なら大丈夫だ。バイバイ」
と中に話し掛けて、中から小さな声が聞こえた。
「、、、バイバイ」

『バイバイっ?』
『ヒュルク、タタ、医者がそんなに驚きを外に漏らしてはいけない。
外に出すのは、理解と喜びと愛情だ』

リゲルは、美しい緑の大きな瞳でヒュルクをジッと見つめて、さらに

『ヒュルク、、、君はいいものを持っているよ。彼女は表に出さなかったが
君の思いは理解している。 今までどおり、君らしく接してあげる事がいい
と思う。
いつかシティに来るといい。多くの星から集まってきている。
それぞれ違って当たり前のところだ。 シティの何処も彼処も強烈な刺激
だらけで、メンタルもそれは豊富に勉強させられるよ。 見た目の強烈な
インパクトでは俺が一番だがな。ふふっ』 

『ノルド、そっちの部屋の子』
リゲルがノルドにそう言ってその部屋の前に立った。

『あぁ診るか。ボォン、、、、わかった』
ボォンは、ランを心配して、ノルドに中の子の事を伝えてきた。

「ラン様こちらの部屋の子にあって、いただけますか」と
ボォンは別の部屋を指差した。

「ボォン、分かっている」
リゲル・ラン・ノルドの3人で、その部屋に入っていった。

生命維持装置の中で、生かされている無残な姿の子どもがいた。
爆発事故だった。
『脳にも損傷がある何処までできるか。内臓の手術の回復が厳しいな。
リゲル、この子にコンタクト取れるか?』

リゲルがスーッと、パワーを一度下げてからジワジワと上げはじめた。

『リゲル、そんな事をしろとは、言っていないぞ!』
ノルドは下げ過ぎで危険だと感じ止めたが、リゲルはやめなかった。
彼独特のパワーで包み込んで行き、一瞬フワッとその力は上がった。

『これで苦しくなくなったと思う。後は任せる。ランがコンタクトとるか?』

『リゲル、大丈夫?』

『あぁ、外から見ている』リゲルは、フッと消えた。

『マイユというんだこの子。事故の事は覚えていないようだが、
凄く怖かった、ありがとうって、リゲル聞いているか?』

『あぁ。ラン、後はタタとヒュルクに任せろ。いいな』

『はい。マイユの体の苦しみをとってくれたのはリゲルだよ。知っている?
あの巨人のリゲル。すごいだろ。 私?私はランだ。、、、そう。
後、シティNO.1の医者のノルドが、今君を診ている。 ゆっくり治せば、
私達に会えるようになるよ。シティに遊びにおいで私が招待する。
また会いに来るよ』

『ボォン、タタ、ヒュルクここへ』

「マイユとのコンタクトの内容は伝えたとおりです。何か質問はあるか?
状態はモニターを見れば解るね。 ノルドがこれからの治療についてタタ
とヒュルクに伝える」

『ラン様、、、、リゲルは?』  
ランは、ボォンを見て、「外だ」と一言だけ言った。

その部屋を出てノルドは、ボォンに伝えた。
『顔を出すのが、小児科だけで申し訳無いですが彼らの負担になります。
ランとリゲルは別な所で休ませたい』
ボォンはランに
「ありがとうございました。滞在区の方へ、ノルドと検討した上で後で
お届けいたします」

『分かった』

「タタ・ヒュルク、ゆっくりできなくて申し訳ない、また」
ランはそのまま消えた。

『リゲル、もういいですか?滞在区へ行こう後でノルドも来ます』

『OK、大飛鳥遊びに来ないかな、、、』

『リゲルの事を覚えているよ。呼べば遊んでくれると思って飛んでくるけど、
遊びは無しです。ボォンに怒鳴られる』
『そらそうだ。病院途中で抜け出して、鳥と遊んでる訳にはいかないな』

<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに> 36

  • 2008/03/17(月) 20:26:24

<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに> 36



リゲルとランは、滞在区の最高級ホテルのバルコニーにいた。
「大飛鳥達があんなに集まったのを見たのは初めてです。喜んでたね。
リゲル、集まってくれている長老たちに礼を言いたいので少しの間、
いいですか?」
「どうぞ、俺はバルコニーから、空の輪と広大な森の景色をゆっくり見て
いるさ」
「では本当に少し休んでください」ランはフッと消えた。

リゲルは広いバルコニーを見渡して、日陰の壁の所へ行った。

『うんしょっと、、かなりだな。身体がじいさんで、頭が親離れできていない子供か、、、』

リゲルは、バルコニーの壁にもたれ床に足を投げ出して座り、静かに深呼吸をしていた。

『俺の星より、空気が薄いんだった』

するとアリアンがやってきて
「リゲル様どうぞ中でお休みください」
「いいや、ここでいいんだ。ここの森の空気と、この星を感じていたい」

「そうですか?ではクッションでもお持ちいたします」

前が見えなくなるほどクッションを抱え、水の入ったボトルを3本持って
アリアンが戻ってきた。
「アリアン!随分たくさん持ってきたなぁ」

「えぇ、お好きなようにお使いください。他に御用はございませんか?」

「君は、あえて気配がするね」

「突然現われたと驚かれるといけないので、そのようにしてあります」

「OFFにはできるのか?」

「はい、ではそのように。少し御様子が違うようですが、どこか?」

「いや。それに暫くしたら、ここにボォンとノルドがくる。ここで昼寝だ。
微かな風が気持ちいい」

「では、お側に居させて頂きます」と言って、
アリアンは、リゲルの身体に、軽い物をかけてくれた。

「ありがとう、アリアン。でも君は中にいて、彼らが来たら昼寝中だと
言って静かにさせてくれ」
リゲルは目を瞑って、そのまま寝てしまった。

アリアンはリビングの奥から、リゲルの神経に触れないようと静かに
観察し、どうするか考えていた。

[ドクターボォン、特別室担当のアリアンです。リゲル様から後ほどお出で
になるとお聞きしたのですが、一応ご報告をと思い。ラン様は長老会議へ
行かれ。リゲル様は今昼寝をされています]と
ボォンのオフィスに報告をした。

「ノルド、リゲルが一人で昼寝をしていると」

「リゲルが昼寝?」

「ホテルのアンドロイド・アリアンからの報告です。私のところに普通
こんな報告は無いのです。リゲル、、、何か。」

「ボォン。リゲルのところへ行きます」
用意したもの全てをケースにいれて、ノルドはボォンと一緒に、滞在区の
ホテルの最上階へ急いだ。

「アリアン、ありがとう。リゲルは、、、」

「もういらしたのですか?少し前にお休みになったばかりですが、
リゲル様は皆さんがいらしたら、昼寝中だ静かにして欲しいとおっしゃっ
て。中でお休みくださいと申し上げたのですが、
”ここの森の空気と、この星を感じていたいから、ここで良い”と
たぶん本当にお昼寝をされたいのだと思いますが、ご様子が少し、、。
差し出たまねをしておりましたら、お許しください」

「いや、さすがにアリアンは気配りに感謝するよ」

ノルドは、『リゲル』と呼びかけてみたが返事はなかった。
リゲルを起さないようにしながら診ていた。

『アリアン、バルコニーの環境は調節できるのかな?』
「はい、リゲル様はここの空気とおっしゃっていましたがよろしいのですね」

『空気中の酸素量を調節してくれ』
『リビングの方は、このままでよろしいでしょうか?』ノルドは頷いた。

アリアンは静かに壁の向こうで、この特別室のバルコニー全体の環境
設定を変更した。

『これで呼吸も少し楽になる。暫くこのままで様子を見ましょう。ボォン』

『リゲルは、こんな風に休みを取るのですか?』

『いえ、声をかけても返事が無いほど、熟睡していると言う事は、、、、。
大体、彼が本当に休んでいる姿を、見せた事はないです』

『そうですか。少しでも楽になるといいのですが、何故ここなのでしょうね』

『彼の星を感じていたかったのだろうとは思いますが、ここで何か、、』

『ラン様が戻られたらシティに戻った方がいいようですね』

ランはリゲルに”うるさい寝るんだ、纏わりつくな“と言われ遠慮していた。
しかし意識をリゲルのところへ向けた途端、不安を感じて長老会議を
途中で退席し、城からリゲルの眠るホテルのバルコニーに飛んだ。

『ラン!こっちへ』ノルドが、中から呼びかけた。

リゲルの寝息を確かめてから、ランは中へ入ってきた。

『リゲルは、なんであそこで寝ているのですか?』

『アリアンが中でと言ったそうだが、ここで良いと言ったらしい。
かなり低いが状態も安定しているし、下がってきていたのも、ストップした
ようだ』

それからリゲルが目が醒めたのは、二つの恒星の夕日に空の輪が
刻々と色を変えて美しく変化している時だった。
リビングから三人はリゲルと外の景色を見ていた。

ノルドは、はじめて見たその美しさに、「綺麗だ、、、」と呟いた。

『、、、ノルドか?美しいだろう。、、、、よく寝た。久しぶりだ』

「リゲル!起してしまったな」

『丁度良かった。この星に来たらこれを見なくてはな。夜の流れ星と輪も
本当に素晴らしいよ』

「はじめて見たぞリゲルの昼寝。びっくりしたぞ。人をフォローしている
場合じゃないと言っただろうが」

『いつもビックリさせるんだ俺は。無理やり起されると思っていたが、ありがとう』

リゲルはバルコニ−の手すりの上に顔を出して景色を見ようとした。
『空気の調整していてくれたんだね』

リビングから皆出て、リゲルのところへ来た。
「ボォン、私の側にいて周りの空気はコントロールする」
ランがボォンを横に来るようにいった。

「ノルド、今はいいからこの景色を皆で見ようよ」

「分かった、これは見なくてはな本当に美しい。君の身体に触れるよ」

『あぁ、十分に低い』

『リゲル、これでは、低すぎるのでは?』

『いいから、もう少しこの景色を見てからにしよう。体が起きるのにもう少し
時間がかかるだけさ』

アリアンがテーブルの上に飲み物を置いて壁の中に消えた。
「リゲル」
「あぁ、ボトル3本の他にも?」
「そうらしい。アリアンのサービスだろ」

「リゲル、なんて綺麗なんだろう。ランやボォンは、これを毎日見ていた
のですか」

「毎日とはいえませんが、季節ごとに、これもまた違って美しいですよ」

「ぁ、、、一つ恒星が沈むと、また全然違う色合いになる、、、きれいだ」
『輪の中に緑色の変わった岩があるね』

「輪の中で一番大きな岩の塊ヨークです。この季節は、リゲルの緑の瞳
のように色を変化させる天体です。彼がリゲルだとおっしゃって、とても
好きなのですよ」

『彼はどこに居ても、貴方を感じているのです。リゲル』

『そうだな』

「リゲル、、、体が震えている。お前の体を支えるには低すぎるんだろう」

ノルドは用意したケースを横に移動させて、中からいくつかの薬を出した。

「大丈夫です。ボォン触れてみてください。これを使おうと思いますが」

リゲルの胸の前と後にシートタイプの持続型の物をはった。

「リゲル!君はここもダメだったのか?ノルド早くそれを」

ノルドは2つの薬を、彼の腕と胸に押し付けた。
『ここがダメなのではない。今の俺は頭が子供で、身体がじいさんだ。
特にここがかなり』と言って、胸に手をあてた。

「何言っているんですか。リゲル、他に欲しい物は?」

「ランこっちへ、リゲルのここをゆっくり静かに弱くていい。ダイレクトに
感じてはだめだ」

「分かりました。ノルド」ランが少しずつフォローをしはじめた。

「リゲル、震えが止まらないな。かなり痛むのか」

『下がり過ぎただけだ。寝ボケていた身体が起きて来た。もう大丈夫』

「あぁ、少しずつ上がって来たな。相変らず驚かせるな」

「リゲル、シティに戻った方がいいだろう」

『ボォンの所に来て良かった、ありがとう。今の俺にはこれ良く効くようだ。
今日はこのまま一晩いて、明日帰るのではいけないか?シティに来て
欲しい。かなりうるさい所だが』

「リゲル、今すぐ帰ったほうがいいのでは?今回はシティにご一緒させて
頂きたい」

「ボォン来てくれますか、よかった。数日滞在できるといいですね。では
なおさら明日にしよう」
「リゲル本当にいいのですね」

『いい。ボォンには迷惑をかけるが、自分で越えなければならない事
なんだ』

『ラン、もういい、ありがとう。前より上手くなったな』

「すみません。前はそんなに酷かったですか」

『フォローされているんだか、なんだか。フォローされている方が息が
切れる感じだった。ランは良く俺にフォローされている割には、上手くなら
ない奴だが今のは合格だ。ありがとう』

「申し訳ありません。リゲル無理しないで、本当にここでいいのですか?
他のどこへってもいいのですよ」

『俺の壁だ、俺が越えるしかないだろう。見かけのランよりもよっぽど
子供なんだ俺は。皆に迷惑かけて彼に心配させている』

「確かにそういう部分がありますね。一晩中床の上では体中痛くなりま
すよ。リゲル」

『分かった。2人も医者がいてくれるし、フォローの練習にもなったしな。
ノルド、ゆっくり夕日を見られなくて悪かったな。これから夜は流れ星が
綺麗だよ』

リゲルは笑って「アリアンも綺麗だし、中へ入ろう」

「そういうところは子供じゃないわけだ。ふふっ」

「この星のように、美しい物は美しいだろ」

「アリアン、リゲルに大きなベッドの代わりになる物を用意できるか?」
「今すぐに、ご用意いたします」

『今は俺と一緒だがランはもっと変化していく、誰よりも彼の影響受け
てきているんだ。彼と俺の癒しのパワーはNO.1と2だぜ。
ランも今よりすばらしい物を持っているはずだ。怖くないのをだぞ』
リゲルはニッと笑った。

<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに>37

  • 2008/03/18(火) 08:30:09

<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに>37


セントラル・シティが目の前に現われた瞬間、
「なんて規模なのだ!すごいですね」
ボォンは外の景色に釘付けになっていた。

シップから降りる前にリゲルはノルドに伝えた。
『俺はガッシュだ。ノルド報告しておいてくれ。ラン、ボォンをメディカルセンター
に連れて行って。ラン、そう俺にまとわり付くな!ガッシュを脅してくる。
ノルド後よろしくな』

ノルドはリゲルを見上げて睨みつけるようにしていった。
「何を言っているんだリゲル!冗談じゃないぞ。お前昨日のこと、
忘れたわけじゃないだろう」

「リゲル!まだ無理です。何故?!」

「リゲルは、いつもこんなに勝手な行動をとるのですか?」

「ボォンは言う事が厳しいな。、、、やっぱり黙って外へ行けば良かった。
君たちが皆の事を心配する、少しでも護ろうとするのは君たちの役目だ。
私は、私の役目を実行する。時を見てやらねばならぬ事を、
未来の為に手を打っていく。皆それぞれが、この世界のいろいろな所で
活躍していくのだ。いつまでも仲良く一緒なのではない。一人でも多くの
人たちの扉を開くのが私の役目だ」

「解っている!何故今なのだ?彼はゆっくりと言っただろう」

「俺には解っている事があるノルド。手を打たなければならない。
今の俺は誰も押さえつける事は出来ない」

「リゲル、、、いいかげんに」

『ラン、落ち着いてリゲルを良く見て、かなり、、、、』ノルドが伝えてきた。

「ランには、経験してもらわねばならない事がたくさんある。俺のここでの
仕事は、まだ始まったばかりだと解っているよ」

ノルドが真剣な表情でリゲルに言った。
「リゲルもういい。死ぬつもりはないという気持ちは分かったが、だいぶ
辛そうになってきているじゃないか?何でそう無理するんだ。私には
リゲルの状態がわかるんだ。リゲル、誰も押さえつけられないと言ったな
でも止める事はできるかもしれない。
、、、、一つは、ほんの少し心臓にプレシャーをかける、すぐ動けなくなる。
昨日の薬はもう当に切れているからな。
もう一つは俺が君の行動を止める、分かるな。覚悟はできている。
このまま外へ行くのか?俺はお前を追うぞ」

「ノルド!何を言っているのですか」
ランは、恐ろしい事を言うノルドが信じられなかった。

「いつからそんなに怖い奴になった?医者じゃないなそりゃ」
リゲルの緑の瞳は色を変化させ、怒りを持ってノルドを見ていた。

「あぁ、医者じゃない。リゲルが大切だからだ。これは彼から俺が受け
継いだ思いだ。俺だけの置き土産がある」

「そんなもの置き土産にするか!!、、ッ、、『馬鹿やろう、、、』

「リゲル! ノルドもう止めて!何て事を、、」
ランは慌てて、リゲルの横に来てフォローし始めた。

「ほら、簡単だ。、、、そこにうずくまるか。今すぐ外へ飛んで俺を殺すか。
肉体が崩壊しても、俺はお前を止めるために何処までも追う。
リゲルに解っていることで、俺たちにも解っていることもあるんだ。
情報を共有できるようになったのだからな。自分だけだと思うな。
何故皆で越えようとしないんだ。リゲルが一番後をゆっくり歩い来て、
皆のできなかった埋め合わせをするぐらいで、いいのではないか?
リゲルが急げば、世界は違う物になるぞ」

『ノルド、何を彼から受け継いだと?』

『お前を命がけで護れと言われた』

『俺は何のために、ノルドの扉を開いたと思っているんだ』

「お前を護るために必要な事を身に付けるためさ。さぁ少し休めば、
どうせ自由にできるだろう。今は言う事を聞け!」

『くそっ、、、、、ノルド、この後の事、後悔するなよ』
リゲルは胸を押えて痛みを堪えていた。

『たぶん後悔するのはリゲルだ。俺が死ぬのが早いか少し遅いかの
違いぐらいだからな』

『なんて言い草だ。、、、医者がプレッシャーかけて、、、、』
『リゲルが相手なら、しょうがない、、、、。センターの特別室へ移動する』

『リゲル、貴方は私達を苦しめる事が多い。間違えなく彼とは違います。
貴方を追う事はもうしません』

『それで良い、ラ、、ン、、、、、』リゲルは、そのまま意識を失った。

『ラン悪かったな。、、、リゲルを止めるには、今これしか出来なかった』
ノルドも、苦しそうに呼吸をしていた。

ボォンは、ノルドの背中に触れて
「ノルドは、そうまでしてリゲルを止めるのか。何という人だ」
ボォンは鎮静剤を用意したが、ノルドは今それは使えないと言って断った。
ランがノルドのフォローをはじめた。

リゲルの手当てをしたところで、ノルドは、
「少しの間、彼と二人にしてもらいたい。ラン心配か?」
「貴方が心配です」
「ランのおかげでもう大丈夫だ」

ランはボォンと部屋をでて、メディカルセンターのスタッフルームへ行った。
ボスと医長、ガッシュ、ベガも来ていた。
「ようこそセントラル・シティへ、初めまして、ドクターボォン。ランどうなっているんだ?」
ボスが挨拶もそこそこにランに聞いた。
ランがボォンの紹介とOPENにできる範囲の報告をしていた。

ノルドがリゲルの心に話し掛けていた。
『リゲルの未来を見たい、そう思っていた。彼と我々との未来への道を、
一緒に歩んでいくと思っていた。しかしこのままでは一人づつ欠けていく
、、、それもまだ入口に立ったばかりで。
確かに君は私達を超えた存在だが、今の時点で遥か未来につながる所に
リゲルは、いない。彼も命がけで伝えに来たのだろう。リゲルがいなくては、
未来の平和への道が繋がってはこない。
ランは急速に成長しているが、、、リゲルやランが欠けては、ならないのだ。
リゲルはどこまでも突き進んでいく、自分でも押えられないのだろう。
しかし一人で、遥か前を行っては、誰も付いていかれないのだ。
その素晴らしい力で、皆を率いていってもらわなくては。元の君に戻るま
では、なんとか、、、、。足を止めた事で遠回りになっても、必ずリゲルが
いれば道は繋がっていく。
力に差がありすぎて、私の全てを出しても大して役にたたないだろうが
彼が置き土産をしてくれた。必要があるとしても、もっともっと先だと
思っていた。それに使い方が違うと彼に怒られるな。ふふっ。
、、、、私はリゲルの苦しみと共に生きよう。せめて少し遠回りになったと
言われて見たいものだが、リゲルが目覚めてから数時間かな?数日、
奇跡が起きればだが。ふふっ、リゲルは立ち止まる事を知らないからな』

そうリゲルに伝えてノルドは飛躍した。
「ノルドか?!」
ランは何かを一瞬感じたがそれが何かは解らず特別室に飛んだ時、
ノルドは静かにリゲルをフォローしていたがまさに別人のようだった。

『今のはノルドだったのですね』

『リゲルは、未来へ続く道に戻るだろう。問題は意識が戻ってからだが。
驚かしてしまったね。センター内の患者には、今、謝って置いた』

『ノルド急激に変化したではないですか。貴方はそういうタイプではないと
思っていた』

『取って置きの、彼の置き土産を自分で開いたのだ』

『、、、大丈夫なのですか?』

『ランは不安を感じているが、私に不安はない。最大の悩みの種は、
ここに寝ているがな。リゲルに触れてごらん。落ち着いてきた』

『まるで冬眠中のようですが、!!』

『普段の彼はとても高い。でもいい感じにいなってきただろう。
この世界NO.1の強い生命力の持ち主が、あの状態であった事の方が
おかしいのだ』

『いったい何をしたのです』

『リゲルをこうしたのは彼の置き土産だ。後、少しばかりの私のフォロー。
リゲルや彼のようなパワーで、人を癒すのは後はランだけだろう。
でも君の個性でいいのだよ。こちらのどうしても救いたいという思いと、
そのパワーを、相手がどう感じているかが大切になんだ。それが人を
癒すベースだ。また治す事を優先にするか、癒す事を優先にするかでも
違うが』

『分かりました』

『リゲルは、少しでも動けるようになると、どんどん突き進んでいく奴だ。
この後、元に戻るまで我慢させるのが私の本当の仕事だ。後はランに
頼むしかないから未来の為に、この厄介なリゲルを上手くコントロールし、
力を貸してやってもらいたい』

『リゲルは目が醒めたらきっと、外へ行くといいます。シティでは出来ない
事をやりに』
ランはノルドがどうやって、リゲルを我慢させるのかが気になっていた。

『そうだな。まるでだだっ子だから、彼の思いを毎日でも言い聞かせる
しかないか、、。少しは物分かりが良くなっていてもらいたいもんだ。
今はここでできる事をやればいい。リゲルはまだまだ、やらねばならない
ことが山のようにあるのだから、体調が万全になれば自由に何でも
できるのにな。次第にコントロールも自在になっていくと思う。
普通に皆との生活をしながらも、ここにいて我々の世界全体を把握する
ようにもなるだろう。彼の言うようにリゲルを超える者は出ない、凄い存在
に変化するよ。そんなリゲルを、私も見たい、、、。』

『皆それを確信できるのに、リゲルはすぐにも、、、』

『他の心配している皆に、リゲルの回復状況を報告してもらえないか。
ボスから再度、皆に伝えたほうがいいな。ここに集中しているのは、
ラン・ボォン・キランには迷惑だと。ふふっ』

『ラン、私では心配だろうが暫く私が呼ぶまで2人でいてもいいか?』

『もちろんです。ノルドは、シティでNO.1の医者なのですから、
コントロールルームにいます。いつでも声をかけてください』




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<遥か時の流れ、一瞬を生きる者としてここに>38

  • 2008/03/18(火) 13:00:03

<遥か時の流れ、一瞬を生きる者としてここに>38


数時間ほどでリゲルが目を覚ました。

『随分早いお目覚めだな。もっとゆっくり休んでいりゃ良いものを。
リゲル、どうだ?だいぶ楽になっただろう』

『あぁ随分楽になったよ、暫くぶりかもな。あんだけ説教を繰り返し伝え
られてりゃ、目も醒める』
『何度言っても解らんやつだからだ。説教か、、、、。余計な事をして、
早く目覚めさせたと言う訳だ。君の不愉快さ、ストレスが伝わってくるよ』

『ノルド!何を!?、、、飛躍したな』

『ずっと先に使う事があるかもしれない、その時の為にと思っていたが。
俺の中に閉まってあった取って置きを、自分で開いてリゲルが早く元の
身体に戻れるように手助けをした。このままこの道を行けば元に戻れる。
リゲルの思いに、私のできる限りの全てで応えたつもりだ。
願わくば少しは役にたったと言われたいね、未来に』

『ありがとう。下がってくるのは止まったが不安と焦りがあったのは
確かだ。ノルドの全てでと、、、、大丈夫なのか?』

『だからリゲル次第だ。順調に回復してくれれば、ありがたいよ。
君の未来の姿を見たいと心から思っているのだから』

『どういうことなのだ?』

『リゲルと共に生きることにした。俺はリゲル次第だ』

『俺と?!ノルド、何をしたんだ?!』

『おい!興奮するな、また苦しくなるぞ。俺がもたない、そういうことだ』

『バカな、、、、ノルド、ここまで回復させてくれただけで十分だ。
今すぐに止めろ!』

『ふぅ、、だから、落ち着け、、、、。俺とリゲルじゃ、差がありすぎるんだ。
分かっていたが、これじゃ、、、。
皆にも未来にもリゲルは大切だ。今リゲルを止めなくては、、、』
ノルドは苦しげだ。

「わかっているなら、ノルドやめろ!もう解った。何で、、、」
リゲルは、ノルドを止められないかと彼の瞳を覗き込んでいた。

『もう発動してしまっている、リゲルと同じだ止める事はできない。
止める事が出来ない奴を、間近で見ている者の気持ちも、
少しは分かるだろう、ふふっ。リゲルの未来を見たかった。元に戻るまで
おとなしく皆の後について来い。惑星が吹っ飛ぼうとも、何があってもだ』

『後悔するのは俺のほうだと言ったな。この事か』

『もう、黙って休め、、、』ノルドはすぐ横のソファーに横になった。

『このままではノルドが先に逝くぞ、、、、、俺がジッと寝ていれば、
ノルドに影響なく体力が戻るとでも?』

『リゲルがジッとしている訳がない。例え暫くおとなしくしていてくれても、
NO.1であるという事が君を駆り立て留まる事は出来ないだろう。
リゲルの身体が戻るまで、この銀河が平和である事を祈るよ。
今、共にさっさと逝ってしまえば、役にたたないじゃないか。
どんな事態になっても、リゲルが何もしなければ日々加速して良くなる。
そう時間もかからないだろう。ストレスは厳しいものがあるが耐えろ。
、、、、、、遠回りを強いられているように感じるかもしれないが、
リゲルは今まで以上の力強い肉体と精神で、皆を未来へ導くだろう。
俺も粘るつもりだ。せめて少しは俺に付き合って、おとなしくしていろ』

『ノルドを絶対に止めて、俺を過小評価しているのを思い知らせてやる』

『あぁ、なるべくこれ以上負担をかけないようにして、、、お前のストレス
だけで十分に苦しいよ。リゲルが元通り、いや、それ以上になって思い
知らせてくれ。急がせる気はないよ、俺の負担になるからな。
リゲルを酷く苦しませた、あんな姿を見せた事などないのに許してくれ。
自分で自分の心臓を握りつぶそうとしているように、私も苦しかった。
だから、、、、、リゲルの苦しみと共に生きていくことにしたんだよ。
あのまま止めようと外へ追いかけるよりは、リゲルにも私にとっても、
はるかにましだ。興奮して眠れないだろリゲル。君が苦しくなければ
俺はOKだからな』

『くそ!なんて奴だ』
リゲルの美しい目から涙が溢れ、頬を流れていた。
リゲルに睡眠薬が投与された。

『せいぜい、おとなしく寝ていろリゲル』

『あぁ、待っていろよ、長生きしろ、、、ノル、ド、、』

「元気なリゲルが目に浮ぶよ。俺はこんなに医者になってよかったと
感じた事は初めてだ、、、」
ノルドの目からひと筋の涙がソファーの上に落ちた。


それから2Dが過ぎた午後。

『ノルド、、、』リゲルがノルドを呼んでいた。
『ランです。リゲルが落ち着いていたから、ノルドは今やっとボォンに
説得されて、鎮静剤をもらって休んだところです』

『そうか、、、良かった。状態は?』

『疲れているだけです。リゲルが大変状態がよいので、助かっていると
言っていました』

『ノルドが目覚めたら、俺が心から礼を言っていたと伝えてくれ。ノルドを
何とか救いたい。体をゆっくり休めながらその方法を必ず見つけてから
起きる。その後は完全に戻るまで目覚めない。その間の事は、ラン頼む。
目が醒めたら、この世界が消えていたでは困るからな。皆に迷惑をかけ
てすまないが、よろしく伝えてくれ』

『迷惑なんてとんでもありません。誰もがリゲルが元気な姿を確信して
います。ノルドを救うというのは?』 

『ノルドは何も?、、、、』

『ノルドはリゲルと共に生きていくことにした。それは君たちと同じ思いだ
といってました。飛躍してはいますが、シップの時以来、片時も離れず、
かなり疲れが貯まっているようだったので、ボォンが見かねて、、、、
ノルドが何か』

『ノルドが俺と生きる、、、この俺とだぞ。俺をこうして置くために、ベースが
違いすぎるのが解っていて、少しでも足止めできればと。ノルドは俺を
苦しめたとシップでの事の責任を強く感じていた。馬鹿げている、、、
ノルドを止めなくては、時間の問題だ』

『?』

『俺の苦痛をノルドが感じているんだ。俺がストレスを感じただけで影響
している。だから俺は何があっても、元に戻るまで寝ているより方法が
ない。ノルドのためにも動けないのだ。ラン、彼を救う情報を探してくれ。
俺も情報を探る。絶対にノルドを助けたい力を貸して欲しい。この事は
、、、いや、君に任す。何もかもで申し訳無いな』

『そんな、ノルドがまだ生きているのが、不思議なくらいじゃないですか。
この事は、私が必ず彼が残してくれた情報の中に探し出します。
今からノルドへの彼のメッセージを調べてみます。
それ以外の事はリゲルが目覚めるまで、皆と共に解決していきます』

『そうだな、さすがランだ。安心して任せるよ。俺の中の彼と語り合って、
ノルドを救う為のヒントを見つけ次第起きる。
ランの声は、解るから探す必要はない。呼びかけてくれればいい。
何かあったら必ず呼び出してくれ。それまでお休み』

『解りました。全力を尽くします』

『ゆっくりだ。ランも、、、、』
『ハイ』






<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに>39

  • 2008/03/18(火) 13:50:47

<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに>39


ランは、リゲルが眠るのを見てモニターをチェックし、ノルドの部屋に行った。
ボォンは、ノルドのモニターを見ながらジッと動かない。

『リゲルは?』
『ノルドのことを心配していた。しかし完全に回復するまでは、このまま休むと
また今寝たところだ、、、、、ノルド!?』

「リゲルが目覚めたのですか?で、今また眠ったと、、モニター見てください」
「!、、、」
ランは言葉に詰まった。認めたくない現実がそこにあった。
しかしリゲルのように落ちつづけるような事はなかった。

「こんな、、、リゲルからノルドの事を聴いた。時間がない。ノルドを頼みます。
彼のメッセージと他の情報を全て調べて、なんとしても救わねばならない」
ランは、ボォンに触れてリゲルから聞いたことを伝えた。

「そんな、、、、ノルド、医者として間違っている、、、、、」

ランはノルドのフォローを始めた。

『ノルド!がんばれ、、、、リゲルは、順調に回復している。リゲルが今、
君を救う為に、答えを見つけようと自身の中の彼と語りあっている。
私も今から、全ての情報を探ってみる。絶対に一人も欠けさせないからね』

ランは、自身の中に奥深く刻まれている、彼の癒しのフォローを思い出していた。

『これは、、、』
ボォンが驚いて、ランを見ていたが、ハッとしてモニターに目をやった。
「ノルドが、戻って来ました」

『そう、もう少し、、、この後は頼む。情報を探りにコンタクトを取りに行く』 

『素晴らしいフォローです。間違えなく彼を思いおこされますがラン様です。
こんなに嬉しい事はありません』

『キランを』

『私もそう考えておりました。よろしいですか?』

『キランのもう一人の先生だ。心配しているだろう』

『分りました。ラン様無理をなさらないように』

『ありがとう、ボスや医長、ガッシュ達にもこの事を、他には、、』

『分りました』


ランは自分の部屋へ戻り、端末からメインへとコンタクトを始めた。
「ノルドへの、彼からのメッセージを知りたい」

[少々お待ちください。今、貴方に彼からのメッセージが、入りました]

「今!?」
ランは、間違えなく我々の事を彼が知っていると感じていたが。


[ラ・ン、ノルドを助けなくてはいけない。リゲルにも影響が出る。
焦らずにやっていい。ノルドを助けられる。
深い精神の中で必ず見つけることができる。私はノルドを見ているから
必ず以前とは違う所があるはずだ。今リゲルに自分の中を探らせている。
他の情報を見る必要はもうない。ノルドのところへ]

『解りました。ありがとうございます』
彼がランを優しく包むように感じているのが解る、ランは泣くまいと思っても、
涙が止めどもなく出でてくるのが、恥ずかしかった。

[メッセージは以上で終わりです。他に御用は]

「ありがとう、もういい」
ランは、涙を拭いて部屋を出ようとした時、

『”一人も欠けさせない”というランの強い思いが届いた。成長したな。
さぁ行こう』

『ダイレクトでコンタクトを!!』

彼がランの心に直接話し掛けて来たのは、いったいどれくらい前の事だったのだろう。
未来に彼と会うまで、何度も同じ彼のメッセージを、繰り返し聞く以外にないと思っていた。
ランは彼に触れて、さらに急激な変化をしはじめた。

<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに> 40

  • 2008/03/19(水) 00:40:37

<遥か時の流れ、一瞬を生きる生命としてここに> 40

「彼も一緒です。ノルドは助かる!」
ランがそう言いながら入ってきた。

ボス、医長、ガっシュ、ベガ、ボォン、キランが来ていた。
「彼も一緒って?」

「ラン様、ドクターノルドをどうぞ、、、」キランは泣いていた。

「キラン大丈夫だよ、今に分る。悪いが離れていてもらいたい。ガッシュ」

「分った」

ランはノルドの頭に手をやって、ノルドの心の奥ふかくに入っていった。

『ノルド、解るか?彼が一緒に君を助けに来てくれた。今、私と共にここで
ノルドを診てるんだよ。分るか?リゲルも自身の中を今探っている。
ノルドもうリゲルは大丈夫だ。彼がもう必要ないと言っている。彼と私が探し
出して必ず止めるから、頑張って』

ノルドの目から、涙が頬をひと筋流れた。
「ラン、ノルドが反応している」ボォンが思わず、声に出した。

「ノルドを確保した。さぁ、これからだ」

ランは、更に深くノルドのなかを探リはじめた時、スーッと部屋の空気が
変わったように感じたと同時に、懐かしさに心が揺さぶられる思いを
どうしようもなかった。

すぐに皆の心にもノルドに話し掛ける、彼の声が聴こえてきた。

『ノルド、ランが君の苦しみを必ず探し出す。もう少し頑張れ。
リゲルのこと心から感謝している。君が止むに止まれぬ思いでした事
分っている。
全ての始まりは、私が未熟であったからなのだ。申し訳無い事をした。
リゲルはどんどん良くなる。しかしノルドが犠牲になったと感じたら、
リゲルは別な人生を歩む。残りの時をリゲルはノルドの心を抱きしめて
生きることになるだろう。ノルドも彼のフォローのパワーが特別な物で
ある事を知っているように、リゲルは非常に繊細で、生命に対して深い
愛情をもつ心優しき存在だ。
ノルドは、なんとしても生き続けなくてはならない。解ったか?』

彼はリゲルの性格を知るからこそ、あえてノルドだけでなく、ここにいる
皆に聞かせた。

彼の伝えたリゲルの事にノルドは強く反応し、モニターは乱れたがすぐに
生命力の回復が明らかに出て来ていた。

ノルドは皆の深い愛情に包まれ、涙が頬を流れていた。

『!、、、、これだ!』

彼はリゲルの心に語りかけた。
『私だ。ノルドの方は分った、それは喜びの中にあった。共に探そう』

『ぁ、、ノルドの喜びの中に?ランと貴方が直接コンタクトをとって、、、』
リゲルは大きな緑の瞳に涙を貯めて目覚めた。

彼が直接コンタクトを取れるようになったことも、どれほど嬉しいか。
しかし自分の変化が、彼やノルドに影響する事を心配していた。

『安心しろ。私もノルドも大丈夫だよ。後はリゲルだ。全て私が未熟な
せいだ。君と共に成長しよう。どうだ?』

『探っているがまだ』

『そうか、この空間内で現状の範囲でいい、無理はしない程度でいい、
”オープン”にできるか?』

『ノルドには、、、』

『ランに今伝えた。リゲル無理にする事はないのだ、僅かな時間でいい。
現状のままの自分の全てを自由にしろと言っているだけだ。
苦しいはずがないだろう。不安なら、、、』

その時リゲルは、間違えなく彼の中にいることを感じた。

『分りました』

『ノルドには気持ちよすぎるか、ふふっ、、、リゲルこれだ!ラン!!』

彼とランが、同時にリゲルとノルドの中にある問題の箇所を消した。
『ノルド、リゲル二人ともこれで大丈夫だよ』

ランがノルドの状態を伝えてきた。
『呼吸と脈が早くなりましたが大丈夫です。回復に向かっています。
リゲルのパワーは私達にもわかりました。、、、良かった』

『リゲル、ノルドの部屋へ行こう。君が彼に声を直接かけてごらん。
ガッシュ、ベガ』

『分りました』

リゲルの身体についていた物は全て外され、特別室の扉が開き
ガッシュとベガによって、ノルドのいる部屋へリゲルが現われた。

「リゲル!大丈夫なのか?」
『あぁ』

ノルドのベッドの脇にガッシュに支えられて座り、ノルドを見ていた。
その大きな美しい緑の瞳からは、涙が溢れそうになっていた。

ボォンはモニターを見てノルドに負担がかかっていない事を確認して皆に
伝えた。

「ノルドはもう大丈夫だ。何ていう人たちだ。この場に立ち合わせて
頂き感謝します」

「リゲル、起きていて本当に大丈夫か?」

『彼がいる大丈夫だ。ノルドに礼を言ったら、またおとなしく休むよ』
皆は、目の前にリゲルとノルドがこうしている事に感動を押えきれずにいた。

『ノルド、、、俺だ。もう苦しくないか?』
リゲルがノルドのその類希なフォローでノルドを包み込んでいた。

『、、、』

『ボォン、、、』リゲルはノルドの変化を見つめていた。

『大丈夫、今君のフォローと呼びかけで、急速に戻って来ている。
もうすぐ目覚める』

『そうだな、、、。ノルド、彼が来てくれたぞ。ランと彼が救ってくれた。
俺はノルドに救われた心から礼を言うよ。本当にありがとう。この後も
完全に戻るまで、君の言うとおりにしているからな』

『、、、リ・ゲ・ル、、、か、わかってる彼も来て』

『ノルド、ありがとう』

『リゲル、よかった。  ありがとう、、、、、』

『よかったなノルドこれで安心したか?さぁ二人とも、もう暫くおとなしくだ。
ランご苦労様、またコンタクトをとろう。シティの皆にもボスからよろしく
伝えてくれ。また会える事を楽しみにしている。ラン、リゲル、もう一度言う
ゆっくりでいいんだ』

『ハイ、そのように致します』

『分っています。強い心の怖い人が周りにいます』

「リゲルその言葉の効力は、いつまで持つのですか?ねぇ、ノルド」
ランも、ノルドも微笑んでいた。


『リゲル、少しは物分りが良くなったか?くくっ。”人という種”は、宇宙の
生命の中でも、あらゆる意味で目を見張る存在だ。小さな肉体に宿った
その可能性は宇宙大に広がりをもつ、それは信じがたい愚かさや矛盾も
すべて持ち合わせて存在している。私はその魅力に囚われてしまった。
共に生きてみたいとあの星に生まれた。
他の生命達と大きな意味では、それほど変わらない一生と送ることが
宇宙の歴史の中で繰り返されている。しかしあらゆる生命の頂点に突如
現われるのも、人という種だ。今リゲルは私に心を固く閉ざして、、、
リゲルの未来は、間違えなく君のものだ。どの道を行くかは本来君の
自由なのだよ』

『身体が戻るまでOFFにして混乱している頭を整理し、これからの事を
考えたいと思っているんだ。知ろうと思えば、閉ざしてようがいまいが
俺が何を考えているかなど、すぐわかる事だろう』

『いくつかの方向を出しているのが解る。君が助かったそれだけで
私は嬉しい、、、それでいい。すべてリゲルにしか出来ないと思わないで
皆と作り上げていくのだよ。だが苦しいな私も同じだ、、、。
リゲルの元気な姿を、皆が当然のこととして確信しているのが嬉しい。
皆が待っている。ゆっくり休め』


『ガッシュ、ベガ、リゲルを』
皆、彼の思いの中で幸福感に包まれて微笑んでいた。

『分りました。リゲル行きましょう』とベガがリゲルに語りかけた時、
彼がここから自分のいる世界に戻っていった。


リゲルは目を閉じて皆に伝えた。
『ノルド、ありがとう。しかし全ての者達に、二度とこんな事はさせない』

その言葉の中に込められたものは、厳しいものであったはずだが淡々と
伝えた。

『、、、リゲル』

『リゲル疲れただろう、部屋に戻るぞ』
ガッシュはリゲルを特別室へ戻した。

「ノルド、ゆっくり休んでくれ」
医長が声をかけて皆も部屋から出た。
ランはノルドを眠らせた。


部屋に戻ったリゲルに、ガッシュが優しい笑顔で聞いた。
『これでいいかな、何かほしいものがあるか?』

『これでいい。ガッシュ、ベガありがとう』

『ゆっくり休んでね、元気なリゲルに会うのが楽しみよ』

『君たちも彼が戻って来たから、ノルドのように自分で扉を開く事が
できるだろう。素晴らしい変化を期待しているよ。目が醒めたら会うのが
楽しみだ。ガッシュたいして変化してなかったら、外で俺が抱いて扉を
開くよ。覚悟しとけ』

『またそれかぁ?人のことより自分だろ、どれほど皆が心配していると
思っているんだ。寝てろ!』

ベガが笑っていた。

『あぁ、暫く、、、寝ている。彼もいる皆がいる。安心してゆっくり行く。
さぁ、部屋を出て行ってくれ』

ランがガッシュ達と入れ違いに入ってきた。

リゲルはランをジッと見ていた。
『彼がコンタクトを取れるようになって本当によかったな。ランは立派に
成長している、ここの未来を任せられるから、俺は安心して休める。
彼が戻って来た、、、ノルドのようにガッシュも、他の皆も自分で扉を
開く事ができるだろう。遥か未来につながるように、もっとゆっくり遠い
未来を見つめて行く』
リゲルは、少しずつ下がってきていた。

『私?、、、リゲル?!』
モニターのデーターから、コンピューターが自動的に治療内容を表示し
開始した。

『もう寝るよ、、、ラン、、、』

『何?、、、、リゲル』
リゲルは、深い眠りに入っていった。

ランは、リゲルが何か言いかけた事を確かめようと、リゲルの心を追って
いった。
『リゲル、、、、。呼びかけたら、応えてくれるのではなかったのですか?』

リゲルは心を閉ざしたまま、更に深く精神の深海ヘ溶け込んでいった。

ランはそのまま朝まで、リゲルを少しずつフォローしていた。
時々『リゲル、、、』と呼びかけてみたが、反応がないままであった。

ボォンが1時間ごとに様子をチェックしている。

「少しあがった所で安定している。完全に戻るまでは、暫くこのままなの
かもしれない。ノルドは順調だね」ランが言った。

「貴方も少しお休みください」

「無理はしていないよ。私もゆっくり行っている」

「それでも少しお休みください。私はここにいます」

「ボォン、ノルドにはガッシュがついているのだね。ボォンも朝食はまだ
だろう?何か持ってこさせよう。喉も渇いた」

ランはパネルに触れていくつかの物を頼んだ。ミネラルウォーターを出し
半分ほど飲んでソファーに横になった。
暫くしてルームサービスが朝食を扉の前に置いていった。

ボォンが前の部屋にいるガッシュに、”ランからです”と朝食を用意した事
を伝え、部屋に戻ってランに声をかけたが寝てしまっていた。

『ラン様の変化には驚きましたが、貴方への期待と、責任の重さの為
だったのですね。神経が磨り減る日々で疲れているはず、彼が戻って
きてくださった事が支えですね』
ボォンは、ランの為に調整したものを持ってきて、腕に長時間タイプの物を
静かにつけた。

暫くしてランが起きた。
「、、、寝てしまっていた」

「リゲルもノルドも安定しています。もう少しお休みください」

「そう。これは、、、ありがとう」
ランは腕を見て礼を言った。

「朝食は先に頂きました。少しは何かお食べにならないと、、ガッシュも
先ほどここへ来たのですが、お休みだったので礼を言って戻りました」

「ここ数ヶ月が激動の信じがたい日々だった事を思い出していた」

「そうですね。貴方が一番衝撃を受けられたのではないでしょうか」

「、、、それぞれに皆だよ。でも何度も私の責任だとおっしゃって、彼が
一番苦しんでいた事は間違えない。我々は大いに成長せねばならない。
だが体はゆっくり。くくっ、難しい。これからのシティはどう進むべきか、
意見も聞きたいから、いろいろ勉強しておいて貰いたい」

「解りました。私の滞在期間は延長ですか?」

「そうだったね。ボォン自身のこれからの事もよく考えて、できれば力に
なって欲しい、何日ぐらいいる予定にしてある?」

「最初の予定では、3Dですが」

「ふふっ、それは延長しなければならないよ」

「解りました。そのように私のオフィスに伝えます」

『ガッシュ、これからの事を具体的に話し合っていきたいと思います』

『そうだな。リゲルが休んでいる間に我々でできる事を、やっておこう。
方向性を出して動き出さなくては、膨大な情報がもったいないな』

『いくつかをまとめておいてくれないですか?ベガにも伝えてください。
後、シティの主要メンバーと言う事でボスに頼んで、早い方がいい
今晩はどうです?私はこれから、メインコンピューターとコンタクトを取って
皆の意見を聞いた上で、すぐ実行に移せるように、いくつかの事を
準備しておきます』

『解った』